すばらしくてNICE CHOICE

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レイモンド・チャンドラー『大いなる眠り』
レイモンド・チャンドラー『大いなる眠り』
村上春樹 訳


もちろんチャンドラーは以前の訳本でさすがに読んでるわけだけど、でも長編作だけだった。『大いなる眠り』『さらば愛しき女よ』『高い窓』『湖中の女』『かわいい女』『長いお別れ』『プレイバック』。当時は今よりミステリ中心に翻訳本を読んでいたが、その硬い訳に結構四苦八苦した覚えがある。短編集は全く歯が立たなかった。それと正直いえばあまり面白くもなかった。それよりも彼やダシール・ハメットが生み出したハードボイルドからまんま影響を受けた原遼やそれこそコミカルに寄ってはいるが樋口有介の方がずっと楽しんで読めた。で、村上春樹が訳したならまた別の印象を抱くかなと思って手に取ってみたけれど、全体の印象としては大きくは変わらない。もしかしたらハードボイルド好きなんて自認する資格はないのかもしれない。

1888年犯罪都市シカゴで生まれた(当時がどうだったのかは知らないが)彼は、1900年12歳の時にイギリスに引っ越し高校まで進む。その後は英国海軍やジャーナリストの仕事を転々とし、1912年に米国に戻ってからも仕事を渡り歩き、第一次世界大戦勃発と共に従軍。終戦後の1922年、石油会社に"簿記係兼監査役"として就職し、副社長まで出世するも1932年アルコール問題、度重なる欠勤、女性従業員との不倫で解雇され、世界恐慌の真っただ中に放り出され、推理小説を書き始めたそうだ。それが46歳。パルプマガジンと称される低俗雑誌に短編が採用されていき、1939年51歳の時に初めての長編小説として本書が出版される。

ロサンゼルスの私立探偵フィリップ・マーロウ。33歳。以前は地方検事の"捜査員の仕事"をしていたことがある。街の名士でかなりの高齢のガイ・スターンウッド将軍から依頼を受ける。彼には長女ヴィヴィアンと次女カーメンとふたりの娘がいて、ヴィヴィアンの夫で元酒密売業者だったラスティー・リーガンは謎の失踪を遂げている。将軍からの依頼は奔放なカーメンがA.G.ガイガーと名乗る男から脅れていて処理して欲しいというものだった。

ガイガーのバックにいる街の顔役のひとり、エディー・マーズやおこぼれを預かろうとする小物とやりとしながら、いくつかの死体を見つけ銃弾に襲われ、マーロウは自分の脚でロスの暗がりを歩き、事件の真相に近づいていく。お馴染みの展開だ。以前の訳より情景が見えやすくなったのは助かる。残り数ページでベールに覆われていた秘密が一気に晴れるのは本作が"推理"に焦点が置かれた物語だからではなく、マーロウを描く物語だからだ。そこがハードボイルドを好きな理由ではあるが、でもまあ少し唖然とさせられるのも事実。
2014.05.12 Monday 23:58 | | comments(0) | trackbacks(0)
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2019.10.16 Wednesday 23:58 | - | - | -
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