すばらしくてNICE CHOICE

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白雪姫と鏡の女王 / Mirror Mirror

81点/100点満点中

2012年のターセム・シン監督作。グリム童話の『白雪姫』を原作にしたファンタジーコメディ。主演はフィル・コリンズの娘リリー・コリンズ(いわれてみると確かに似ている)。女王役にジュリア・ロバーツ、王子役が『ソーシャル・ネットワーク』の双子でブレイクし最新作『ローン・レンジャー』の大コケにその地位が危うそうなアーミー・ハマー。衣装はシン作品の常連・石岡瑛子(本作が遺作に)。製作費8500万ドル。

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幼い頃に父親の国王が失踪し、18歳になるまで継母の女王に幽閉されてきた白雪姫。散財する女王のおかげで国の財政は破綻寸前。そこで彼女は若くてお金持ちのイケメン王子との結婚を画策する。しかし、王子は白雪姫にひと目惚れしてしまう。怒った女王は彼女を恐ろしい怪物がいる森に追放。白雪姫は森の奥で盗賊をする7人の小人と出会い、仲間に入れてもらう。
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2012年は白雪姫を原作にした映画が2本製作された。リリー・コリンズとジュリア・ロバーツの本作と、シャーリーズ・セロン、クリステン・スチュワート組の『スノーホワイト』だ。本国アメリカでは本作が3月に、後者が6月に公開されたのだけど、日本では順番が逆になりまず『スノーホワイト』が米国から2週間遅れで6月に、本作は9月公開となった。

どうしてもこのふたつを比べてしまう。『スノーホワイト』のセロンは本作のロバーツと同様に実に楽しそうに演じていて、女王対決では互角だが、白雪姫役で差が出てしまっている。スチュワートはセロンの完璧な美貌の前に完全にくすみ、所詮はお子様向けシリーズのヒロインでしかないことを露呈させたが、本作はロバーツがセロンほどには美を構築せず、ある程度隙を作っていることもあり、コリンズの魅力が上手に出ている。序盤は眉毛の太いグズグズした娘だったのが、次第に抗いがたい魅力を放ち始める。能年玲奈がNHKのテレビドラマ「あまちゃん」で見せた輝き方にも似ている。

『落下の王国』で独特の映像美を組み上げ、この監督は本当に才能があるのだなと確信させてくれたターセム・シンはその後結構な額の製作費を持つ映画を撮ることになるわけだけど、ハリウッドの仕組みの中でその才能を見失うことなく、そうした状況を楽しんでいるのが伝わる作品にもなっている。大がかりなCGを取り入れるのは従来通りだが、どの場面でもこれまで以上にセット感がある。童話を原作にすることから敢えての箱庭感なのだろうと想像する。ただ、自宅の小さいテレビの画面ではその意図を理解できても、やはり安っぽさとなって映されてしまい、やはりシン作品は劇場の大きなスクリーンで見るべきだと後悔した。

美を厳しく追求する女王が受ける特殊エステや、本物の小人を起用する楽しさ、キラリと文字通り光る白い歯、そして監督の故郷であるインドを西洋の童話に唐突にぶち込むエンドロールの愉快さといった具合に、ベタな笑いから見ようによってはブラックな笑いまで子供も大人も楽しめる作品になっている。異才ともいえるシン監督の良さと大作映画に必要な分かりやすさが絶妙に混ざり合い、監督の特徴を消すことなく個性として残すことに成功しているわけで、このままうまくいけばティム・バートン監督のように確固たる名声を勝ち得るのかもしれない。
2013.10.08 Tuesday 23:58 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
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2019.08.20 Tuesday 23:58 | - | - | -
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