すばらしくてNICE CHOICE

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プロジェクト X / Project X

96点/100点満点中

「ハングオーバー!」シリーズのトッド・フィリップ監督が製作した2012年のコメディ映画。主役3人を始めヒロインふたりもほぼ無名に近い俳優たちが起用されている。地元の大学生スター選手マイルズを演じるのは『21オーバー 最初の二日酔い』で主演だったマイルズ・テラー。DVDスルー作。製作費1200万ドル。

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カリフォルニア州パサデナ。トーマス・カブとコスタ、JBの仲良し男子高生3人組は学校カーストでは下位にいるものの、トーマスの両親が不在の日を狙って彼の誕生日パーティを行い、学園一の人気を集めるアレクシスを始め、女の子たちを呼んで派手に盛り上がろうと計画する。トーマスの心配をよそに、コスタはあらゆる手を駆使し、パーティの宣伝を始めてしまい・・・。
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トッド・フィリップス監督の「ハングオーバー」シリーズ全3作のうち、完全無欠の傑作は1作目だけだ。その後の2作もその辺のボンクラコメディに比べればずっとずっと秀逸ではあるが、初作を上回る完成度や斬新さを目指すのではなく、それを下敷きにした笑いに徹していた。私が見始めた2009年のシリーズ開始以降のフィリップス関連作の中で、本作はプロデューサーとして関わっているだけとはいえ、その1作目と肩を並べる痛快さがある。しかも、本作は学校カーストの負け組3人の青春ドラマとコメディの組み合わせであり、ミステリーとコメディの掛け合わせだった『ハングオーバー!』より好きかもしれない。

生み出された笑いを次々と持続させていき、ホップ、ステップ、ジャンプと一気に飛翔するところまでは優秀なコメディ映画ならできている。でも飛び続けること、しかも急上昇を描き続けるとなると至難の業だ。強烈な笑いであっても人はすぐに慣れてしまうため、さらに過激な笑いが必要になり、より多くの燃料を絶えず注ぎ込まなければならない。これはホラーやエロも同じで、どちらも安易に製作されるが、本当に面白いものが少ないのはそういうことだ。

本作はその笑いという燃料の注ぎ込みを完璧に成し遂げている。しかも、負け組少年たちの青春ドラマまでぶち込み、カースト底辺の住人たちが歴史に残るビッグパーティを作り上げるのだ。これが最高の映画でなければ、何が最高なのか教えて欲しい。

トーマスの家で行われるバースデイパーティの前半は、SNSで全世界にお誕生日会の告知をしてしまったがために数百人と群衆が押し寄せ大変な目に遭ったというニュースが時々あるように、ある程度織り込み済みの狂乱パーティだが、突然降って湧いた(というよりも破裂した?)エクスタシーの投入で狂乱から騒乱へと拡大し、唖然としている間にここは一体どこの国なのだと思うような光景が広がる。

コメディパートの良さだけではなく、撮影法でも工夫が凝らされている。ホラーではひとつのジャンルを形成するほど氾濫しているPOV方式(主観撮影)が取られる。3人の友人で業務用の大きなカメラを持つダックスに依頼し、パーティの記録係をさせる(色々問題あり気な背景のある生徒でスピンオフでホラーが撮れそう)。その手持ちカメラが生み出す臨場感は素晴らしく、破天荒に盛り上がるパーティの様子を映し出し、ひいては参加者たちの高揚感をも掬い上げて、水の中も厭わず彼は激写し続ける。冒頭からエンディングまできっちりPOVにこだわり、トーマスと女の子がいい雰囲気になった時にはスマートフォンの動画撮影機能に切り替わるという小技も見せる。

パーティここに極まれりと興奮と混乱が最高潮に達した後、青春ドラマとしての物語にもきれいなオチをつけているわけで本当に見事。最後のカットもまたいい。

本作が初監督作品となるニマ・ヌリザデはロンドン生まれのイラン系イギリス人で、ミュージックビデオ監督上がりだそうだ。Lily AllenやフランスのYelle、Santigold、バンドではFranz FerdinandやMaxïmo Park、他にもDizzee RascalやLady Sovereignなども手掛けていて、彼の公式サイトからひと通り見られる。CM製作も当然にように行っていてこのアディダスのCMにはOasisのギャラガー兄弟やSnoop Dogg、日本からは倉木麻衣も参加している。プールサイドを始めとした乱痴気騒ぎの切り取り方がやけにかっこよく決まっていたのは、そうした経験からくるものだったのだろう。
2014.07.30 Wednesday 23:58 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
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2017.03.28 Tuesday 23:58 | - | - | -
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