すばらしくてNICE CHOICE

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ジャッキー・コーガン / Killing Them Softly

58点/100点満点中

ブラッド・ピットも出演する犯罪ドラマ。他に『アニマル・キングダム』のポープ役だったオーストラリア人俳優ベン・メンデルソーン、リチャード・ジェンキンス、レイ・リオッタら。監督は『ジェシー・ジェームズの暗殺』のアンドリュー・ドミニク。原作は1974年に上梓された小説。製作費1500万ドル。2013年公開作品。

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大統領選も終盤の2008年秋。フランキーとラッセルのチンピラふたりは、"リス"ことジョニー・アマートの指示のもと、ギャングのマーキーが胴元を務める賭場を襲撃する。地元の殺し屋ジャッキー・コーガンは、組織の連絡員"ドライバー"からリス殺しの依頼を受ける。
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やたら多いプロダクションロゴが終わり、ようやく始まる本編の冒頭はかっこいい。バラク・オバマの演説と不穏な音楽が交互に流れ、紙屑が舞う中を背中を丸めた若い男がくわえ煙草で歩いていく。サブプライム問題で経済の低空飛行を余儀なくされ、中東・アフガニスタンではいまだに米兵が殺されている。そんな逼塞した状況の中で現れたオバマは"変化・変革"を合言葉に理想を語る若く凛々しい大統領候補だったわけで、その当時のアメリカの行き詰まりと希望が象徴的に描かれている。

ただ、その後がいただけない。ドジな強盗ふたり組が自作自演の前科があるマーキーの賭場に押し入るが、すぐにバレてしまい、運営していた組織がケチな殺し屋ジャッキー・コーガンに処分を依頼するも、顔見知りは殺せないというのでニューヨークから同業者を呼び寄せたはいいが、そのミッキーはアル中で"仕事"をせず、結局コーガンが自ら手を下すという筋だ。

地方のしがない小悪党たちの内輪のいざこざを下らないダベリを多めに盛り込み描くために、クエンティン・タランティーノの下手くそな二番煎じにしか思えない。タランティーノの無駄話ほどには会話に冴えも尖りも肝心のどうしようもなさ加減も足りず、本当にただの無駄な時間としてしか機能せず、脚本家の鼻をつまんでやりたくなる。

多用されるスローモーションも野暮ったい。映像的に良かったのはレイ・リオッタ扮するマーキー(今回は損な役回り)がリンチされるシーンで、小細工をせずにストレートに暴力を映すことで迫力ある生々しさが演出できている。あと、ブッシュ・ジュニアだったかの言葉、"アメリカの労働者は世界一創造性に溢れている"を背景にいざ襲撃に向かおうとするシーンのユーモア加減もいい。

貧乏人たちのしがない物語の通底音として使われているオバマの選挙時の勇ましく鼓舞される演説や、最後の決め台詞"アメリカは国家じゃねぇビジネスだ"を始めとする皮肉屋コーガンの言葉からも、本作はアメリカが大切にしている理想が幻影であり欺瞞に満ちているのだということを伝える寓話なのかもしれないが、意外にも国としての経済は立て直しつつある中で、格差は広がっているとはいえ、やや時期を逸した感があるように思えてしまう。いずれ強度が生まれるテーマだろうし、その点は悪くないにしても、それを伝える演出がイマイチだ。
2013.10.17 Thursday 23:57 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
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