すばらしくてNICE CHOICE

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アメリカン・ハッスル / American Hustle

79点/100点満点中

今年3月に発表された第86回アカデミー賞では10部門(作品賞・監督賞・主演男優賞・主演女優賞・助演男優賞・助演女優賞・脚本賞・美術賞・衣装デザイン賞・編集賞)で候補になったものの無冠に終わったデヴィッド・O・ラッセル監督の最新作。第71回ゴールデン・グローブ賞ではコメディ/ミュージカル部門の作品賞・女優賞・助演女優賞を獲得。1979年に実際にあった汚職スキャンダル「「アブスキャム事件」を描く犯罪ドラマ。出演はクリスチャン・ベイル、エイミー・アダムス、ブラッドリー・クーパー、ジェニファー・ローレンス、ジェレミー・レナー、ロバート・デ・ニーロら。製作費4000万ドル。2014年公開作品。

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中年太りで薄毛と風采の上がらない詐欺師アーヴィン・ローゼンフェルドは、妻ロザリンがいながらも、1978年イーディスと出会い、本業の洗濯屋と並行して以前から行っていた貸付信用詐欺で荒稼ぎを始める。しかし、野心家のFBI捜査官リッチー・ディマーソに捕まる。もっと大物を狙いたいリッチーはアーヴィンに捜査協力を迫り、危険なおとり捜査を仕掛けるが、期待以上の大物が引っかかってきて・・・。
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デヴィッド・O・ラッセル監督作は『スリー・キングス』以降は一応見ているのだけど、前々作『ザ・ファイター』は十分楽しんだものの、前作『世界にひとつのプレイブック』が今ひとつでどうにも自分の中で評価が定まらない監督だったわけだが、今回は尻上がりに良くなっていき楽しめた。

実は出だしもいい。デューク・エリントンのファンだったアーヴィン・ローゼンフェルドとイーディスの詐欺師コンビは彼の死を忍んで身に着けていたブレスレットが縁で出会うのだ。話題に上がるアルバムは1956年の『Ellington at Newport』、曲は「Jeep's Blues」(YouTube)。思えば、同じ2013年製作のミシェル・ゴンドリーの『ムード・インディゴ うたかたの日々』もエリントン映画だったわけで、ただの偶然かもしれないが、興味深い一致。

その後はふたりの詐欺行為の実態がよく分からないまま情景描写だけが続き、釈放後にはふたりの感情の揺れがセリフの中だけで交わされ、前作にもあったふわふわとした演出に留まる。嫌な予感に必然囚われるが、しかしそこは実力派を揃えているだけあって、特に『her/世界でひとつの彼女』にも出ていたエイミー・アダムスの吹っ切れた演技が、ただ軽妙なだけの演出に血肉をあてがっていく。もうひとりのヒロイン、ジェニファー・ローレンスも出番こそアダムスに譲る格好になるが、出れば出たできっちり印象に残る演技をしていて、もはや貫録(肉付きという意味でも)すらある。「Live and Let Die」を歌いながらの掃除シーンは最高(YouTube)。

現状維持できっちり儲けることに精を出し、ある意味で分をわきまえていた詐欺師が野心的なFBI捜査官にしてやられるがままに西海岸の怖いマフィアたちを陥れることになる。ただ、命の危うさが伴うという怯えが十分描かれないことと、男女の間で敵味方が微妙になるというもうひとつのコンゲームがきれいに描写されていないことが気にかかるが、当局とマフィアの間で詐欺師が試行錯誤し、観客を欺く展開はさすがに良い。

しかし、イーディスのイギリス訛りに全く気づかなかったわけで、本作の醍醐味の数パーセントかを損して見ていたことになる。ダメだ。


【追記】2014.07.23
アーヴィンのモデルとなった元詐欺師の述懐。 →記事

FBI捜査官リッチーを演じたブラッドリー・クーパーと、そのリッチーの上司役で小生意気な部下の提案にしぶしぶ付き合っていた上司に扮したルイスC.K.の心温まる話。 →記事
2014.07.17 Thursday 23:58 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
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2017.12.14 Thursday 23:58 | - | - | -
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