すばらしくてNICE CHOICE

暇な時に、
本・音楽・漫画・映画の
勝手な感想を書いていきます。
08 / 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
<< 劇場版 SPEC 〜天〜 | main | ディヴァイド / The Divide >>
SHAME -シェイム- / Shame

58点/100点満点中

英国出身の黒人映画監督スティーヴ・マックイーンが2011年に発表した長編2作目。彼の3作目は来年公開予定でブラッド・ピットも出演している『Twelve Years a Slave』。主演のマイケル・ファスベンダーは本作でヴェネツィア国際映画祭男優賞受賞。共演には『わたしを離さないで』『ドライヴ』のキャリー・マリガン。製作費4200万ドル。2012年公開作品。

************************************
ニューヨークの高級マンションで暮らす独身男性ブランドン。会社でも有能で、多くの女性をとりこにする甘いマスクをしている。ところが、彼には誰にもいえない秘密があった。極度のセックス依存症で、行きずりの女やコールガールと遊び、暇さえあれば自慰に耽り、職場のパソコンの中さえ猥褻動画を溜めていた。ある日、妹のシシーが転がり込んでくる。それまでギリギリのところで踏み留まっていた彼の日常が徐々にバランスを崩し始め・・・。
************************************

セックス依存症の男を主人公にし、"赤裸々かつ過激な性描写が物議を醸す"ものの、評論家受けは良い作品と聞き、興味が湧いた作品ではあったのだけど、いざ見てみるとテーマとの距離感が絶妙で言外に監督の意図をしっかり含ませ、評論家が喜びそうだというのはよく分かる作品だった。

画面から伝わる冷ややかな質感からも、都会で暮らす人々の"苦悩と孤独"は確かに描かれているようにも思う。ただ、主人公がセックス依存症には思えないのだ。成人男性なら、ナンパもするだろうし、隙あらば据え膳も食べるだろう。エロチャットもするかもしれないし、デリヘルだって一般的だ。エロ画像や動画もそこら中に転がっている。行きずりの女性や売春婦で済ませてきただけ、どこかのプロゴルファーよりはずっとまともだろうし、いざ同僚の素人を相手にした時に問題が発生したことに彼の悩みの深さがあるのだろう。それはセックス依存症ということではないと思うのだ。どちらかといえば見境なく女性に声をかけまくる彼の上司こそが依存症に見える。

最後の最後まで本当にブランドンの妹なのかと疑ってしまうシシーもまたひとつの行為に依存し、それは結局他者との繋がりを期待すること(本来の目的を決行するにはもっと簡単な手があるのにそうしない)でもあり、都会はもちろん地方であっても以前のような人々を固く結びつけていた地域社会が失われ、人々は漂流し個へと断絶してしまったとか何とかもっともらしいことを語り出しそうになる映画ではある。

とはいえ、だからどうしたと思ってしまう内容でもあり、90分と長くはないし、音楽が良いので最後まで見られるが、決して面白くはない。


ウィキペディアによると、アメリカ公開の際に、"NC-17(17歳以下観覧禁止)の指定を受けたが、映画会社は再審査の要請や作品のカットによって比較的制限の少ないR指定への引き下げを図らなかった。同社の社長はこれについて「NC-17は緋文字ではなく、名誉勲章だと思う。我々は今こそこのレイティングが前向きに使えるようになる時だと信じている」と語った"そうだ。

NC-17とは日本でいえば18禁相当に当たる指定で、アメリカの場合は上映館の制限はもちろん、プロモーションの面でも制約を受け、その後の収益にも大きく関わるレイティングなわけで、この社長の決断はずいぶんとアーティスト側に立った男気ある行動といえる。

ただ、"日本では映倫が多数の箇所に修正を入れない限り区分適用外、すなわち上映不許可とする判断を示したため、配給元はマックイーンと協議の上公開を決めた"とのこと。

確かにファスベンダーが男根をブラブラさせながら歩くシーンがあり、最近は男性器については寛容な場面が多くなった印象はあるとはいえ、メリガンのヌードシーンなどはまだまだ日本では難しいのだろう。いかにもといったモザイクではなく、のっぺりとした肌色のを使うのは配給元の努力だろうが、本来あるところにあるべき部位がないと落ち着かないものだ。
2012.11.12 Monday 23:59 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
スポンサーサイト
2019.08.20 Tuesday 23:59 | - | - | -
コメント
コメントする











この記事のトラックバックURL
http://gogonyanta.jugem.jp/trackback/4005
トラックバック
Profile
Search This Site
Category
New Entries
Comment


Archives

今日も愚痴り中