すばらしくてNICE CHOICE

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愛、アムール / Amour

64点/100点満点中

2009年の『白いリボン』に続いてカンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを再び受賞したオーストリア人監督ミヒャエル・ハネケの新作。人間ドラマ。ハネケの2001年の『ピアニスト』でブレイクし、2009年に『白いリボン』が栄冠に輝いた時の映画祭審査委員長を務めたイザベル・ユペールが老夫婦の娘役で出演。製作費729万ユーロ。2013年公開作品。

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フランス・パリの高級マンション。高名な弟子にも恵まれ、悠々自適の老後を送る音楽家の夫婦ジョルジュとアンヌだったが、ある朝アンヌが突然の発作に見舞われる。検査で病気が発覚した彼女は手術の失敗で半身が麻痺してしまう。"二度と病院には戻りたくない"とのアンヌの願いを聞き入れ、ジョルジュは自宅での介護を決意する。
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冒頭、テープで封鎖された部屋からベッドに安置された死体が発見されるが、家主は不在だ。そして物語はその数か月前にさかのぼる。ふたりとも80歳を越えたジョルジュとアンヌの夫婦は静かな生活を送っている。かつての弟子はコンサートを成功させ、老いが立てる容赦のない足音は確かに聞こえてはいるものの金銭的にも気持ち的にも満ち足りている。しかし、アンヌを襲った発作からふたりの生活は一変する。

本作で描かれるのは高齢社会に突入せざるを得ない先進国ではどこにでも転がっている介護の物語であり、今やテレビでは大きなニュースがない時にしか放送されない介護疲れの話だ。長年連れ添ったふたりの年輪は会話の中にかすかに忍ばせる程度で、どのような過去があったにせよ、八十を越した現在でも仲睦まじいという今が描かれる。

愛するが故にしてしまう行為は当事者にしか分からないだろうし、客観的に見られる他人だからこそ断罪もできるわけだけど、いずれにしても夫婦の深い愛の物語とはいえ、今さらという感は拭えない。一方で、これまで相性の悪かったハネケ監督作だが、徹底したリアリズムを映し出す中でふとした瞬間に虚を忍ばせる彼の独特さをようやく楽しめるようになったのかなと思える場面もある。
2013.10.03 Thursday 23:58 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
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2019.08.20 Tuesday 23:58 | - | - | -
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