すばらしくてNICE CHOICE

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とある飛空士への追憶

49点/100点満点中

2011年製作のファンタジーアニメ。主人公の声を俳優の神木隆之介が担当。

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海を挟み1万キロ離れたふたつの大陸がある世界。そこを支配する神聖レヴァーム皇国と帝政天ツ上は長年戦争していた。天ツ上内にあるレヴァームの自治区で暮らすカルロ皇子の婚約者ファナ・デル・モラルが狙われた。そこで彼女を水上偵察機に乗せ敵制空圏を突破し、本国に送り届ける極秘作戦が決行される。混血児ベスタドとして最下層民と虐げられ、自由な空への憧れから飛空士になった狩乃シャルルがその操縦技術を買われ、パイロットに起用される。
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約2年前の公開時にポスターを見てだか予告編を鑑賞してだったかもう忘れたが、長く気になっていた作品。ようやく見ることができたわけだけど、かなり期待外れだ。設定やテーマ、物語はひとまず置くとして、作画レベルが酷い。毎週テレビ放送されるアニメならば、それも仕方ないだろうが、細部への書き込みが圧倒的に足りず、いい方はおかしいが絵がアニメだ。原作がライトノベルということで、現実的であることを求められていないのかもしれないが、プラモデルが飛んでいるようなリアリティのない描写に迫力など皆無で、のっぺりとした建物や自然の風景は作品に深みを与えない。良いのは雲がぐらいだ。

映画サイトからあらすじをコピペする段になってようやく細かい設定を理解できるほど劇中では省略されている。それはそれで下手に説明的になるよりは正しい選択であるし、粗も隠される。"遠い昔、はるか彼方の銀河系"で起きた物語のような姫と身分違いのパイロットの話は、目的地まで数日かかるため次第に深まるふたりの仲と、単機で敵と交戦するファイトシーンで彩られる。

貴族階級であるヒロイン・ファナがノブレス・オブリージュをかなぐり捨てるシーンの唐突さや薄着への抵抗感を見せないただのサービスショットの不自然さなども気になるが、神木が声を担当するシャルルに比べ、ファナの声を担当する声優に力量が足りず、全てのシーンでファナの台詞が浮いている。特に戦闘シーンでのそれは酷く、すぐに現実に引き戻される。

身分差別のある世界を取り入れるなど物語を重層的にしながら、でもそれは単純に主人公シャルルとヒロインとの間に深い溝があるとするための舞台装置でしかなく、それ以上の意味を持たないため、クライマックスで描きたかっただろう痛快さは味わえない。それよりも砂金がエンジン部に侵入し互いの飛行機に悪影響を与えないか心配になるほどだ。

大きな世界を設定しながらも描かれるのは矮小な物語であり、せっかくの空中戦にも迫力やリアリティがなく、身分制度の枠から飛び出そうとするふたりの試みも子供じみた行いでしかない。物語はどこまでも小さいままで閉じこもり、あっさり終わってしまう。期待外れ。
2013.09.06 Friday 23:58 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
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