すばらしくてNICE CHOICE

暇な時に、
本・音楽・漫画・映画の
勝手な感想を書いていきます。
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2021.02.10 Wednesday | - | - | -
竹内真『粗忽拳銃』

読了。
☆☆☆/5点中

落語を絡ませて物語が進んでいくという、宮藤官九郎が『タイガー&ドラゴン』でやった
のとほぼ同じパターン。クドカンの方がうまいけど。

噺家で、まだまだ前座の天馬と映画監督のひよっこ、役者志望、
ノンフィクションライター志望の4人が都会の片隅で織りなす青春ストーリー。

小説すばる新人賞を受賞した作品だが、要素が多すぎて、収拾がついていないように思える。
それと4人の視点が動くのだが、それが下手くそなカメラマンが撮った映像みたいに
ぐらぐら揺れて少し疲れる。

でも、着眼点は面白いし、文章もそこそこうまい。
それぞれ夢に邁進したいけど、現実にぶち当たり挫折も経験してという物語が
丁寧に描かれていて好感が持てた。


*****************************
竹内真(たけうち まこと)
1971年、群馬県高崎市生まれ。
1996年、慶応義塾大学卒業。
1995年、三田文学新人賞受賞。
1998年、『神楽坂ファミリー』で小説現代新人賞受賞。
1999年、『粗忽拳銃』で第12回小説すばる新人賞受賞。

1995.08 『僕らが世界を救った夜』(NTTメディアスコ−プ)
1995.10 『3年5組・ザ・ム−ビ−』(NTTメディアスコ−プ)
1995.12 『ミッドナイト・ボーイズ』(NTTメディアスコ−プ)
1996.05 『オリオン・ザ・ドッグ』(NTTメディアスコ−プ)
1996.11 『天真中学物語 お前を感動させてやる』(NTTメディアスコ−プ)
1997.03 『天真中学物語 彼が伝説となるのなら』(NTTメディアスコ−プ)
2001.01 『粗忽拳銃』(集英社)
       →集英社文庫
2001.03 『カレーライフ』(集英社)
       →集英社文庫
2001.06 『風にさくらの舞う道で』(中央公論新社)
       →新潮文庫
2002.08 『じーさん武勇伝』(講談社)
       →講談社文庫
2004.10 『笑うカドには お笑い巡礼・マルコポ−ロ』(小学館)
2004.02 『真夏の島の夢』(角川春樹事務所)
2004.04 『図書館の水脈』(メディアファクトリー)
2004.05 『自転車少年記』(新潮社)
       →新潮文庫
2006.02 『オアシス』(ソニー・マガジンズ)
2007.03 【翻訳】『チャーリーとの旅』(ポプラ社)
2008.01 『ワンダードッグ』(新潮社)
2008.02 『ビールボーイズ』(東京創元社)
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2006.04.30 Sunday 22:57 | | comments(0) | trackbacks(0)
終わりで始まりの4日間 / Garden State

50点/100点満点中

主演もしたザック・ブラフ監督・脚本による2004年の作品。
「低予算作品ながら全米の若者から高い支持を集めスマッシュヒットを記録し、
ナタリー・ポートマンの演技が批評家から絶賛され、彼女にとっても女優人生の
大きな節目となる重要な作品」という映画なので、ずっと見たいと思っていた。

が、あまり面白くなく、がっかりした。
監督兼脚本兼主演のザックに原因があるように思う。
この顔がどうもつまらないのだ。
ナタリー・ポートマンは絶賛されるほどの演技だったかは別にして、悪くはなかった。

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感情の起伏が極端に乏しく、精神安定剤を常用している売れない役者アンドリュー。
ある日、彼は母の死の報せを受け、9年ぶりに故郷のニュージャージーへと帰郷する。
父とは折り合いが悪いままで、旧友たちと再会するが、彼らとの距離を感じてしまう。
そんな時、アンドリューは天真爛漫でエキセントリックな少女サムと出会う。
そして、サムと一緒の時間を過ごすことで、アンドリューは忘れかけていた感情を
少しずつ取り戻していく……。
*********************************

ラストシーンに唖然とさせられた映画だった。
何かを掴んだアンドリューは映画の街に戻ろうとし、空港でのサムとの別れのシーン。
サムの涙を振り切って、飛行機に乗り込むアンドリュー。
電話ボックスで泣き崩れるサム。
突然、ドアが開きサムを抱きしめるアンドリューって。
その無理矢理なハッピーエンディングはなんだ!? そんなんでいいのか?
滂沱の涙を流しながらのキスシーン。
えっ、アンドリューの夢でもある俳優になることは、どうなるのだ?
ニュージャージーの片田舎で骨を埋めるのか?
あまりにも安易なラストで少し呆然とした。

ストーリー自体とてつもなくつまらないエピソードのつながりでしかなく、
メイキングを見ると文化祭の延長線って感じだ。

ただ、サントラは良さそう。
2006.04.30 Sunday 00:00 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
ぼくを葬る / Le Temps Qui Reste

40点/100点満点中

フランソワ・オゾン最新作。2006年公開映画。

ネットでの評判は結構いいようだが、どうすればそこまで評価できるのか、
まったくわからない。非常に悪い出来だと思う。

"死"をめぐる3部作で、『まぼろし』に次ぐ2作目とのことだが、1作目の『まぼろし』
も面白いと思えなかったお子ちゃまな人間にはなかなかハードルの高い映画なのだろう。

末期ガンと診断され、余命3ヶ月と宣告されたゲイでカメラマンの主人公が辿る
"残された時間(原題)"の過ごし方。
死を受け入れ、向かい合い、自分の生き方を顧みる。

恋人、両親、姉、祖母、仕事、と様々な人に別れを告げ、死と向き合う。
なかでも、昔は仲の良かった姉との複雑な心の動きは、ゲイならではの感情であり、
監督自身の思いが色濃く出ているのかなと邪推してしまう。
安易に離婚してしまうのに、子供だけは授かってしまう女性という性そのものに
強い嫉妬心を抱き、苛立ちを募らせる。
ゲイカップルの結婚は正式には認められず、ましてや子供を産むことなど出来はしない。
実際に子供が欲しいとかではなく、出来ないという不可能性に苛立つのだろう。
自分の子供ができるとわかってからの、姉との電話での和解はいいシーンだった。
そして、不妊で悩むカップルとのベッドシーンも滑稽でよかった。

が、人間は1人で産まれてきて、1人で死ぬ。これは当たり前のことで、
そんなことをオチも、盛り上がるドラマもなしに、監督の死生観を垂れ流しで、
さあ、これが芸術でござい、木戸銭は1800円ですよって。
それは暴利だろう。
自分1人で育ち、勝手に大人になったかのように考え、傲慢に死んでいく。
そんな主人公に誰が共感できるのか。
爽やかな朝日射す砂浜を散歩中の観光客が、死体を見つけたらどうなる?
しかもカラスにでも突っつかれて、無惨な肉片をさらしていたら。
まったく自分勝手な死に方で、どこで感動していいやら。

フィクションなわけだし、全ての源、母なる海に抱かれて死ぬのは美しい。
それは、かまわない。
しかし、テロ国家でもあるまいし、今更、死にロマンなんてあまりにも陳腐。
身勝手さが若さだとしても、この主人公は31歳という設定で、いい年だろう。

井筒監督ではないが、映画はドラマだと思う。
カメラマンである主人公が、死を間際にして本当に自分の撮りたい被写体を見つけ、
思いを込めてそっとシャッターを押し込む。
そこには、今までの感謝や思いの丈が込められた写真が焼き付けられているのだろう。
それを観客に想像させるのでなく、見せろよ。
実際に見せて、こちらの心を揺さぶって欲しかった。
エンドロールのいつまでも続く潮騒なんて眠いだけだ。
折角ギリギリで起きていられたのに、あやうく眠りかけた。
死なんてきれいなものではないし、死はそれまで隠していたものを曝くものだ。
あそこで1葉でも2葉でもファインダーの中だけの主人公の本当に伝えたかった気持ちを
映してくれれば、もう少し評価した。

まあ所詮、お上品な映画を理解できない無粋なハリウッド映画好きの言い草だが、
この映画は作り手がひとりで悦に入っているだけの作品でしかないと思う。
『8人の女たち』や『スイミング・プール』のような映画を次はお願いします。
2006.04.30 Sunday 00:00 | 映画 | comments(3) | trackbacks(1)
V.A.『アングラの詩的な進化論VOL.3 火面』

アングラの詩的な進化論VOL.3の『火面』

M01:DJ TRIK「印と蝋(INTRO)」1"34
    このイントロはかっこいい。

M02:DMR feat.ロイ、カルデラビスタ、インダラ、DARTHREIDER、TAROSOUL
    「不夜城」3"14
    フックのコーラスはいいのに。ラップがストレートに伝わってこないような
    ミックスはよくないと思う。

M03:FOOL & CHEST「CLOCK」3"13
    このシリーズの中では普通のレベル。もう少し聴きたい。

M04:MasOul feat.MC MINORU「Sai Jyo」3"46
    頭の悪そうなリリック。トラックも駄目。MC MINORUはVEDAのかたわれ。

M05:TOP SHELF「ESCAPE」3"26
    ここまで低音が響いていないのは狙いなのか? これもイヤだ。

M06:RAPMANIAC「五感と対東京(SekiyaBoogieRemix)」4"29
    これは悪くない。生っぽいのがいい。トラックもいい。

M07:TAQUILACCI「脳内レース」4"13
    3曲目と同じ感想。他の曲を聴いてみたい。日本語ラップ・バブルは弾けたけど、
    表面には出てこられないアングラの層の厚さを感じる。

M08:Life Art Vision feat.21 gram「コラボ」4"28
    このグループはいい。HPを見ると活動休止中のようだけど、もったいない。

M09:GDARW.B.CONECTION「Four Bars Dirty」3"32
M10:MEDULLA「DRY FROWERS(remix)」4"12
    好みの問題。そこそこうまいのかもしれないけど。

M11:INI & DOG from MIC JACK PRODUCTION「Freestyle(LIVE@CLUB GHETTO 04.10.03)」4"58
    へったくそなフリースタイル。本当にヘタクソ。しばらく我慢して聴いていると、
   「Seven Seas Voyage」が鳴り出したから、カバーでもするのかなと思ったら、
    本人たちではないか。こんなんでいいのか。

M12:El Nino「Two Bones」2"50
    ジャジーなトラックはかっこいいのに。Think Tank狙い?
    まねっこ生活破綻者って感じ。

M13:JSB結社 feat.MC Ginger Ale、DRAGON1、影予言者、MC MINORU
    「Simple & Plain〜JSBマイクリレー第三弾β」3"40
    1人目のMC Ginger Aleは、THA BLUE HERBの影響が鼻につくが、悪くはない。
    2人目DRAGON1は、幼さに勘弁。4人目MC MINORUは面白い声を出す。

M14:Y to the One「んだよ」2"55
    分かりやすいぐらい駄目。

M15:SMRYTRPS「Defect to Ho Chi Minh -mono mix-」4"59
    前曲とのあまりの差に驚愕。SMRYTRPSの曲としてはそれほどではないが、
    彼らのアルバム収録曲ではないので、聴けて良かった。

M16:HISOMI-TNP「遊人飛行」2"36
    にぎやかし。

M17:影予言者「リバイアサン(ANGRY DEMO)」4"06
    他人の政府に口出しする前に、自国の猿似の大統領についても一言あっても
    いいのでは。
    遙か昔のことだが、デビッド・ボウイが日本語詩で歌うのを聴いた時、
    そのイントネーションのおかしさから、げんなりしたことがある。
    この影予言者のラップも同じで、日本語で伝えたい頑張りはわかるけど、
    やっぱり自分の言葉でやった方がいいと思う。
    翻って、日本人ラッパーでも英詩を混ぜてやっている曲は、向こうの人が聴くと、
    きっついなと思うんだろうな。

M18:SEEDA「Cukoo(produced by I-DeA)」2"47
    微妙。これまで聴いた中では、これが一番良かった。

M19:DJ TRIK「切り(OUTRO)」1"20
    今年もVOL.4を出してください。感謝しています。
2006.04.29 Saturday 13:50 | 音楽 | comments(0) | trackbacks(0)
V.A.『アングラの詩的な進化論VOL.3 永面』

2005年に発表されたアングラの詩的な進化論 VOL.3の『永面』。
http://sound.jp/j-st_beat/

M01:DJ TRIK「黄色いブレーク(INTRO)」2"11

M02:Large Prophits「UP 2 YOU」4"23
    やっぱうまい。『VOL.1』にも参加していたが、トラック、ライムともに
    一歩先に行っている。

M03:JSB結社 feat.影予言者、MC SAI、EASTPAWS(MC TOMA、NOKEI)、MasOul
    「Free & Easy〜JSBマイクリレー第三弾α」4"22
    
M04:MasOul「再生〜Ashes to Ashes、A Must to Bust〜」6"05
    オリジナルなフロウを目指し中という感じ。いい線行ってるが、もう少しだ。
    トラックは好き。

M05:ECCY feat.Jen.k「The Scarlet」3"32
    あまり個性のないトラックだと思う。自然とJen.kもおとなしい。
    HPでアップしている曲にあるような勢いがない。    

M06:SEEDA「Where I'm From (produced by BL)」3"55
    ここからいきなり音圧が上がる。同じレベルにしてください。 
    SEEDAは一度もいいと思ったことがないので、パス。
    日本語詩にサビでいきなり英詩になるおかしなJポップのよう。

M07:KATAGI「CONCRETE SMOKE」4"23
    この人のスタイルは普段なら聴かないタイプだけど、うまい。
    耳がずっと彼のリリックを追いかけていく感覚がきもちいい。

M08:脳発火a.k.a BRAIN HACKER「B.P.M ORIGINAL〜GRANADE FUNK MIX〜」
    2"46
    ツイギーなのか? ツイギーを継げる者が現れたのか?

M09:GROG「SOD '05」3"08
    この曲も『VOL.1』のレベルには届いていない。
    
M10:Kochitola Haguretic MCs「生打精製」3"03
    トラックは面白いが、リリックは?

M11:DMR feat.TAROSOUL、はなび、DARTHREIDER、KENTHE390、ロイ、インダラ、
    EI-ONE「3014」4"31
    初ダメレコ。特に残らないけど、にぎやかしとしてはいいのでは。

M12:G.D.F.TRIBE feat.44「B.E.A.T.」3"29
    『VOL.2 闇面』にもG.D.F.CREWとして参加していた"富山の帝王"。
    こんな機会でもなければ聴くことのない音。

M13:VEDA「Keep on to da last」3"59
    叙情性ラップ、と言われたら本人達は怒るだろうが、
    とっても真っ当なことをラップしている人たちだと思う。
    声質は好き。安そうなトラックも○。

M14:MC リーダー「Ghetto Tek」3"36
M15:C.I.A.「月蝕」2"35
M16:MC MAK「INFLUENCE[DEMO]」1"56
    3組まとめて。
    キラリとひかるものはないけど、レベルは高いと思う。
    オーバーグラウンドの曲を聴くなら、こっちを聴く。

M17:DJ SCAN feat.MC もの「smilingman」3"44
    いぢめられっ子ラッパー。
    "小中高と1人も友達がいなかった 休み時間話しかけてくれる救世主を待った"
    "新興宗教の固まりのような僕です だからあなた方に嫌われたのでしょう"
    この人のラップはもっと聴きたい。トラックの雄大感とのギャップがまた面白い。

M18:RHYTHMANOID「ブレーメン」3"18
    うまいと思うけど、好みではない。

M19:DJ TRIK「外部リズム(OUTRO)」1"22
    DJ TRIKにも"大感謝"です。
2006.04.29 Saturday 12:45 | 音楽 | comments(0) | trackbacks(1)
船橋屋 / 天ぷら(新宿)

船橋屋。

新宿は、三越の裏の通り。
「つな八」は行列ができているが、ここはすぐに入れるので、
どうしても天ぷらとなるとここになってしまう。

まあ、まずくはない。

ただ2階席に通されるようなら、入らない方がいい。
2階の接客は大変まずいと思う。
混んでもいないのに、うまくまわっていない。

【追記】2007.03.17
約1年ぶりに行った。
油が悪くなっているような……。
食べている最中から、もたれてくる。
ピーマンやかき揚げなんて、もう……。
春の山菜を食べに入ったのだけど、これでは次回は考えると思う。


天ぷら定食A 1450円
天ぷら(海老 魚二種 いか 野菜二種 かき揚)
+ごはん、みそ汁、香物

天ぷら定食B 2620円
天ぷら(巻海老二尾 魚二種 いか 野菜二種 かき揚)
+ごはん、みそ汁、香物

天ぷら定食 松 2780円
天ぷら、お刺身 or あじ叩き
+ごはん、みそ汁、香物

天ぷら定食 梅 3800円
天ぷら、お刺身、他一品
+ごはん、みそ汁、香物

天ぷら定食 旬菜 1350円
野菜の天ぷら
+ごはん、みそ汁、香物、デザート(フルーツ)


**************
船橋屋
住所:東京都新宿区新宿3-28-14
電話:03-3354-2751
時間:11:40〜22:00
定休日:無
**************
2006.04.29 Saturday 00:00 | | comments(0) | trackbacks(0)
佐々木譲『エトロフ発緊急電』

読了。
☆☆/5点中

ようやく読み終える。
日系のアメリカ人スパイが太平洋戦争前夜の日本に潜り込み、
択捉島単冠湾からハワイ奇襲のために出撃する機動艦隊を米本国に知らせる
という話。

それぞれのエピソードが濃厚で、ページ数が自然と増えるが、
それが登場人物に深みを持たせているかといえば、そんなこともなく、
贅肉が付きすぎている文章に思えた。

南京大虐殺を米国人神父からの視点で描かれる辺りで特に顕著だが、
戦争の痛ましさがダイレクトに伝わってくるのは良かった。

上でページが多いだけと書いてしまったが、自分が経験したことのない、
その当時の生活や街のにおいを何とかして再現させるためにページ増にしたのであれば、
その点では成功している。
読んでいる間は、昭和のきな臭い時期を肌で感じたような気にさせられた。


**********************************
佐々木譲(ささき じょう)
1950年、北海道夕張市生まれ。北海道札幌月寒高等学校普通科卒業。
1979年、『鉄騎兵、跳んだ』で第55回オール読物新人賞受賞
1989年、『エトロフ発緊急電』で第43回日本推理作家協会賞長篇部門受賞。
                   第8回日本冒険小説協会大賞受賞。
                   第3回山本周五郎賞受賞。
1994年、『ストックホルムの密使』で第13回日本冒険小説協会大賞受賞
2002年、『武揚伝』で第21回新田次郎文学賞受賞。
**********************************
2006.04.28 Friday 00:00 | | comments(0) | trackbacks(0)
V.A.『アングラの詩的な進化論VOL.2 闇面』

アングラの詩的な進化論VOL.2の「闇面」。
http://sound.jp/j-st_beat/

このアルバムは何を置いてもJen.kだ。
フロウ、声質、トラックは素晴らしいものがある。
これで中学生だというのだから、もう今の子はすごいなって気分になる。
M2のマイクリレーでもJen.kの声が一番耳に入ってくる。
これが才能なんだろうな。

M01:DJ TRIK「イントロ」2"01
    イントロのMCはこんなもんでいいと思う。

M02:JSB結社 feat.影予言者、VEDA、MC山根、Jen.k、リーダー、KATAGI
    「七人の革命家(スエ Mix)[demo version]」7"29
    VEDA、Jen.k、リーダー、KATAGIと奇をてらうようなフロウの人たちではないので、
    安心してリリックを聴ける。

M03:TOP SHELF「Snake Spit」2"26
    まだまだ。自分から声をつぶす必要はないのに。

M04:TATSUKI「Regrets(INST)」4"12
    "世界的に"活躍している人のようだが、もう少し歌心、踊り心が欲しい。

M05:GROG「HIPHOPオシャレ泥棒」4"37
    『VOL.1』収録の「Stereo Future & Trouble Funk」のぶっとい音は良かったけど、
    この曲はリリックともに弱い。

M06:G.D.F. Crew「My City」3"19
    富山のグループとのこと。ギャングスタっぽいのは苦手なので、気に入るところなし。
    どこが面白いのか分からず。

M07:刃頭「ユスキュダル(INST)」2"30
    和なビート。これにラップが載っけられたのを聴いてみたい。

M08:影予言者 feat.少年B「突然発言[demo version]」5"01
    意味がないものにも価値があるとすれば、この少年Bのリリックにも
    価値があるのかもしれない。ギリギリのところで念仏ではなく、フロウになっている。

M09:Jen.k「Legend of Jen.k」3"57
    この曲と出会えたことで、このアルバムには意味があった。
    DJ TRIKに感謝。
    "始まり、始まり"からゾクッとくる。
    "豊中(?)のドン、ホーミー調子どう?"って最高。
    ただ書き写しても面白くもなんともない。
    けど、このフレーズは頭の中をループさせる力がある。
    "勉強なんかぜんぜんしてへんし"とあるが、この時点で中学3年生。リリックは幼いし、
    アホな内容なのがもったいない。これだけ人の耳に届くオリジナルな声質があるなら、
    もっと意味のあることをラップしていけばいい。
    間違ってもDABOの方に行ってはいけないと思う。
    フックの歌のところ、ピアノとのマッチングなど本当にすごいと思う。
    フロウは完成されている。あとは社会科、国語、数学とたくさん勉強してくれ。
    新聞も読んで、小説も読んで、どんどん吸収していけばすごいラッパーになれると思う。   

M10:Bigg Elias feat.Bass the Mommy「Don't Cry」4"47
    これも悪くない。というよりも聴き入ってしまう落ち着きのあるフロウはうまい。

M11:BEATMASTER「昨日見た夢(スエ Remix)」4"27
    押韻のための言葉の選択にセンスが感じられない。
   
M12:DJケイ「Life Style(INST)」2"26
    取り立てて惹かれるものはない。

M13:Ice Bahn「 Okay」4"46
    各所で絶賛されているグループなので期待して聴いたが、がっかり。
    この程度ならたくさんいると思うが。予測できてしまう音と言葉がつまらない。

M14:KO-1「雨を待ってる」5"31
    他の曲も聴いてみたい。ラストが面白い。

M15:DJ TRIK「アウトロ〜血」3"08
    おしまい。今回も楽しめました。無料で奉仕ありがとうございます。
2006.04.28 Friday 00:00 | 音楽 | comments(2) | trackbacks(0)
SMRYTRPS『ことばのおんがく』

2004年9月9日リリースのセカンドアルバム。

これは傑作だ。
14曲中8曲がTakatsukiによるトラック。
どれもいい。
どれもラップ曲で、つまらないインストがないのもいい。
ファーストと違い、よりメンバーの結束が強まった感じがする。
トラック、フロウの個性、リリックどれをとっても最高。
安いのも素晴らしい。捨て曲なしで1500円。

特にM1、4、7、10、12がいい。


【追記】2008.05.19
上にも記しているように傑作アルバムである。最高のマイクリレーが聴けるアルバムでもある。

M1「ラテンサムライ」に始まり、シングル曲のM3「キープ! コンディション」、Semmyが珍しくフックを担当するM5「ツイテオイデ」、細かく繋いだ後で、今度は反対にひとりひとりが長いヴァースで魅了するM7「ベネズエラへの亡命」、M10「ドロボーMCeez」、ついつい口ずさみたくなるフックが魅力のM13「Wassup Yo! Everybody?」といった具合にTakatsuki、Y.O.G.、メテオ、セミー、ZOE、ZOMの6MCがマイクリレーする曲が満載だ。

上に挙げた6曲の内4曲までがタカツキによる、派手めだけど、かっこいいトラック。メテオの悪球フロウをも優しく包み込む包容力のあるトラックは、実にしなやかで強靱なビートを鳴らし、聴き手をワクワクさせる。バランス感覚が絶妙だと思う。

それに乗る6人もファーストの頃より一層個性が出てきて、特にライム化学者セミーと、きっちり韻を踏み込み、ビートにぴったりと寄り添うフロウがすばらしいゾエのラップはタカツキと肩を並べる。メテオの破天荒ぶりも磨きがかかっている。次作で化けるY.O.G.も艶のあるラップが時々見え隠れする。ゾムの温もりのあるフロウは「フウライボウ」のSMRYTRPS版のM8「去来客人」で発揮されているし、M11「コズミック・ラテ」やM13ではフックを担当し、自身がトラックも製作したM13の"携帯なんか捨てちまいな"は強力パンチラインだ。

今作から加わったDJのカトウケイタも2曲でトラックを提供。私はカトウケイタがSMRYTRPSを失速させた要因のひとつと思っているのだけど、それでもここでの2曲──タイト且つジャジーなM2「漢書フロウ」と、タイトル通り黒いトラックが素敵なM12「リターンオブブラックネス」はかっこいい。

いやぁ、何度聴いても楽しい一枚だ。古典落語の「犬の目」(サンプリングされているのは桂米朝なのかな?)を題材にしたラップなのに、メテオだけひとり麻雀ネタでラップしたり、突然イルリメが顔を出したり、どこを切り取っても愉快で楽しめる。ポップさとかっこよさが同居した奇跡的な作品だと思う。
2006.04.27 Thursday 00:00 | 音楽 | comments(2) | trackbacks(0)
SMRYTRPS『サムライトループス』

2002年4月26日リリースのファーストアルバム。

Takatsukiのファーストアルバム『hiphop music』で集まったメンツで構成されたグループ。
タカツキ、Y.O.G.、メテオ、Semmy、ZOM、ZOEの6MCとDJ Nabeの1DJ。

それぞれのソロ曲がほぼ1曲ずつ収録されているためか、統一感のないアルバムだが、
それでも6人が揃った2曲で聴けるマイクリレーはさすがにかっこいい。

タカツキのセカンドにも収録の「細胞のjazz」のゾムとY.O.G.参加バージョンも結構いい。

ただ、メテオの確信犯的に下品なリリックが苦手だ。


【追記】2008.05.19
上の文章を書いたのが2年前。「SMRYTRPS」が「Samurai Troops」と表記されるようになってからの音の変わりよう、音の劣化を思うにつけ、この盤がだんだん魅力的に思えてくる。前言を翻すことに全く苦痛を覚えない人間なので、追記という形で上記とは真逆のことを書こうと思う。

1曲目の「intro」。メテオがハイテンションでメンバーを紹介し、Y.O.G.がビートボックス、タカツキが口スクラッチを披露する。メテオが抜けた今となっては、時間よ、あの頃に戻れ! と思ってしまうような初期衝動に満ちた声の輝きは最高すぎる。そうなんだよなぁ、ソロ作のリミックスなども混ざっているからどうしても寄せ集め的なアルバムに感じてしまうのだけど、確かに1作目らしく初期衝動が詰まっていて、その勢いがいいのだと今さらのように気づく。

M2「S.O.U.L.」、M6「Bring it on / Bring it out」、M12「on a スカル tip」で聴けるSemmyとZOEの切れ味は格別だ。韻の踏み方といい、ビートの乗り方といい、とても高いレベルにいる。タカツキの完成度は簡単に分かるし、メテオはその荒削りさで強引に耳を奪っていくけれど、耳に気持ちのいいフロウをしているのは、セミーとゾエのふたりだった。

だから、ZOMとのサイフォンコード名義で収録されているM10「ポップ・ミュージック」も、このグループの作品は数曲しか聴いていないけれど、これが一番完成度が高いと思う。

M4「細胞のジャズ」がゾムとY.O.G.ではなく、ゾエとセミーを交えてパフォーマンスされたらもっと良くなっていたのではと思ってしまう。

先に書いた初期衝動が表れた曲という意味では、メテオが光りまくったM14「カイドウ (take 02)」がなんとも言えない魅力を放つ。2ヴァース目のタカツキが、"チャック全開!"とメテオに合わせたラップをしていて、珍しく下世話ネタ全開だ。こんなラップはもう聴けないのだろうな。

いびつだからこそ、惹かれる作品。時間が流れるほど音に無駄が省かれていき、完成されていくものだけど、SMRYTRPSを好きになったのはその無駄を大事にした、ある種のモラトリアムさを感じたからであり、このファーストアルバムにはそれがパンパンに詰まっている。


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2002.04.26 1st AL『サムライトループス』
2003.11.27 1st SG『Keep Condition EP』
2004.09.09 2nd ALことばのおんがく
2004.??.??  Semmy脱退。    
2005.06.22 live AL『SMLIVE
2005.08.10 3rd ALパレット
2006.10.11 2nd SG『BEATNIKS』(TSUTAYA only)
2006.10.25 4th ALBEATNIKS
2007.04.25 3rd SG『Universe
2007.06.??  カトウケイタ脱退。
2007.08.18 吉祥寺Star Pine's Cafeでのライブで事件発生。
2007.08.19 タカツキ、nrecordsのブログで怒りを爆発。
2007.09.22 ラストライブ@O-nest(ここでSemmy復活)
2007.12.17 メテオ脱退。
2008.05.21 4th SG『Re:El Carnaval
2008.07.23 5th SG『Fun! Fun! Fun!
2009.02.25 6th SG『Sa Yo Na Ra ~また、めぐり会えるから~
2009.07.26 mixCD『MIX TAPE WORD IS BROWN pt.2
2009.11.04 7th SG『ダイアリー ~愛を誓う日~』(配信限定)
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2006.04.26 Wednesday 00:00 | 音楽 | comments(0) | trackbacks(1)
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今日も愚痴り中