すばらしくてNICE CHOICE

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ムーンライズ・キングダム / Moonrise Kingdom

92点/100点満点中

ウェス・アンダーソン監督最新作。12歳の少年少女が夏休みに決行する駆け落ち物語。共演にブルース・ウィリス、エドワード・ノートン、ビル・マーレイ、ハーヴェイ・カイテル、コーエン作品の常連フランシス・マクドーマンド(というか、兄弟の片割れの奥さん)、ナルニア国物語シリーズの白い魔女でお馴染みティルダ・スウィントンとひとすら豪華。製作費1600万ドル。2013年公開作品。

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1965年の9月初旬。アメリカの右上ニューイングランド沖に浮かぶ小さな島で、12歳の少年サム・シャカスキーは参加していたボーイスカウトのサマー・キャンプ中に置き手紙を残し姿を消す。その頃同い年の少女スージー・ビショップもまた家を飛び出していた。1年前にふたりは同地で出会い、一瞬で恋に落ちたのだ。それ以来文通を続け、入念に計画を練り、ついに草原で落ち合ったふたりは目的の入り江に向かう。一方、島の警察シャープ警部やボーイスカウトのウォード隊長、スージーの両親たちはふたりの失踪に気づき慌てて捜索を開始する。
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映画の趣味が良い人たちが一様に絶賛するウェス・アンダーソン作品。初期の2作品は確か見た覚えがあるのだけど、どうにもはまりきらず、ウディ・アレンと一緒で相性が悪い監督なんだなと思っていたけれど、本作はいい!ボーイ・ミーツ・ガールな幼い恋愛要素に、『スタンド・バイ・ミー』のような夏の冒険。確かにクセは強いけれど悪いわけがない。

オープニングでのレコードから流れる説明や音楽と子供たちの様子を同期させ、序盤のこのためだけにおそらく作られたセットを使った凝ったカメラワークといい、細部にまで手が入り窮屈にも感じられる屋内のデザインといい、映像や演出が鼻につくのは否めないものの、やがて行動力のあるふたりの子供が登場すると、そんなちゃちな突っ込みを物ともせずに物語を引っ張り倒し、ふたりを取り巻く有名俳優たち(著名なだけではなく実力派でもある)の存在感にも動じず、監督と共に何人も立ち入らせない神聖なエンディングまで一気に連れて行ってしまう。

90年代に大ヒットしたフランス映画『アメリ』を惹句に使う映画が今でもあるが、本作こそがあの独特な雰囲気をまとっている。確固たる世界観を持った監督が自身の頭の中の物語や映像をスクリーンという箱庭に忠実に映し出していく。それはある意味では閉鎖的でもあるのだけど、同時に監督の嗜好と同調できたときはとてつもなくファニーに感じられる。

撮影当時12歳の少年少女を下着姿にし、ディープキスや胸を触る演技をさせることは、特に欧米ではかなり危険水域に踏み込んでいるようにも思ったりするが、そうした演出や串刺しの犬の描写、ナイフで刺してしまうエピソードなども含め、子供だからほがらかで微笑ましいといった幻想に留めておくことなく、子供の頃に主人公になりきって楽しんだ冒険小説のように、アンダーソンという細部にまで手を加える監督の世界ながらも現実と陸続きである意識は失われておらず、その不思議な塩梅も含めて意外なほど楽しめる。
2013.08.07 Wednesday 23:58 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
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2019.08.20 Tuesday 23:58 | - | - | -
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