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悪魔の起源 -ジン- / Djinn

53点/100点満点中

トビー・フーパーがオイルマネーで笑いが止まらないアラブ首長国連邦(UAE)に招かれて制作したホラー映画。製作費500万ドル。2014年公開作品(3ヶ月後ソフト化)。

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ニューヨークで暮らすハリドとサラーマの若い夫婦。しかし、生まれたばかりの赤ん坊が突然死してしまい、妻の落胆はひどく、サラーマの故郷UAEに戻ることに。海辺の高級マンション、アル・ハマナに移り住んだふたりだったが、不可解な現象に悩まされ始める。
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冒頭で、"ジン"の説明が簡潔になされる。"アッラーは天地を創造し、土から人間を、光から天使を創った。さらに火よりジンを作り、人間と隔離した。だがこのふたつが交わる時恐ろしい災いが起こるのである"。ウィキペディアにも"ジン"のがあり、"人にあらざる存在であり、なおかつ人のように思考力をもつとみなされる存在、すなわち精霊や妖怪、魔人など一群の超自然的な生き物の総称"とある。「アラジンと魔法のランプ」でランプから出てくる魔人ジーニーが最も有名な"ジン"なのかもしれない。

本作では女性の"ジン"が人間の男と交わって生まれた子供を托卵よろしく男の子供として育てさせようとしたところ、すぐにバレて、その赤ん坊は封じ込めの魔法をかけられた上でどこか遠くへ連れて行かれる。わが子を失った恨みつらみをそのジンは今も抱き、人に悪さをしているという都市伝説のある町が舞台となる。

悪魔のいけにえ』という傑作ホラーを撮ったトビー・フーパーはホラー史のみならず映画史そのものにその名を残すことになるが、その後はホラー映画監督のほとんどがそうであるようにパッとしない作品をだらだらと撮り続けている。今回はUAEで制作し、イスラム教の倫理コードも関係しているのか、血が飛び散らない。従って、カメラワークと音楽、突然現れて脅かすショックカット、あるいは誰も異常を信じてくれず孤立感にさいなまれるといったホラーの定番演出のみで怖さを生み出さざるを得ず、基本に忠実というよりもモノクロ時代のスリラー映画のような趣すらある。

例えば家族の乗った車に別の車が突っ込んで来て一大事というシーンでは、ぶつかる寸前で場面が切り替わり、象徴的に赤いタオルを映し出すといった具合だ。もちろん、製作国のやり方はそれぞれであり、UAEの人たちだってネットや衛星テレビ回線等でハリウッドのもっと刺激的なホラーを見ているのだろうが、国で作るとなるとこうならざるを得ないのだろう。反対にいえば、映せない映像や効果を思うことで、町の光景や小道具以上にその国の慣習を知ることにもなり、UAEというサッカー以外では接することのない遠方の国の異国情緒に浸ることはできる。

そうはいっても、その国の慣習や倫理観とは別のところ、単純に脚本の部分で不満が大いにある。最初のアメリカのシーンで登場する怪しげな女医や、意味ありげに映し出すヒジャブを着用した空港の女性たち、あるいはふたりが暮らす高級マンションのフロントマン・サミーにしても、伏線としていわくありげに出しておきながら思わせぶり以上の機能を果たさせていないのは問題。

ただ、アッラーに祈り黒い影を追い払い、イスラムの神こそが素晴らしい的な私たちが中東の国々抱く考え方をそのまま映像化したようなシーンがあるものの、その一方で最後に勝つのは悪魔だという展開にはそれが許されるのかという驚きと同時に面白さもある。
2014.11.01 Saturday 23:58 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
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