2006年10月6日リリースのライブアルバム。
1996年にリリースされたセカンドアルバム『東京』を記念して、
曲順通りに全曲を弾き語りで再演したライヴ。
1996年の早い時期に店頭に並んだのが、桜色のジャケットの『東京』だった。
スペースシャワーTVでは、「恋におちたら」がヘビーローテーションになっていて、
かなり注目していた。
都内の大学に入ったら買ってやろうと思い、ラストスパートに励み、
なんとか潜り込みに成功して買った、思い出深いアルバムだった。
そして大学生活を通し、一番聞き込んだバンドはサニーデイ・サービスになった。
いいライブアルバムだと思う。
想像通りの音がつまっている。
暖かみとか、現在の力強い歌声とか。
(「あじさい」の曲の由来は知らなかったけれど)
でも、やっぱり曽我部ひとりでやっていて、サニーデイではないんだよな。
「恋におちたら」が特に顕著で、あの無骨なベースがなければ、
例え素晴らしい詩や素敵なメロがあっても名曲にはなれない。
ベースとドラムがいたから、サニーデイ・サービスは良かったのだ。
技術的にはあんまだったかもしれないし、曽我部の足を引っ張っていたのかもしれないけれど、
でも、曽我部が今作るどの曲よりも、3人でバンドをやっていた時の方が、曲が輝いている。
そこがバンドの面白いで、かつ怖いところだな、とやったこともないのにしたり顔で
語るのはどうかと思うけれど。
「東京」「会いたかった少女」「あじさい」「青春狂走曲」がよかった。
後半が少しつらい。
弾き語りではもたない感じがある。
大好きな「青春狂走曲」では、あのビートルズ(モンキーズか?)ばりのプロモが、
どうしても思い出されるけれど、
あの頃の疾走感がなくなっていて少し悲しくなるのはしょうがないのか。
でも、生で聴いたら感動してたのかもしれない。
色々思い出もつまってるし。
やっぱ「恋色の街角」も「真赤な太陽」も「いろんなことに夢中になったり飽きたり」も
いいかもしれない。
なんだかんだ言って聴き続けるアルバムになるような気がしてきた。
あとあと、CD表面のスマイルマークは蛇足だと思う。
『東京』の桜の花びらが散ったデザインはあれだけ秀逸だったのだから、もったいない。
やまだないとのジャケットはかっこいいのに。