すばらしくてNICE CHOICE

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本・音楽・漫画・映画の
勝手な感想を書いていきます。
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2012年ベスト映画
毎年この記事の冒頭にはその年に見た映画の本数を申告している。劇場での鑑賞数は順当に減っていて、今年はついに35本にまで落ち込んでしまった。その一方で、DVDで見た本数は驚異の伸びを見せ、集計したその数字に自分であきれてしまい、正確な本数を書くのをためらう。やはり夏ぐらいからレンタル料が百円になったことが大きい。ただ、消化するスピードがそれを記事にする速度よりもはるかに上回ったため、ほとんど更新できていないという弊害も生まれ、2013年はインプットしたらしっかりアウトプットする、というそのバランスをうまく取りたい。

そんなわけで2012年に劇場で見た35本の中から10本。DVDで鑑賞した映画の中で特に素晴らしかった15本。今年はランキングをもうひとつ加えて、韓国映画から10本を選んだ。


<劇場鑑賞>

1位 ダークナイト ライジング / The Dark Knight Rises →記事

クリストファー・ノーラン版バットマン三部作の完結編。敵役が弱いとか核を軽々しく扱っているなど不満も確かにあるが、それでも圧倒的な質量と人間ドラマ、俳優たちの演技力が生み出す164分間の映像世界は見応えのあるエンターテイメント作品であり、シリーズをしっかり収めたという点でも評価したい。


2位 ドラゴン・タトゥーの女 / The Girl with the Dragon Tattoo →記事

キレのあるデヴィッド・フィンチャー監督がようやく戻ってきてくれたという喜びがまず大きい。力による暴力と複雑な設定を手際よく説明するのではなく、観客を置いてきぼりしてしまうぐらいに勢いよく展開させていく見せ方での暴力にも爽快感があり、こういうフィンチャー作品をずっと待ち望んでいた。


3位 裏切りのサーカス / Tinker Tailor Soldier Spy

世界各国を転々としながら迫力のあるアクションシーンで魅了するスパイシリーズが人気を集め続ける中で、本作は本当に静かで、ほとんど銃声が鳴らないスパイ映画となる。ただ、緊張感はすさまじい。演出や脚本はもちろんだけど、ゲイリー・オールドマンを始めコリン・ファースやトム・ハーディといった渋い実力派揃いの俳優陣の演技に息をのむ。


4位 サニー 永遠の仲間たち / 써니 →記事

笑いも涙も憤りも喜びも全てが詰まっている青春群像劇。見せ方から脚本、テーマ、カメラ、音楽、演技、どれをとってもほぼ完璧に近い。


5位 ヒミズ →記事

園子温監督が古谷実の同名漫画を映像化。原作はギャグ漫画家から人間ドラマを描く路線に変更した古谷にとって現時点での最高傑作であり、ファンはいまだに同作を基準に彼の新作を判断してしまうわけで、それを映画にするということはハードルをかなり上げて臨むことになるが、さすがは園監督というしかない。漫画同様あるいはそれ以上に狂おしい展開を見せる物語を作り込んできて、改めて監督への信頼が高まった。園は今年2本目の作品『希望の国』も制作しているが、こちらは原発を正面から描いている。その心意気は評価するし、それでこそ園子温とも思うが、物語の完成度は微妙だ。


6位 サラの鍵 / Elle s'appelait Sarah

ナチスドイツのパリ占領下で、フランス人が見て見ぬふりをしたユダヤ人迫害事件について真っ向から描いたフランス映画。後世の人間が過去を断罪することは容易だし、『縞模様のパジャマの少年』のようなヒステリックな正義心を振りかざす作品も多い中で、本作は常にフェアであろうとし、そのために人間の愚かしさや恐ろしさがより浮き彫りになる。


7位 プロメテウス / Prometheus →記事

長い監督人生の中で一度も続編を制作してこなかったリドリー・スコットが、完全な続編ではないものの、1979年の『エイリアン』とほぼ同じ世界観での新しい物語を生み出してくれた。映像が本当に素晴らしくて、3D映画で初めて違和感を覚えることなく鑑賞できた作品でもある。現在75歳だというから驚かされる。


8位 哀しき獣 / 황해 →記事

チェイサー』の監督の第2作目。前作よりもアクションをパワーアップさせつつ、物語に謎を含む複雑さまであって、見応え十分。


9位 007 スカイフォール / Skyfall

まさかのサム・メンデス監督がメガホンを取ったシリーズ50周年記念作。よくよく考えると007シリーズを劇場で見るのは初めてだった。冒頭でのオートバイを使ったチェイスシーンでいきなりライバルのボーンシリーズのクライマックスを上回るテンションの高さを見せつけ、さすが本家スパイシリーズとなるが、その後はややトーンダウンしていく感は否めない。


10位 メランコリア / Melancholia

大震災を経験した日本人にとっていまだ癒えることのない傷をファンタジーの形ではあるけれど、がっつりえぐる映画。この監督の前作『アンチクライスト』(去年5位)も痛みが伴う作品だったが、今回もなかなかに辛さを体験できる仕上がりで、なんだかもう素晴らしい。鑑賞中に比較的大きな余震があったものだから、怖さ倍増だった。



<DVD鑑賞>

本国での公開から5年以内の作品から15本を選出。その条件がないと、昔の名作で本当に感動させられた作品なども入れなければならなくなり、そうなるとランキングが非常に不恰好になるので除外した。

1位:
アジョシ / 아저씨 (2010) →記事

本作を見るまでは韓国映画というと話題になるバイオレンス物は好んで見ていたものの、韓国の映画そのものには関心がいかなかった。しかし、米ハリウッドに迫るこんなにも完成度の高いエンターテイメントアクションを製作できるのかという驚きと共に他もすごいのではないかとしばらくの間だいぶ遅い韓流ブームが自分の中で巻き起こった。


2位:
ミスター・ノーバディ / Mr. Nobody (2009) →記事

映画の楽しみのひとつは全く違う別世界に連れて行ってくれることで、本作は完璧な世界観を作り出し、映画だからこその楽しみを存分に味わわせてくれる。劇場で見たかった。


3位:
ステキな金縛り (2011) →記事

恥ずかしながら三谷幸喜映画を見るのは初めてで、深津絵里のかわいさに魅了されると共に、ミステリとしても惹かれるし、人間ドラマもよくできてるし、出演している俳優は豪華だし、幸せな時間を堪能できる。この流れで『ラヂオの時間』や『みんなのいえ』も見たけれど、同じように面白かった。

4位:
フライペーパー! 史上最低の銀行強盗 / Flypaper (2011) →記事

ハングオーバー!』の脚本家コンビが脚本したクライムサスペンス。これまで見た中で最も『ユージュアル・サスペクツ』を彷彿させる作品。確かにちょっとズルはするものの、その分登場人物のキャラが立っていて、見終えた後の爽快感はかなりのもの。


5位:
ロスト・アイズ / Los ojos de Julia (2010) →記事

ギレルモ・デル・トロ製作によるサスペンスホラー。彼は監督業をするよりも、ひょっとしたら製作に回った作品にこそ良作が多いのでは、と確信しそうになった作品。怖い。


6位:
ラスト・エクソシズム / The Last Exorcism (2010) →記事

イーライ・ロスが共同制作者として関わっているフェイク・ドキュメンタリ。近年一気に増えたエクソシズム物の中では一番。カメラの使い方や謎を深める話の展開などホラー映画としても秀逸。


7位:
タブロイド / Cronicas (2004)

上でも書いたようにギレルモ・デル・トロ関連作を見ていく中で出会ったメキシコ・エクアドル映画。情け容赦ない連続殺人鬼を描きつつも、その悪行に駆り立てる抑えようのない哀れな衝動をも映し出し、人の業の深さを綴るサスペンス。


8位:
ものすごくうるさくて、ありえないほど近い / Extremely Loud and Incredibly Close (2011) →記事

9.11を正面から描いた救済の物語。主人公の少年の演技が本当に素晴らしい。


9位:
スーパー! / Super (2010) →記事

アメリカンコミックスのスーパーヒーローたちが映画でも活躍する中、そんな非現実な英雄に自分もなり、悪を退治しようとする中年の物語。監督が悪乗りし、俳優たちもそれに乗っかってしまい、まあ酷い展開を辿るのだけど、それでもこういうのが好きだから仕方がない。


10位:
SR サイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム (2010)→記事

今年シリーズ完結編の第3弾も公開されたが、この2作目が一番面白い。ヒップホップにとって大事な価値観のひとつである"リアルさ"が、夢見がちな男子ラッパーよりも、年齢の問題などを抱える女性のラップの中にこそぎっしり詰まっていて、その言葉は重い。抱える苦しみや悔しさ、怒りをラップとして吐き出すことに必然性まで感じる。


11位:
完全なる報復 / Law Abiding Citizen (2009) →記事

ジェラルド・バトラー、ジェイミー・フォックス共演によるクライムサスペンス。仕掛けが分かってしまえば、なーんだとはなるものの、種明かしされる終盤まで先の読めない展開が続き、すごくワクワクさせられる。


12位:
マージン・コール / Margin Call (2010) →記事

アカデミー賞オリジナル脚本賞の候補にも挙がった経済ドラマ。リーマンショック前夜の慌てふためくウォール街の住人を、インディーズ作とも思えない豪華な俳優陣が演じている。


13位:
ブルーバレンタイン / Blue Valentine (2010) →記事

若手の実力派ライアン・ゴズリングとミシェル・ウィリアムズが共演した恋愛映画。どこにでもいる普通の男女の出会いと別れが描かれる。演出と演技力。このふたつががっつり噛み合い、平凡な物語を特別な1本に輝かせる。


14位:
ザ・レッジ -12時の死刑台- / The Ledge (2011) →記事

今年日本公開されたサスペンス映画。語り口の巧さと、それとオチの非情さ。物語を語る上でおかしな情緒に流されずきっちり幕を引くから、より強く印象に残る。


15位:
DATSUGOKU -脱獄- / The Escapist (2008) →記事

日本未公開のサスペンス映画。脱獄物なのだけど、見終えた時に、ああやられたとなる巧さがある。気持ち良く騙されてしまう。DVDスルーなのにこんな良作が眠っているのだから侮れない。




<韓国映画>

6月中旬に『アジョシ』で感銘を受けて以降、集中して韓国映画を見始め、劇場で見た分も含めて結局今年だけで55作品鑑賞したことになる。ただ、これまでバイオレンス物やパク・チャヌクの新作以外はほとんど見ていなかったわけで、2000年以降の『カル』や『シュリ』、『JSA』といった有名どころをようやく見たためにそれだけの数になった。でも、その55本のジャンルはバイオレンス、ホラー、戦争映画、サスペンスに偏っていて、コメディや恋愛物、人間ドラマは完全に除かれている。以下は劇場鑑賞映画3本を入れない52作の中からジャンル問わずに特に良かった10本となる。

1位:
アジョシ / 아저씨 (2010) →記事



2位:
4人の食卓 / 4인용 식탁 (2003) →記事

サイコホラー。独特な展開と緩急のある恐怖描写、持続する緊張感など、巧さが光る1本。監督脚本のイ・スヨンは本作がデビュー作らしいのだけど、これ以降長編を撮っていないのが残念。かなりの才能だと思う。


3位:
箪笥 / 장화, 홍련 (2003) →記事

ホラー。監督のキム・ジウンは2010年の『悪魔を見た』後にハリウッドに渡り、その最新作はアーノルド・シュワルツェネッガーの10年ぶりの主演復帰作だというから驚きだ。ホラー映画としての不気味さはもちろんだけど、特筆すべきはミステリとしての見事さ。


4位:
ブラザーフッド / 태극기 휘날리며 (2004) →記事

朝鮮戦争で生き別れになる兄弟の物語。既存のハリウッド映画を彷彿させる場面も多々あるが、それはそれだけの迫力を生み出せる証左であり、激烈な戦闘シーンに目を見張るし、人間ドラマでもしっかり魅せるから素晴らしい。冒頭と最後に置かれた現代のパートが実に良い余韻を残す。


5位:
熱血男児 / 열혈남아 (2006) →記事

アジョシ』を監督したイ・ジョンボムのデビュー作。ヤクザな男が片田舎で標的の男の母親と出会い、交流を重ねる中で、芽生えた感情や笑いを、『アジョシ』のような大きな物語ではないけれど、丁寧に描いている。


6位:
ボイス / 폰 (2002) →記事

前半はジャパニーズホラーの影響下にあるおどかしが満載で本当に怖いが、後半に向かうにつれてその丁寧な恐怖描写がだんだん疎かになりつつも、今度は濃厚なサスペンス色が強まり、なかなかどうして複雑な真相が明らかになる興味深い展開を辿る。題名はさすがに知っていたが、こんな良作ならもっと早く見ておけば良かった。


7位:
亀、走る / 거북이 달린다 (2009) →記事

チェイサー』『哀しき獣』のキム・ユンソクが刑事役で主演した犯罪コメディ。人間の悲哀が不思議なノリの笑いにくるまれ、ひょうひょうとした語り口で紡がれていく。


8位:
トンマッコルへようこそ / 웰컴 투 동막골 (2005) →記事

戦争コメディ。朝鮮戦争末期、国境線近くの浮世離れした村で出会った両軍の話で、その設定が示唆するものや、こうした作品が製作できることはこれまでの韓国における表現の自由の歴史を考えると画期的なことなのだろう。緩い笑いはやがてシュールになり、果てはブラックな笑いへと変貌していく。戦争なんてなければいいのにね。


9位:
ベストセラー / 베스트셀러 (2010) →記事

ヒット作を次々に生み出していた女流作家に降りかかる盗作の疑い。人里離れた別荘で再起を図ろうとするも、娘にしか見えない何者かがいる。欧米のホラーをきちんと昇華した恐怖映画で、ミステリとしての要素も多分にあり、中だるみなく最後まで楽しめる1本。


10位:
ひまわり / 해바라기 (2006) →記事

町の厄介者として蔑まれてきた青年が長い刑務所暮らしを経て、真っ当な人生を歩もうと故郷に帰ってくるが、彼を知っている昔の仲間がその決意を疑う。背負ってしまった業に正面から立ち向かう誠実さを描きつつも、最後でずいぶんな大立ち回りがあるのは愉快。ヒロインがかなり魅力的。
2012.12.31 Monday 23:57 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
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2018.11.21 Wednesday 23:57 | - | - | -
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