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機動戦士ガンダムUC episode 7: 虹の彼方に

福井晴敏の原作小説をアニメ化した「機動戦士ガンダムUC」シリーズ完結編。2014年公開作品。

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オットー艦長率いるロンド・ベル隊ネェル・アーガマは、"ラプラスの箱"があるインダストリアル7のコロニービルダーにしてビスト邸のある"メガラニカ"に前進を図るも、"袖付き"ことネオ・ジオン残党が行く手を塞ぐ。またユニコーンガンダムのバナージ・リンクスと黒いガンダム・バンシィに搭乗するリディ・マーセナス少尉の戦闘も激しさを増すばかりだった。一方その頃、地球の北米にある地球連邦軍シャイアン基地では、ローナン・マーセナス議員とマーサ・ビスト・カーバイン、アルベルト・ビストが集い、箱の解放を阻止する大規模作戦を進めていた。
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2010年から始まったシリーズがついに終わる。完成度の高さから、どうして終わってしまうのだという憤りにも似た思いを抱いてしまうほどだ。これまで各エピソードは60分前後だったので、今回もそのぐらいと思っていたら映画1本分の90分もあり、これは劇場に行った方が良かったかもしれないとなかば後悔するほどで、全7話にもなった長大な物語をきっちりきれいに締めくくる、まさに有終の美としかいいようがない作品になった。

前半のアクションの見せ場はネェル・アーガマの奮闘だ。Zガンダムのような可変型から、上半身と下半身でドッキングするタイプ、あるいはやけに装甲の厚いものまで非常に多彩なモビルスーツたちが激戦を繰り広げる。そしてシリーズを通してずっと謎だった"ラプラスの箱"の正体がついに明らかとなる。ここまで謎として引っ張ってきておいて、あまりに下らなかったらどうしてくれようという話だけど、そこは大丈夫。期待に違わない設定であり、しかもそれは初代ガンダムから続く、人間の革新というある種の希望をしっかり掬い取るものだ。ネオジオン総帥フル・フロンタルとの最終決戦もあり、ガンダムの名作シリーズには必ず出てくる例の筒型最終兵器まで飛び出す。

ガンダムの生みの親・富野由悠季は今新しいガンダムを制作し、アムロだとかシャアだとかいった過去の亡霊から自由になり、一から全く違うものを創造したいと思っているようで、表現者としてその姿勢は買えるわけだけど(完全なる失敗に終わっているのは不幸としかいえないが)、このシリーズは『逆襲のシャア』までの、つまり三十代四十代向けに作られているわけで、痒いところに本当によく手が届いている。

ただ、頑固なファンにとっても、フル・フロンタルのパイロットスーツはやり過ぎな感があるし、それこそ最終決戦で彼が駆るモビルアーマーは脚無しのあいつであり、しかもご丁寧に一年戦争時にも塗られていなかったシャア色の"赤"となる。こうしたサービスし過ぎな点は若干気になりはするが、それでも宇宙世紀の百年を総括するために、アクシズの攻防からホワイトベースの最期、エルメスの勇姿、スレッガー中尉の特攻、ビグ・ザムとガンダム、グレート・デギンの消滅、コロニー落としといったその百年を象徴する光景を今の技術でもって新たに作画し直しているのは最高に素晴らしく、潘恵子と古谷徹のマジかといった登場を見るに至っては誰ともなくありがとうありがとうと感謝したくなってしまう。

現実を語り、人間を諦めてるフル・フロンタルと、"人の持つ可能性を信じたい"というバナージとミネバ・ザビの関係は前作のままであり、バナージは幾度となく、"それでも"という言葉を吐き出しながら、虚無に囚われた上の世代に挑んでいく姿は強く印象に残る。最後にもう少しバナージとミネバのいちゃつきを見たくもあるが、"自信があるのでしょ。やってみせなさい。そして必ず帰って来なさい。約束を違えることは許しません"といった高圧的ともいえる言葉を投げるミネバはザビ家の姫であり、強烈に魅力的だ。蛇足と分かっても"オードリー"とのその後がどうなったのか知りたくなってしまう。


ウィキペディアを眺めていたら、"サイアム・ビストの声優に永井一郎を起用することにより、『機動戦士ガンダム』のナレーションがサイアム・ビストによるモノローグであるという意味を持たせている"とあったのはちょっとした衝撃だったし、サイアム・ビストはこのエピソードの鍵となる人物だっただけに危なかったわけだ(2014年1月死去)。
2014.12.23 Tuesday 23:58 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
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2017.04.19 Wednesday 23:58 | - | - | -
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