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MUD -マッド- / Mud

70点/100点満点中

『テイク・シェルター』に続く2012年のジェフ・ニコルズ監督・脚本作。青春ドラマ。主演は『ツリー・オブ・ライフ』で末っ子を演じていたタイ・シェリダン。共演にマシュー・マコノヒー、リース・ウィザースプーン、サム・シェパード、『テイク・シェルター』で主人公だったマイケル・シャノンら。TSUTAYA限定レンタル作品。製作費1000万ドル。2014年公開作品。

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米国南部アーカンソー州デウィットに流れるミシシッピ川の支流アーカンザス川沿いの違法ボートハウスで父シニア、母のメアリー・リーと共に暮らす14歳の少年エリスは、木の上に打ち上げられたボートを無人島で親友ネックボーンと共に発見する。しかし、先に見つけたマッドと名乗る怪しい男が寝泊まりしていた。彼は愛する女性ジュニパーのために殺人を犯し身を隠していたのだ。事情を知った少年ふたりは請われるままに彼の逃亡の手助けをすることに。
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無人島で寝泊まりする男マッドを演じるのはここ2〜3年で俳優としての評価を一気に上げているマシュー・マコノヒー。映画祭での上映を含めた出演作の公開順でいえば、本作と同じ川沿いながらもフロリダを舞台にし湿地感がより強かった『ペーパーボーイ 真夏の引力』(2012.05.24@カンヌ)と、これまたフロリダ・タンパで男性ストリップクラブを経営する『マジック・マイク』(2012.06.29)の間に本作が置かれることになる(2012.05.26@カンヌ)が、その2作品やキレ演技ここに極まれりといった『キラー・スナイパー』(2012.07.27)のような鬼気迫る表情やパフォーマンスは今回封印される。本作でのマコノヒーは不穏さをどこか隠し持ちつつも女性に対し愚直なまでに一途な男を演じ、同時に父と死別した少年ネックと両親の不和に苦しむ主人公エリスの良き父的な存在ともなる。

FugaziのTシャツを着たニックがあからさまにリバー・フェニックスに寄せていることもあり、序盤は『スタンド・バイ・ミー』の南部版を思わせもするが(家庭内の問題、親には知らせず死体ならぬボート探し)、仲間とのひと夏の冒険を描いたそれとは違い、14歳の少年エリスはゴードンが目を背けがちだった家族の一員としての問題を、マッドとジュニパーの苦境を通してとはいえ、正面から少年なりにぶつかろうとする。ジェフ・ニコルズ監督は、前作『テイク・シェルター』に比べるとずいぶん素直な物語を描く。

エリスは両親の不和がいよいよ最終局面に差し掛かっていることを悟った時に、奔放な幼馴染ジュニパーへの強い愛を語るマッドと知り合う。警察に追われ、強い復讐心にかき立てられた遺族からも狙われるふたりを無事に結びつけることができれば、もしかしたら自分の父と母の仲にも同じ奇跡が起きるかもしれないと、エリスは親友ネックの心配をよそに率先してマッドの手助けを始めていく。いがみ合っているとはいえ両親と暮らすエリスと、実の父ではないが愛情深く見守ってくれる叔父のいるネックという対比も面白い。

どんなに一縷の望みにすがってみても、大人の庇護のもとで生きる年齢のため、彼らの事情に左右されることになる。その大人だって政府や経済に振り回されてはいるわけだけど、それはともかく、安易な結末に落ち着くわけではない点は悪くないが、出てくる大人がややいい人だらけなのが気になるところ。マッドをつけ狙うカーヴァーやその父キングにしても手ぬるいし、凄腕スナイパーが対岸にいるという"偶然"すらある。


ウィキペディアにある解説を読んでたら、ニコルズ監督は"物語を作り上げる際に『トム・ソーヤーの冒険』を含むマーク・トウェインの作品に触発された"とあり、確かに川の中ほどにある無人島が最初に出てきた時は、トムやハックルベリー・フィンが暮らす町セント・ピーターズから目と鼻の先にある島(彼らの家出先になる)はこんな感じだったのだろうかと思った。本作のふたりはトムとハックに比べたら気性的にややおとなしいにしても、その悪ガキふたりの間にあった距離感と同じものがエリスとネックの間にもあるように思う。
2014.09.16 Tuesday 23:58 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
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2019.07.20 Saturday 23:58 | - | - | -
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