すばらしくてNICE CHOICE

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ヤング≒アダルト / Young Adult

82点/100点満点中

JUNO/ジュノ』のジェイソン・ライトマン監督とディアブロ・コディ脚本コンビがシャーリーズ・セロン主演で撮った2011年のコメディドラマ。共演には『レミーのおいしいレストラン』でネズミのレミーの声を担当したパットン・オズワルト、『ザ・レッジ -12時の死刑台-』『プロメテウス』のパトリック・ウィルソン。製作費1200万ドル。

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ヤングアダルト小説のゴーストライターをしている37歳のメイビス・ゲイリーは、都会でそれなりに華やかなひとり暮らしを満喫しているが、光り輝いていた高校時代の気持ちをいつまでも卒業できずにいる。高校時代の恋人バディ・スレイドから出産祝いパーティへの招待状が届く。メイビスはそれを見て衝動的に帰郷。彼が今でも運命の相手であり、再会すれば必ず自分のほうを向いてくれると彼女は信じていた。
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映画の都ハリウッドには美人美男が揃う。もちろん美醜の価値観は人それぞれで、民族、地域によっても異なるが、西洋文化に毒されている身には美しさの頂点はモデル業界やビューティコンテスト、欧米の上流階級でなく、とりあえずハリウッドにあると思っている。しかも主役を張るだけのトップクラスはただ美しいだけではなく、演技も巧いのだ。当然内面などは知らないし、ただそのご面相とスクリーンでの輝きを比較した時に一番美しいのは私の中で圧倒的にシャーリーズ・セロンだ。『スノーホワイト』で魔法の鏡が告げた託宣は間違いではない。表向きの主役は白雪姫役のクリステン・スチュワートだったかもしれないが、凄味のある美を発散し続けたセロンの前に彼女は最後までかすんでいた。

まあ、美しいのと好みはまた違う話で、脱線になるが一番好きな女優はウィノナ・ライダーだ。ただ、金髪ロングの時はあんまりなので、『シザー・ハンズ』が面白いと思ったことは一度たりともない。とはいえそれは10年ぐらい前までの話で、その後はキーラ・ナイトレイに浮気心を抱き、今はなんといってもエマ・ワトソンに期待したい。「ハリーポッター」シリーズを見たことがなく、ということは演技しているところをほとんど見たことがないという意味だが、なんでもギレルモ・デル・トロの来年か再来年公開予定の新作にキャスティングされているらしく早く見たいものだ。あ、男優ではジョージ・クルーニー。これは迷う余地なし。

閑話休題。そんな美の最高峰の中でもさらにトップに位置し、『モンスター』のような体の体型を変えてまで役に打ち込む真摯さがあるシャーリーズ・セロンがなんとも情けないヒロインを演じるのが本作で、ここまでやるのかと止めたくなるやらもっと見たいと思っているのかよく分からない心境になりながら見終えることになる不思議な作品だ。

邦題は原題の"Young Adult"とほとんど変わらないが、ニアイコールを入れたことで説明臭くなり失敗だろう。単純に見ればセロン演じるメイビス・ゲイリーが十代後半向けの小説ジャンル、ヤングアダルトを執筆する人気作家のゴーストライターをしていることから付けられていて、それでいいのだと思う。

人気を誇ったシリーズも下火となり、連載は終わりを告げられ、テレビ向けの原稿も行き詰っている彼女のもとに学生時代に付き合っていた元カレから子供が生まれたとメールが入る。彼女はミネソタの片田舎で燻ったまま人生を終えることが満足できず、都会(そうはいってもニューヨークなどではなくミネソタの州都ミネアポリスだ。別名リトル・アップルというらしい)に出て、ゴーストライターに甘んじているとはいえ田舎で暮らす人間にとっては成功者であり、またその美貌も誇りしているが、三十も後半を迎え、焦り始めている。

そんな時にもらった赤ん坊の写真が添付されたメールに戸惑うも、意を決し、生まれ故郷に帰ることにする。カセットテープでその彼と当時よく聴いていたTeenage Fanclubの「The Concept」(YouTube)だけをしつこく何度もリピートさせながら。

その元カレのバディ・スレイド役のパトリック・ウィルソンと会い、ひょっとしたら彼と別れずに共に歩む道があったかもしれない。あのメールは実は私とやり直したくて送ったものなのかもしれない。彼は私とやり直したのだとひとり思い込みを強めるメイビス。その街には高校時代におそらく学生カーストのトップにいて、その後も都会で成功したという自負と、しかし自分がそこで掴んだものがなんだったのかと考えさせられる瞬間と、失ったものをまざまざと見せつけられる。

人は誰しも同じような想いを抱くし、それと直面し学ぶこともあれば、目をそらしてもいいのだと思う。なんだかんだと意地悪しながらもメイビスは基本的に人が良く、本当は見たくもない事実に心を傷つけられていき、そのたびにこちらももうそんな思いを味わわなくてもいいんだよと思うわけだけど、意外に優しくも強いエンディングを迎えるために、そうなると作品としては印象に残りにくさが出てきてしまう。

卒業して十数年経てば、カーストの上位も下位もないわけで、ゲイ疑惑を掛けられ運動部の生徒にリンチに遭い、今でもその後遺症を引きずるマット・フリーハウフとのやりとりは、メイビスの現状を説明する象徴であり、単純に彼女が素の表情を見せる場面でもあり、コミカルで良いやり取りが多い。

ラストシーンでのV字回復もあり作品としてのパンチには欠けるものの、女性の仕草を丁寧に演出しているから最初は女性が撮ったのかと思ったのだけど、『JUNO/ジュノ』や『マイレージ、マイライフ』のジェイソン・ライトマン監督作と知り納得した。小さくまとまりがちではあるが、生きたキャラクターを作り出すのが本当に巧い。
2012.11.02 Friday 23:58 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
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2019.08.20 Tuesday 23:58 | - | - | -
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