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ラッパーMOMENTが日本に落とした爆弾 "#FightclubJP" その1

本記事は5日前の3月17日から始まった一連の"#FightclubJPムーブメント"を扱うが、それを知るにはトゥイッターでハッシュタグ"#FightclubJP"を追うのが手っ取り早く、一次情報なので正確でもある。そうした呟きを中心に客観的に整理しているのがこのまとめ記事「#FightClubJP」であり、もっと簡単に曲だけを聴くならここも便利だ。


以下読むのは自由だけど、長いよ。ヒップホップは知ってる、Kendrick Lamarも大好きという人には大部分意味をなさない記事にもなってるよ。一応注意はしたよ。



"ヒップホップ"とは主にアフリカ系アメリカ人が創り出した文化を指す。しかし、ここでは音楽面、つまりラップミュージックと同義で捉えていく(まあこのブログではたいていそうだけど。具体的にいえば、ダンスやグラフィティ[俗にいう壁への落書き]、DJプレイなども含めた4つがヒップホップの4大要素といわれ、同時にコミュニティや生き方、考え方など大きな捉え方もされていく)。日本ではラップがヒップホップで、ヒップホップといえばラップでしかない。

そのヒップホップが生まれてすでに40年以上が経つ。世界各地に散らばり、それぞれの地で根付いて花を咲かせている。イラクにもヒップホップはあるのだ。ここ日本でも形を変えながら育まれている。外来音楽の先輩のロックが辿った道をなぞりつつ、最近は"中学生ラッパー"まで登場し、音楽市場ではまだまだ小さいジャンルとはいえ盛況ではある。

ヒップホップが他の音楽ジャンルと比べ特異なのはアーティストが俺が一番だと強い自負を示す点だ。もちろん、ロックやジャズにだってそういう発言をする人はいるし、言葉にせずとも心の中では自分の創り出す音楽こそが一番だと思っている。でも、ヒップホップのラッパーたちはそれをはっきりと言葉にし、誇示し、気に入らない人がいれば言葉で責めもする。その攻撃が最近では日本語にもなりつつある"ディス"だ。ヒップホップの面白いところでもあれば、わずらわしさと危険性(時々殺人にも発展する)が同居する点でもある。

あるラッパーがこいつムカつくと名指しし、あるいは臭わせた曲が発表されると、当然いわれた方は気分が良くないので"マイク稼業"の常として報復のディス曲を出す。互いに1曲だけの時もあれば数年がかりになる場合もある。この争いを"ビーフ"と呼ぶ。表現という創作活動は本来的には優劣つかないはずだが、俺が一番で、お前のここが酷いし、下手だし、どうしようもないクソだといった内容の曲を発表し合うことをいつまで続けても互いに益はなく、どこかで勝敗がつけられる。

その基準は、指摘した事への正当性が第一なのは当然なのだけど、使う言葉のセンス、気の利いたいい回し、ビート(音)に言葉をどれだけ巧みに乗せられていたか、といった"巧い"ラップの基準点とも重なってくる。俗ないい方をすれば、どれだけうまいことをいえたかでもある。もっと分かりやすくいえば大喜利だ。

その勝敗を決するのは誰かといえば当人同士が望ましい。上手なビーフは野良猫が道端でケンカをおっぱじめた時と同じように互いにどちらが上か気づき、私が悪かったですと潔く謝る。ふたりともプライド高いとこれがなかなか難しく、その地域の長老クラスが出てきて手打ちにしたり、結局はなあなあで風化するパターンもある。最後は曲でコラボレーションするのが最も美しい形なのかもしれない(そのための話題作りビーフまである)。

ビーフを競技化したものに"MCバトル"がある。白人ラッパーのエミネムがその半生を自分自身で演じ大ヒットさせた映画『8マイル』でも描かれていたが、ふたりのラッパーが壇上でマイクを握り相手を罵倒するあれだ。日本でも10数年前から大会があり、Zeebraと並んで日本で最も有名なラッパーKREVAはB BOY PARK(HP)というこの国で一番伝統あるヒップホップイベントが主宰するMCバトルで3連覇を成し遂げたことがある。

今の日本のヒップホップを支えているひとつの側面にそのMCバトルの興隆がある。"和を以て貴しとなす"と憲法の最初に敢えて置かなければならなかったのは、ひょっとしたら古来より日本人はそうでなかったからなのかもしれないと思ってしまう程に、日本のヒップホップファンはラッパーたちが直前まで見たこともなかった相手とののしり合う光景を見て、ボクシングや闘犬に熱狂するのと同じように気持ちを高ぶらせている。今では2005年から始まった全国レベルの大会「ULTIMATE MC BATTLE」を頂点に、各地でさまざまなMCバトル大会が開催され、最近はテレビ企画の「高校生ラップ選手権」(YouTube)も始まり、そのすそ野を広げている。

ヒップホップ黎明期のニューヨーク、血気盛んな若者たちが喧嘩し、実際に血を流し合うよりも、言葉(やダンス。これにもバトルがある)で決着をつけた方がいいとの建設的な始まり方をしたMCバトルも面白いが、それでもやっぱりラッパーたちがメンツを掛け合い、闘争心溢れるビーフという野試合に勝るものはない。

本場アメリカでは有名なビーフがいくつもあるが、日本にもある。ヒップホップを知り始めに誰もが一度は覗くというこの「日本語ラップDIS年表」に詳しいが、単にディスではなく本格的なビーフというともう10年も前の出来事となるDev Large(D.L)とK DUB SHINEの闘いだろう(YouTube)。日本語ラップを作り出してきた大物ふたりが明確に名指しし相手をディスった。それまでのディス曲ではなんとなく相手の存在を臭わせるに留まり、日本ではそれが美徳だった節もある。でも、ふたりはそんなまどろっこしさを排し、はっきりとしかも陰惨に相手をののしったのだ。その2年前の2002年にジブラが当時日本語ラップの頂点にいたDragon AshのKjの名前を曲で出し批判した(YouTube)ことも画期的と賞賛できるのだけど、あの時はKjこと降谷建志がヒップホップの作法を知ってはいたのだろうが、土俵に上がることを拒んでしまい、ビーフにならずに終わった。そして2004年、Kダブシャインは戸惑いながらもデヴラージに応戦し、ビーフしたのだ。

その後も日本語ラップ界の有名なビーフとしては、SEEDAらがm-floのVERBALやRIP SLYMEのメンバーが在籍するTERIYAKI BOYZに攻撃した2009年の「TERIYAKI BEEF」(PV / 記事)やそれから派生したシーダとGUINNESSのやり合いがある(YouTube)。さほど大きな話題にならなかったけれど、政治や信念について争ったビーフもあった(記事)。ここ最近は若いラッパーが上の世代に噛みつく事例が続き、RAU DEFとジブラ(Togetter)、QNとNORIKIYOによる相模原ビーフ(Togetter)も起きた。


以上がとても簡単な"ディス"や"ビーフ"の説明となる。長かったけれど。これを踏まえて、Kendrick Lamerという当時26歳のアメリカ西海岸出身ラッパーが昨年発表したラップの話となる。Big SeanというKanye West周りの有力若手ラッパーが新作アルバムの曲目を正式発表した段階で、ケンドリック・ラマーが客演している「Control」(YouTube)という曲を自己流出させた。ビッグ・ショーン名義の曲で主役は彼のはずだったが、そのショーンよりもラマーへの反応がすさまじいことになった。ここに全訳と解説がある(さらに詳しい分析はここでも)。

ケンドリック・ラマーのそのラップはヒップホップの特徴のひとつであるセルフボースト(自己賛美。ロックなら自己憐憫にいくのだろうけど、ヒップホップは"自分が自分であることを誇る"となる。リアム・ギャラガーの姿勢に近い)であり、そのテーマ自体はよくあるものだけど、そこにある詩情や技術的な面はともかく、同世代のラッパーを名指しし(しかも一緒にこの曲を作ったビッグ・ショーンやジェイ・エレクトロニカも含まれる[経緯])、続けてこうのたまったのだ。

"お前らのことは愛してる、でもな俺がラップでお前ら全員ぶっ殺してやるよ
 お前らのコアなファンがお前らの曲を二度と聴けないようにしてやるのさ
 お前らから名詞たった1つ、動詞たった1つさえも聴きたくないようにな
 ぶっちぎりだろ?俺は基準を示してやってるんだよ"
(訳はリンク先のブログから)

まあすごい。訳した人が"鳥肌"と表現しているけれど、まさにだ。仲間も含めて、今のヒップホップの王者は俺だと宣言したのだ。この約10ヶ月前にリリースしたセカンドアルバム『Good Kid, M.A.A.D City』が絶賛され、誰もが一目置く存在だったとはいえ、最近また勢いのあるラッパーが増えている米ヒップホップ界の中で俺が一番だと大声を放った。その強い自負心とラップの強度に、日本でもすぐさま翻訳され、ヒップホップファンの間で話題になった。

アメリカ国内は当然もっとすごかった。次世代を担うと目されている実力派の名指しはもちろんのこと、地元西海岸のキングの座だけではなく、ニューヨークの王冠すらも俺の手中にあるんだぜといっているのだから、ヒップホップ文化発祥の地としてのプライド高い東海岸のラッパーは激怒した。さらにいえば、彼に名前を挙げられなかったラッパーはそれこそ侮辱されたにも等しく、蚊帳の外の彼らも憤った。ケンドリック・ラマーはこれまでとは全く異なる種類の爆弾を投下したのだ。

ヒップホップマナーに則って多くのラッパーが俺の方がもっとすごいと曲を発表し出した。その作法のひとつとして、同じバックトラックを使うというものがある。つまり、同じ曲の上でラップをすれば、違いがより際立ち、お前のラップより俺の方が技術があるということが分かりやすく伝えられるからだ。それを"リミックス"といい(同じボーカルトラックで音を差し替えるのと同じように、同じバックトラックに乗せるボーカルを差し替えるわけなので)、無数の「Control Remix」がユーチューブ上にアップされた。

その意義は色々指摘されているが、まず面白いのは名指しをしてはいるけれど、それがただの批判、つまりディスになっていないことだ。"ディスリスペクト"ではなく、お前らを"リスペクト"しているけれど、それでも俺が一番なんだと誇示した点だ。ふたつ目はJay-ZやNasといったはるか上の世代の顔役の名前も挙げてはいるが、基本的には同世代ラッパーの中で誰がトップなのか分かっているかと息巻いている点だ。だから先にも書いたように、名前を呼ばれたラッパーはまだ尊敬されているが、問題はそうではない若手ラッパーだ。どうして俺の名前を呼ばれないのだという逆転現象まで起きた


で、ようやく本題に近づく。

日本でもケンドリック・ラマーさすがだ、やっぱヒップホップは面白いと大評判になったわけだけど、日本人ラッパーはこの刺激的なリリックを聴いても一切触発されなかった。"トゥイッターのアイドル"KBM(と、もうひとり素人ラッパーが確かユーチューブに上げていた)がサウンドクラウドに「Control(うひょー!)」をアップしているだけというお寒い状況だった(ライブではパフォーマンスされていたのかもしれないが)。そのことは日本語ラップ"ポータルサイト"のAmebreakが年末に行った座談会の冒頭でも話題になっていた。ただ、MC松島という北海道のラッパーが同日に発表した無料配信ミックステープ(DL可)の中で同郷の冬威と共に同曲をリミックスしていて、それは最上の出来栄えだったが、残念なことに話題にならなかった。

そして、現れた黒船がこの記事の主役MOMENTだ。小国の日本はいつだって外から影響を受け、ようやくケツを上げ、咀嚼し取り込む。仏教、漢字、鉄砲、一神教を背景にした思想や社会体制、民主主義、グローバリズム、リア・ディゾン。

韓国人ラッパーのモーメントは、年末に発売されていた雑誌「indies issue」掲載のインタビューを立ち読みした記憶で書くと、確かソウル近郊で生まれ育ち、その後大阪大学に留学した。2012年春から同国で義務となっている2年間の兵役に就き、今年1月2日"軍人"から"完全な民間人"に無事戻ることができ、そして2月帰阪した。

彼のラップを最初に聴いたのはAsher Rothをリミックスした2011年6月の「I LOVE HANDAI」(PV)だった。韓国人が英語も交えつつ日本語でラップしているという物珍しさもありすぐに注目が集まり、その後もコンスタントに単曲を発表。同年12月には初のフリーダウンロード・ミックステープ『Joon Is Not My Name』(DL可)を出している。翌年3月には当時JPRAP.COMを主宰していたbenzeezyさんのレーベルrev3.11から5曲入りミニアルバム『UP DOWN』を配信限定でリリース。同時に2本のミックステープを発表(ここここでDL可)、そして「Adieu」(PV)を置き土産に軍人となった。

しかし彼はその約2年間の間にも休暇を利用してミックステープ2本(ここここでDL可)と、彼のこれまでの曲を仲間がまとめたものを1本発表(DL可)し、決してその2年間も日本語ラップ界に不在のラッパーではなかった。そして兵役を終えた彼は1月の終わりに新曲「HE'S ALIVE」(DL先)を復活の狼煙とし、この3月に以前より疑問に思っていたことを爆弾として日本語ラップ界に投下したのだ。


ここからが本題。


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1日目: 2014年3月17日
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MOMENT】 18:02
「Fight Club (Control Remix)」 ⇒ SoundCloud (歌詞有り / DL可)

名指しされているラッパーを順に列記する。彼は発表と同時にそのラッパーたちのアカウントに曲の存在を告知している。

・Jinmenusagi
・Kiano Jones
・R-指定
・MATCH
・Ry-lax
・RAq
・Kojoe
・チプルソ
・KEN THE 390
・AKLO
・ISH-ONE

まずジンメンウサギはニコニコ動画を基盤にラップを始め、現在はインディーズレーベルLOW HIGH WHO?に所属。一昨年のデビューから早くも3枚のアルバムと無数のミックステープ(最新作はここからDL可)を発表している多作なアーティストだ。キアノ・ジョーンズは神戸在住のハーフのラッパー。まだ中学生という事実はその実力を素直に判断させないという意味で彼にとって足枷でしかないのかもしれない。ビートへの対応力がとにかく素晴らしい(PV)。彼と高校生ラッパーのリラックスのふたりはモーメントのミックステープ収録の「New Money Remix」(YouTube)に客演している。

その「New Money」はイシュワンのオリジナル曲(PV)でもある。イシュワンはコージョーと同じようにニューヨーク帰りのバイリンガルラッパーだ。モーメントが曲中でラップしているようにコージョーは一時期有力ヒップホップレーベルRawkusにいたことがある実力派として知られる(PV)。

R-指定は上記した日本の最高峰のMCバトル大会アルティメットMCバトルで現在2連覇中の大阪のラッパーで最近音源デビューを果たした(YouTube)。マッチは沖縄出身のラッパーでフルアルバムをすでに2枚出している(PV)。ラックはジンメンウサギと同じくニコ動で実績を積み、ミックステープを数作アップ(DL可)し、今年2月には大学生ラッパーとしてファーストミニアルバムをリリースしたばかりだ(PV)。モーメントと同じ関西のチプルソはMCバトルで名を挙げたそうだが、音源では普通のラッパーとは違う世界観を作り出していて面白い存在だ(PV)。

"フリ−スタイルの貴公子"・ケンザ390はもはや説明不要なほどの地位を日本語ラップ界で築いている。数年前まではメジャーレーベルに所属しオリコンチャートにも顔を出していたが、現在は自身のレーベルを立ち上げ、若い仲間のフックアップ(応援)からイベント企画、今月には7枚目のソロアルバム・リリースと八面六臂の活躍を見せている(PV)。新世代ラッパー筆頭格のアクロはミックステープ上がりとしては最も成功し、実力・人気共に群を抜く(PV)。

ケンドリック・ラマーのように名指ししているが、モーメントの言葉でいえば"挑発"であり、言葉による焚きつけだ。唯一、"Heylasはだめだった若干 ダサいビートでディスしあったって自殺"という部分だけは批判めいているかもしれない。これはイシュワンも参加しケンザ390が1月に発表した「HEYLAS」(PV)への言及となる。とはいえ、これはディスではない。ダサいというのは事実でしかないからだ。彼は控えめに"若干"というが、実際は"かなりダサいビート"だ。

このモーメントの一発で不幸をひとりでひっかぶった、あるいは本人曰く美味しかったのはKBMだろう。冒頭にサンプリングされ、曲中でも"なぜこのビートでやったやつはBitchだけ?"とマクラにもされ、まだ聴く前でとりあえず大好きなラマーの「Control」を使ったと思しきリミックスが発表されたことに単純に喜んでRTしたら、"FUCK YOUR RAP and STFU"と返ってきたのだから。

そんなおかしみもありつつ、モーメントやってくれたなというのがトゥイッター界隈の評判だった。


R-指定】 21:11

一番最初に反応したのは一応R-指定。"本業である風俗巡りが忙しいのでアンサーする暇はない"、と関西人らしく笑いに走り、逃げを選んだようだ。


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2日目: 2014年3月18日
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ERA】 01:00
「no title」 ⇒ SoundCloud

年齢的にはひとつ上の世代にあたると思うのだけど、元々はロック畑のミュージシャンでモーメントと同じ2011年頃から注目されるようになったラッパー。アカペラで発表されたことやこういったラップゲームとは無縁の世界にいるという印象もあって、当初は今回の動きとは関係ない曲だと思われていたが、エラがモーメントに飛ばした一昨日の呟きで参戦1曲目というのが明らかになった。木曜深夜にはDJ souchou(今回のまとめページも作成しているトラックメイカー)によってビートも付けられた(SoundCloud / 修正版がDL可)。


Kenny Does(ドイケン / doiken)】 12:28
「Respond」 ⇒ SoundCloud (歌詞有り)

というわけで実際には一番ではなかったのだけど、曲として完成され、ハッシュタグも付けられ発表された曲としては本曲が一番乗りとなる。モーメントとはおそらく顔見知りの同じ大阪のラッパーで、梅田サイファーの一員として注目を集めている。以前はドイケン、あるいはdoikenを名乗っていた。2012年に仲間のKZと共にミックステープ『Plain』(DL可)を発表し、昨年には同じクルーのトラックメイカー・ホシノコプロとも1本(DL可)出している。前者は今聴いても素晴らしい出来だ。モーメント自身はこの曲が一番センスあると呟いている


Thomas Suzuki a.k.a. Taiga Suzuki】 13:34
「Be My Baby Shitta (MOMENTdis?)」 ⇒ SoundCloud (DL可)
彼のサウンドクラウドはブログに埋め込めない設定になっているようでリンクのみ。初めて名前を見るラッパーだったが、トゥイッターのアカウントを見ると14歳と若い。


コマツヨシヒロ】 13:49
「Gachinko FightClub」 ⇒ SoundCloud (歌詞有り)

上のドイケンもいる梅田サイファーに集うメンツで結成したJapidiotというヒップホップグループ(HP)に所属しているラッパー。彼はディスを織り込んできている。ラックに対して感情むき出しなのは因縁があるからだ。

2012年12月にラックは「超嫌い」(YouTube)を発表し、"Dream Boyなんかじゃ見せられないものを見せる"とラップしてみせた。ドリームボーイとはケンザ390が主宰するレーベルで、まあヒップホップが好きならそれはそうだよねと満場一致で納得できる意見ではあるのだけど、コマツヨシヒロはケンザ390を慕っているようで彼の代わりに喧嘩を買って出た(tw)。「Dear RAq」で応戦したのだけど、今は自らその曲を取り下げてしまって聴くことはできない。トゥイッタラーがツイ消しするのが恥ずかしいのと同じようにラッパーが吐いた唾を飲み込んでしまった格好だ。

ラックはその3時間後に「On a Different Level」(YouTube)を発表。格の違いを見せつけた。ただコマツヨシヒロも日頃サイファーで鍛え上げている猛者であり2時間弱で「For RAq2」を書き上げた(Tw)。そして1日が経ちラックは「超嫌い」も収録した7曲入りのミックステープを発表(DL可)し、その中の2曲目「言えなかったこと」で決着をつけた。

そんな経緯があるので、"んでお前やRAq"で始まる彼のラップは前のめりになっているのだ。


【MOMENTインタビュー (アラザル掲載原稿より抜粋)】 18:00
このタイミングで、"ハードコア・インディペンデント批評誌"「アラザル」の次号に掲載予定だったインタビュー記事の抜粋が発表される。モーメントの意図が汲み取れて非常に興味深いが、始まったばかりのムーブメントの種明かし的な要素もあり、無料で読めるのはありがたいがいささか早すぎたように思う。


Jinmenusagi】 18:08
「Fight Club Answer by Jinmenusagi」 ⇒ SoundCloud (歌詞有り / 歌詞解説 / DL可)

これ聴いた瞬間、あんたが大将というしかなかった。聴けばもう言葉を尽くす必要がない。リリックも表記されているが、なくても内容をしっかり伝えるラップをしている(以前はそうではなかった。超技巧派な故に誰も理解できない高みを目指し、日本語でラップしているのは分かるのに、日本語が日本語として聴こえないアートだった。あれはあれですごかった)。

彼が嫌んなるほどディスしているMEKAというラッパーは東京・町田を拠点にするヒップホップグループ孔雀に所属し、一昨年のBボーイパーク・MCバトルの覇者でもある(記事)。ジンメンウサギは彼に@を送っている。メカも本曲を聴いた上で返さないことを決断した

なお、メカの昨年のソロ・デビューアルバムは確かに駄作だった。彼はドリームボーイに入りたがっているようだという呟きを見かけたりもしたように、売れ線のラップがもともと持ち味ではあったが、それをとても不器用に進めたため、とっ散らかった印象の作品になってしまったのだ。2011年に出しているミックステープは幾分まともだ(DL可)。

ジンメンウサギが後半でラップしている"向こうのStouch"とは、約2年前に19歳で亡くなったハーフのラッパーのことで、昨年仲間がその命日に彼の音源をミックステープとしてまとめた(DL先)。ジンメンウサギやラックも参加している。


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3日目: 2014年3月19日
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Ry-lax】 00:30
「Fight Club (Remix)」 ⇒ YouTube (歌詞有り)

同じ北海道旭川のラッパーGoku Greenと共にNebo Gangというクルーを組む18歳のラッパー。ゴクグリーン名義のミックステープ(DL可、DL可)に客演しているのを聴いたことがあるぐらいで、その実力を知らないが、高校生ラップ選手権で実力者として認知されているそうだ。現在日本語ラップ界の若手の間で席巻している最新のフロウを聴ける。


RAq】 21:08
「FIGHT CLUB」 ⇒ SoundCloud (歌詞有り / 歌詞解説/ DL可)

さすがラック。初の市販作品はリリース元レーベルの色もあって、変に上品ぶった曲に仕上がっていてこんなものかとがっかりさせられたけれど、やはり攻撃心むき出しのラップはキレが違う。歌詞の解説を彼自身がアップしていて、それがまた読み物として面白いときているから素晴らしい。この先、"カップ麺バース"はヒップホップイディオムのひとつになるはず。


KBM】 21:48
「Kill Bitch Maafucka」 ⇒ SoundCloud (歌詞有り / 歌詞解説 / DL可)

我らがアイドルKBM。2ちゃんねるでも話題になったようだ。ビッチ呼ばわりされてさすがに闘争心に火がついたのだろう、ビートはなんとSIMI LAB・OMSBのオリジナルだ(彼はといえばこんなとぼけた呟きを残している)。KBMの場合はとりあえず、自身の名曲「Be Strong」(DL可)越えをして欲しいのと、録音機材の拡充だろう(オムスビも同意見だ)。


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4日目: 2014年3月20日
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MUMA a.k.a Quidam Beatz】 03:07
「#FightclubJP」 ⇒ SoundCloud (歌詞有り / DL可)

やはり参戦してきたのがムーマ。北海道出身ラッパー兼トラックメイカーで、LUXAMというグループでも活動している。ラウデフとジブラのビーフでもいの一番に横入り(YouTube)を入れていたが、その実力は本物で、昨年のBボーイパークではなかなか厳しい音環境の中でも余裕綽々にこなしていた(記事)。出しているミックステープはどれも良作揃いだ(DL可)。最近ではHilcrhymeのTOCのソロ曲(YouTube)にビート提供している。

しかし、今回のこの曲で何が驚いたといって、名義が"MUMA a.k.a Quidam Beatz"で、キダムビーツとムーマが同一人物だったことだ。昨年発表したフルサイズのミックステープ『Feel Free』はダブルネームになっていて、確かに彼は音作りもするが今回は本職のトラックメイカーとがっぷり四つに組んで作品作りをしたとばかり思ったからだ。侮れない国産ヒップホップの若手のひとり。


コマツヨシヒロ】 10:30
「No Title」 ⇒ SoundCloud (歌詞有り)

ラックの曲を受けて、大阪のコマツヨシヒロが2本目を発表。喝を入れられただけあってシャキッとしたラップだ。ラックはこれには返すつもりはないようで呟きに止めている(TwTwTw)。今回ジンメンウサギへの言及が増えたのは、仲間のKZがトゥイッター上でジンメンウサギとやり合っていたせいもあるかもしれない。


MC松島】 20:15
「#PanicRoomJP」 ⇒ SoundCloud (歌詞有り / 歌詞解説)

そしてまた違った種の爆弾投下。まあすごい。今解説読んだらまあ面白い。この曲のラップだけでも十分内容が伝わるし、歌詞を見ずに聴いて考えさせる。でも自身での解説を読むとさらに笑えて、なるほどねそうよねともなる。正直これまでの彼のミックステープはハズレもあったが、上記もした大晦日発表の前作(DL可)が良かったし、新作テープ(DL可)の宣伝の仕方もよく考えられている。数年前のUMBで気に入っているラッパーのひとりの呂布カルマを負かしたバトル上がりのMCというイメージが長いことあったが、この1年でずいぶん印象が変わった。

"歌多丸師匠のネームドロップした時点でKendrickのそれとは本質的にちがうよね"と呟いている人がいて(許可を貰いリンク張ろうとしたら、その後ご本人が消してしまっていて残念)、それはとても真っ当な指摘で、若手の中でのラップゲームに2世代ほども上となるRHYMESTERの宇多丸(最近はラジオだけではなくテレビのバラエティ番組にも進出中)が入る意味がどこにあるのかという話ではある。それでもMC松島のこのラップを聴くと、思わず"ハゲ"も呼んで来いと高ぶって声をそろえてしまうわけで、それがMC松島の良さであり、歌詞やフロウの強さでもあり、それこそがこうしたラップゲームが作り出す面白さのひとつだ。


Atsu】 21:51
「Control Remix」 ⇒ SoundCloud (歌詞有り)

イギリスで研究生活を送っているラッパー兼トラックメイカー。ジンメンウサギが"刺激与えてくれる人たち、友達"のひとりに挙げていた、今は亡きラッパーStouchも在籍していた3人組ヒップホップグループJapanovasのメンバーでもある。「Flight Back to Tokyo」という素敵な曲を収録した昨年発表のソロ・ミックステープはお勧めだ(DL先)。


Thomas Suzuki】 22:02
「今の世の中」 ⇒ SoundCloud (歌詞有り)
また埋め込めない。14歳ラッパーの2本目。"#FightclubJP の感想と、同年代へのメッセージです。泥沼にはまるな!"という内容だそう。曲名はわずか17歳で殺害された男子高生が遺していたヴァースを使い、その彼が生前好きだったというKダブシャインと疑似コラボした曲(ニコ動)から来たものだろうか。


黄猿】 22:27
「Control remix」 ⇒ audiomack

彼はバトルMCとして長いこと鳴らした後に、大けがを負ったことから空いた時間を生めるように録音を本格的に始め、ミックステープを発表するようになった。最新作の3本目(DL可)を出したばかりのタイミングでの参戦。モーメントも横槍は望むところだろうし、遠慮をずいぶんと感じてしまう。せっかく曲をアップするのだから爪痕をガッツリ残すラップを聴きたい。


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5日目: 2014年3月21日
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4QMAFIA & MACKEY】 00:39
「#FightClubJP Answer」 ⇒ SoundCloud (歌詞有り)

ひとりはアカウントに1995とあるので、まだ十代なのだろう。かしわRecordsに所属し、"0724"を検索すると岸和田と出るので、おそらくその辺りを拠点に活動しているふたりのラッパー。i チューンズ検索したらマッキーが1月に発表したミックステープが出てきた(DL可)。初耳かと思ったら聴いたことあったようだ。ラックは衝撃を受けたようだ(TwTwTw)。


まっつんズ】 05:15
「Fight Club Answer」 ⇒ SoundCloud (DL可)

彼らは2MC1DJのヒップホップグループ。以前聴いた「モノクローム」(DL可)が良かった。


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6日目: 2014年3月22日
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途絶えてしまっている。ただ社会人ラッパーはこの連休中を利用するだろうし、さらなる参戦を待ちたい。





ヒルクライムのトックはムーマが発表したのを聴き、こう呟いている。


ソロとしてもアルバムを数枚リリースし、大人数ヒップホップグループPURPLE BLOOD MOTHを束ねもする埼玉のラッパー空也MC。


そして、名指しされたひとりISH-ONEのお仕置きは明日のようだ。




【追記】2014.03.23 19:08
・キアノ・ジョーンズの出身地は神戸との指摘を受け、北海道から訂正。
・ERA「no title (DJ souchou Remix)」の修正版がDL可となったことを追加説明。


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6日目: 2014年3月22日
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show-k】 19:27
「物騒な活動 (K-DUB SHINE & 宇多丸dis song)」 ⇒ YouTube (歌詞有り)

本曲は"#FightclubJP"タグを付けられもったいぶって発表されたが、同じなのは「Control」を使っている点だけ。実質は、3月19日に配信限定でリリースされたK DUB SHINE + 宇多丸「物騒な発想 (まだ斬る) feat. DELI」(YouTube)へのディス曲でしかない。

大物相手へのディスは時として"売名"と揶揄される。"自分の名前を広く世間に知らせるようにする"意図はどのディスにもあるだろう。それは悪いことではない。"大物"とは"上"に行くための踏み台でもあるからだ。ただ、いい売名と唾棄すべき売名があると考える。その差は人それぞれだし、明確な判定基準などあるわけはない。が、今回のモーメントの名指しがいい売名の例だとすれば、ショックが盛り上がっているこのハッシュタグを使ったことはとてもかっこ悪い売名行為であり、同じ若手が懸命に成し遂げようとしていることに便乗しただけだ。従って、リンクだけは貼るが、ユーチューブそのものは載せない。

ショックは、日本で起きたビーフのひとつとして上で紹介した、"政治や信念について争ったビーフ"(記事)の当事者でもある。彼の政治信念は私のものとは180度違うが、その存在自体は面白い。今回はラップも幾分マシになっている。


NAMARIN】 21:08
「#FightclubJP Answer」⇒ SoundCloud (DL可)

宮崎県出身で現在は千葉在住のラッパー。今回は宮崎弁でのラップだという。彼もまた1月にミックステープ『気分 IS GOOD』(DL可)を出している。


宇多丸】 22:20頃


毎週土曜日22時からTBSラジオで放送される「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」第363回の前半で今回の件についてほんの少し触れたそうだ。


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7日目: 2014年3月23日
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R-指定】 01:51
「『NOW』プロモーション in 梅田サイファー」

動画自体は25日にアップされたものだが、上の時間のリンク先にもあるように、撮影は22日から23日にかけての日付が変わる頃に行われたようだ。4月2日にリリースされる韻踏合組合のニューアルバム『NOW』の宣伝動画を撮るために、SATUSSYとHIDADDY、ERONEの3人が若手の集う梅田歩道橋を訪れてサイファーに加わった模様が見られる。7分30秒過ぎにR-指定がこんなラインをラップしている。

"しゃくれてる奴ら ふぁんくさんとMEKA アゴ エゴ Jinmenusagiに怒られろ レロレロ"。


DIZZY】 13:23
「#FightclubJP」 ⇒ SoundCloud (歌詞有り / 歌詞解説 / DL可)

東海地方のラッパー・ディジー。2012年頃に登場し、主にネット上で活躍している。かなりの頻度で新曲をアップし続け、出したと同時に削除していくというおっかけファンにとっては手ごわいラッパーで、今までに通算で10本弱のミックステープを発表している。北海道のヱスケー(sk)や女性ラッパーのメガネと共にK.H.BROTHERS(靴下履かない兄弟 / HP)としても3本のミックステープ(DL可)を出している。

当初は稚拙だったラップ技術は、向こうのスタイルの模倣を繰り返すことでやがて自分のフロウを見つけ、一方でゴルジェという新しいビートを試す(link)ことや、自身が好きなAV女優に向けて宇宙と交信しながら立てつづけにしかも執拗にラブソングを発表したり、これは私が好きな路線で彼の良さが最も出ていると勝手に思っているのだけど、日々のよしなしごとをテーマにしたり(DL可)と、ネットならではの自由さを巧みに利用した非常に興味深い存在だ。自信の表れか、最近ではPV制作を始め、顔を出すことを厭わなくなり、今後の活躍が楽しみなアーティストのひとりだ。

ラッパーは概してSNSの使い方が下手だが、彼の独特な着眼点はラップ以外でも発揮され、彼の呟きはふざけ過ぎていて最高だし、ブログでの文才は、ラックとはまた違う意味で、読ませるものとなっていて面白い(記事)。

トゥイッターを舞台に行われている今回のムーブメントに、ディジーが"見てスルーするのも、理屈っぽいツイートで済ませるのも卑怯だ"と考えて参加するに至ったのは必然だろう。



【追記】2014.03.25 01:06


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8日目: 2014年3月24日
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ISH-ONE】 01:00
「SUNDAY MASSACRE」 ⇒ YouTube (歌詞有り)

最近ではDABOや元THUG FAMILY・現THUGMINATIのT.O.Pと並んで3大トゥイッター芸人ラッパーともっぱら評判のバイリンガルラッパー・イシュワンが、数日前から"日曜日の殺戮"タグを添えて煽リ気味に告知していたので、今回のムーブメントの動向を気にしているリスナーは日曜日の惨劇を楽しみに待っていたわけだけど、結局月曜日に発表された(まあ日曜の深夜ともいうが)。

基本的にイシュワンのリミックスは信用できない。その時々で流行っている洋楽トラックにラップを乗せて無料ダウンロードするというサービス精神は評価できても、どれも片手間で書いたような英語詞ラップでお茶を濁したもので、これなら原曲を聴いた方がずっと楽しめるというレベルの曲しか出してこないからだ。また、一昨年リリースされたソロファーストアルバムもSAGGAとのコンビYING YANGとのファーストに比べると聴きどころに薄く、誇大妄想的な呟きの数々にダボ同様に相手にするのもひょっとしたら気の毒なのではないかと思い始めてもいた。

そんな感じだったので、この日曜マサカーを聴いてぶっ飛んだ。彼はやればできる子だった。

シーダがギネスにこれで終わりだとやったぐらいの封殺感すらある。自分で今回の曲について煽って、ハードルを勝手に上げていたけれど、でも結局のところはいつもみたいなものなんだろうと思っていたさらにその数倍上のレベルのラップを繰り出し、圧倒的なキャリアの差を見せつけた。さすが!最近では揶揄されることの方が多かった彼なので、ここという潮目を動物的な感で探り当て一気に名誉挽回を図ったともいえるし、それは成功した。

あれだけラッパーを焚きつける「Control」でのケンドリック・ラマーのラップにどうして反応しないんだと日本語ラップ界を愛するが故に嘆いた韓国人ラッパーに向けて、イシュワンはそのトラックの上で黙れ若造と、俺はやる時はやるのだときっちり息の根を止めにかかった。これだけ体重の乗ったストレートもなかなか拝めない。"殺戮"という単語を使っていたので、今回の参加者を次々とやり玉に挙げていくのかと思えば、選んだ言葉から臭わせはしても("今を認めねーで口だけ達者な化石DJもきもい"は気になるところ)、このラップを聴けば死ぬしかないだろうという意味で"殺戮"なのだろう。ルーキー・モーメントの名指しを受けて、同じトラックの上で安易な尊敬など示さず、世代論などもっぱら無視し、がっちり敵だけを見据え、お前は選んだ相手が悪かったんだよとやってみせた。

モーメントがさらに二の矢三の矢を用意しているのか分からないが、勃発からちょうど1週間経ったわけで、今ここで終結しても何ら不満を覚えないきれいな幕切れを飾るアンサーだ。


MOMENT】 14:41

まだまだゲームは続くようだ。



【追記】2014.03.28 01:16
・Jinmenusagi自身による歌詞解説へのリンクを加えた。


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9日目: 2014年3月25日
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REWa.k.a.TELOand,DORAGON】 22:29
「Final Answer?」 → SoundCloud (歌詞有り / 歌詞解説)

モーメントが焚きつけたムーブメントは静岡にも飛び火。"やっぱ見てるだけじゃつまらなかった"と呟き、"火曜日のサスペンス"のハッシュタグで告知し続けたが、曲名とジャケットでは木曜日に放送されていた有名番組の決め台詞と引退が本当に嬉しいテレビタレントがあしらわれている。


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10日目: 2014年3月26日
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KZ】 21:07
「The Full Monty」 → SoundCloud (歌詞有り / DL可)

大阪・梅田サイファーで一緒に盛り上げている上記のコマツヨシヒロを一応擁護する形でジンメンウサギと口論になっていたラッパー。繰り返しになってしまうが、でも素晴らしい音源を何度も紹介することは正しいことだと思うので、ここでもう一度取り上げる。doiken(Kenny Does)とのダブル名義で発表した2012年のミックステープ『Plain』(DL可)が本当に良い出来で、中でも「手紙」や「Family」で見せる歌詞世界はふたりのラッパーの個性の違いも手伝って泣かせるほどの良さがある。

その後も梅田サイファーが立ち上げているサウンドクラウドを通じて良質な音と愉快な視点、確かなラップ技術を持った仲間たちと新曲を出し続け、昨年末には梅田サイファー名義でアルバムをリリースしている。関西以外では2月から始まった通信販売でしか今のところ入手方法がない。彼らも"梅田と書いてサイファーと読む"との強い自信を示しているが、MCバトルやサイファーで評価を上げたたいていのラッパーやミックステープ出身者はどうも正規音源になると以前の輝きを保ち続けられないパターンが多々ある。しかし彼らにはその"常識"が当てはまらない。アルバムはこれまでのミックステープやフリーダウンロード曲に負けないぐらいの良盤に仕上がっている。

KZはソロでも今年1月にミックステープ『For Whom the Bell Tolls』(DL可)を出している。そこでほとんどのトラックを担当したのがONGRiddimだったわけだけど、今回のこの曲でKZの別名義と知り、ムーマの時と同じ驚きを味わった。

肝心のこの曲自体は、"俺はこう思ってるよって曲。便乗したくないから、ちゃんと曲にした。ただ、書く気持ちをくれたのは感謝。今度、彼に会ったら一杯おごろう"と呟いているように、自身のスタンス説明に終始していて、それは彼がこれまで発表してきた曲でも十分表明している。


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11日目: 2014年3月27日
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MC松島】 00:00
「#PanicRoomJP」 → iTUnes Store
"木曜日に牛を馬に乗り換える"とハッシュタグで期待を煽っていたMC松島がここに来て新曲ではなく、アンサー曲「#PanicRoomJP」のまさかのダウンロード販売。オリジナルトラックを使い一生懸命制作した楽曲を安易に無料配信するのではなく、きっちりお金に換えることはとても大事なことで、ここも到達点のうちのひとつではあるのだろう。それを分かってはいても一瞬ずっこけたことは否めない。



"その2"へ続く。
2014.03.22 Saturday 19:34 | 音楽 | comments(0) | trackbacks(0)
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2019.10.16 Wednesday 19:34 | - | - | -
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