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おとなのけんか / Carnage

73点/100点満点中

巨匠ロマン・ポランスキー監督の最新作。第68回ヴェネツィア国際映画祭で金若獅子賞を受賞。ジョディ・フォスター、ケイト・ウィンスレット、クリストフ・ヴァルツ、ジョン・C・ライリー競演。製作費2500万ドル。2012年公開作品。

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ニューヨーク、ブルックリン。11歳の子供同士が喧嘩し、片方が前歯を折ってしまう。ケガを負わせた子の両親カウアン夫妻はロングストリート家を訪れ、謝罪と和解が行われることに。互いに社交的に振る舞い、話し合いは冷静かつ友好的な形で淡々と進んでいくかに思われたが・・・。
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映画は芝生の上で子供たちが集まり、争っているのを遠くから映すところから始まる。続いて場所をアパートの一室に移し、男女4人が何やら文章を作成している。エンドロールで再び最初の芝生が登場するまでその一室とそれに続く廊下のみで繰り広げられるドラマだ。

誰しもが舞台劇のようだと思うだろうが、その通りで戯曲『大人は、かく戦えり』というヤスミナ・レザという人の作品を原作に、そのレザも脚本に参加し、ポランスキーと共に書き上げたものだという。原題の"Carnage"は虐殺を意味する。確かに理性や常識が駆逐され、普段は繕っている本性がむき出しになっていく過程はそう見えないこともない。子供同士の喧嘩に端を発し、大人同士の話し合いが次第に喧嘩になってしまうという物語からも邦題にはユーモアがあり、珍しく原題に勝っているように思う。

ジョディ・フォスター、『タイタニック』に出演したばかりにケチが付いた感があるものの演技派として鳴らすケイト・ウィンスレット、オーストリア出身ながらクエンティン・タランティーノの『イングロリアス・バスターズ』でナチス将校役を見事に演じ、カンヌ国際映画祭男優賞はもとよりアカデミー賞助演男優賞の栄冠にも輝いたクリストフ・ヴァルツ、コメディ畑の印象が強いジョン・C・ライリーという4人が、ほとんど場面転換のない中、音楽もなく、ただセリフだけ、つまり俳優としての演技力だけで物語を進めていくという役者冥利に尽きる作品でもある。

木の枝で殴られ前歯を数本折った被害少年イーサンの両親にライリーとフォスターが、その加害少年ザカリーの両親でロングストリート家にわざわざ出向き事実関係を確認し謝罪するカウワン夫妻をヴォルツとウィンスレットが演じる。最初は穏便に話し合いが終わるかに見えて、やがて互いの姿勢への不満が頭をもたげ始め、不慮の事態があったりしながら、両家の対立だけではなく、時に夫同士が手を組み、女性陣と対立したりとその戦線は遂次様相を変える。一応最後まで相手を尊重し、常識人であろうとするフォスターがそのリミッターを切った時、燎原の火となり、混沌は最高潮に達する。

ただ、そのオチ自体はそれほど面白味がなく、非常にあっけない。ジョディ・フォスターが青筋を立てるという表現そのままに演じ、しかも首周りの筋を亀のように伸ばしてののしる鬼の形相を見られただけでも何だか映画を見ている気になり、得した気分になる。

ウィキペディアによると、ポランスキー監督がいまだアメリカ当局から追われているため、当然入国もできず、舞台はブルックリンという設定ではあるけれどパリで撮影されたとのこと。いつだったかスイスで拘束されたというニュースが流れて心配したけれど、元気に映画を撮っているようで良かった。
2012.11.04 Sunday 23:59 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
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2019.08.20 Tuesday 23:59 | - | - | -
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