すばらしくてNICE CHOICE

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スティーヴン・キング『悪霊の島 上下』

読了。
☆☆☆/5点中

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不慮の事故で片腕を失った建設会社社長のエドガー・フリーマントル。フロリダの離れ小島デュマ・キーにひとり移り住む。波と貝殻の囁きを聴きながら静かに暮らすエドガーは、次第に絵を描く衝動にとりつかれる。彼の意思と関わりなく手が勝手に描き出す少女と船の連作とは・・・。
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建設業で成功を収めた主人公エドガー・フリーマントルが建設現場での事故により右腕を失う大事故に見舞われる。主治医に促され、気分が変わるならばと向かった先がフロリダの西海岸にあり、メキシコ湾に臨む"Duma Key(原題)"、つまりデュマ島となる。実はそこには邦題通りに"悪霊"がいて・・・となるわけだけど、物語の前半は片腕を失った男の苦悩や苦痛がこれでもかと描かれる。

著者スティーヴン・キング自身も1999年に交通事故で生死の境をさまよっているわけで、その時の経験が描写の執拗さに繋がっているのだろう。しかし、本書末尾に記された記録によると、2006年2月から2007年6月にかけて綴った作品とある。どうして今になってとも思う。それに訳者のあとがきによれば、事故直後の2001年の『ドリーム・キャッチャー』や2004年の『ダーク・タワーVI スザンナの歌』ですでに"自身の凄惨な記憶とむきあってきた"ともある。私も既読だが、本作ほどではなかったと記憶する。ここでは物語の勢いを殺してしまいかねないギリギリのバランスで事故の恐ろしさを描いているからだ。

一方、物語の後半は『リング』だ。封印からチロチロと漏れ出てきた悪霊は、デュマ島で暮らすある種の事故を負った人々に強い影響を及ぼし、自らの今一度の復活を画策する。エドガー、デュマの住人ワイアマン、そしてエドガーの身の回りの世話をする気の良い若者ジャックの3人が立ち向かうことになる。事故後にデュマに移り住んだことで手に入れたエドガーの能力はキングらしい分かりやすい超自然な能力であり、彼のいつもながらの圧倒的な筆力を堪能しながら後半の悪霊退治の物語を読み通せる。先に『リング』と指摘したのは、大ボスを閉じ込めていた場所がまさに貞子が落とされた井戸を彷彿とさせる点にもある。

しかし、相変わらず高額だ。原書で約600ページ(次作は1070ページだという!)、日本語版は上巻539ページ、下巻で479ページとなり、2冊の合計が4000円。しばらく保留にしていて結局図書館で借りて読むことにしたが、読了するのにひと月近くかかったわけで、4000円のものを一か月間楽しめたと考えれば、まあ悪くない買い物なのかなとは思った。
2013.04.22 Monday 23:58 | | comments(0) | trackbacks(0)
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2019.08.20 Tuesday 23:58 | - | - | -
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