すばらしくてNICE CHOICE

暇な時に、
本・音楽・漫画・映画の
勝手な感想を書いていきます。
08 / 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
<< サイプレス上野、SUPER SONICS、THE罵倒2014 ROUND 2@CASTLE RECORDS(上野) | main | MC漢、BLAHRMY、MaryJane、DABO&ISH-ONE@CASTLE RECORDS(上野) >>
垣根涼介『狛犬ジョンの軌跡』

読了。
☆☆/5点中

この人も久し振りか。まあ、たいていがひさしぶりなのだけど。2000年にサントリーミステリー大賞読者賞を受賞しデビューして以降はノワール小説で売っていたが、『君たちに明日はない』で山本周五郎賞を受賞したからはそのユーモア小説から本作のように人間ドラマを描いてみたり、歴史小説にも手を出しているよう。

"個人事務所を構える建築士の太刀川要は、深夜のドライブ中に黒い大きな犬をはねてしまう。半死状態の彼を慌てて動物病院に運んだ甲斐あって黒犬は助かったが、同院に入院中の他の動物たちは激しく怯える。やがてジョンと名付け、自宅で飼い始めるが・・・。"

ひとつにジャンルにこだわらずに様々に手を出すことは悪いことではないし、だいたい書いている方だって同じネタばかりでは飽きるだろう。犬吠崎にある神社の狛犬があるきっかけで本当の犬として生き始め、偶然出会った建築士の男に買われる人間ドラマとなる。主人公太刀川の視点で主に書かれ、その章の最後に黒犬ジョンから見た人間たちの行いが描写される。ジョンはいわばツッコミ役だ。

著者と小説の登場人物はイコールではないが、もともと彼の小説は人物の口を借りて自分語りをする印象があったが、今回は特に濃厚な気がする。作者の生まれはまさに長崎県の諫早市とのこと。それはそれで構わないが、人のドラマを描きつつも最後に登場する警官が滔々と捜査状況を語り始め、本来この小説で描きたかったことはそっちではなく、それこそ帯にもあるように、"私は、いったい何者だろう"というジョンの疑問であり、同時に太刀川も自分自身でも考えていることだと思うが、それがおかしなところでディテールを詳細にしてしまい、終わりの数ページで分かったような分からないような観念的な言葉で短絡的にまとめてしまうことになる。もっと深く"自分"に踏み込めば読み応えあっただろう。設定はいいのだから。
2014.05.18 Sunday 23:58 | | comments(0) | trackbacks(0)
スポンサーサイト
2019.08.20 Tuesday 23:58 | - | - | -
コメント
コメントする











この記事のトラックバックURL
http://gogonyanta.jugem.jp/trackback/4897
トラックバック
Profile
Search This Site
Category
New Entries
Comment


Archives

今日も愚痴り中