東京大学五月祭で行われた「KOMAMORPHOSE」に行く。
午前中の志人も出席したトークセッションには間に合わず、降神のライブのみ。
赤門から100メートルほど入った右手の小さな小さなステージ。
3時頃からスタートし、1時間ほどのライブだった。
お馴染みのDJ SHUNのスクラッチ妙技を堪能し、志人がサングラス姿でお出まし。
新曲を披露。お得意の歌メロありのフリースタイルをしつつ、
「私小説家と黒カラス」のカラスの鳴き声を始める。
そこに、なのるなもないの声が合わさり、狭いステージに2人が揃う。
ここまでは、悪くない。
というよりも、志人のテンションは高く、いいライブになる予感があった。
しかし、なのるなもないのヴァースで、何故かスピーカーから音が出ない。
なのるなもないのマイクが不調だったのだろう。
気づかずか、或いは気にしないでか、なのるなもないはラップを続けるが、
近くで聞いていてもまったく聞き取れない。
機材のトラブルだろうし、非難の声は上がらず、じっと見守る雰囲気だった。
次は、「一生に一度愛した人」の"らん、ららん"で始まる「暗殺者の恋」
なのるなもないのマイクはこの辺りから聞こえるようになる。
が、DJ SHUNが違う曲を回したり、音のバランスが狂ったりと、小さなトラブルは続く。
苦笑いしながら、志人は強引に続ける。
終わり辺りのリリック、"青い空のそばに、たまに光る雲が・・・"のような空模様で、
志人はあのどこかクスリをやっているのか、夢見がちなのか分からない瞳で、
空を指さしていた。
「我が妻へ」と呼びかけるフリースタイルのような、ネタのようなMC。
いつもより青い感じ。
なのるなもないのソロ。
「夢幻」
"小さな革命"についてのMC。
自分の愛する人と添い遂げること、それこそが小さいけれども、革命だと。
小鳥の鳴き声のSEで、「sun de shine」(?)
再び志人のMC。
しかし、見るたびに思うことだが、これはヒップホップなのか。
ジャンルが分からなくなる。
まあ、そんなものは売る側の問題であって、聴き手には良ければいいのだけど。
コアなスタイルこそがヒップホップだと思っている人には、
あり得ないアートフォームなのだろうな。
そして、「shermanship」
この曲は本当にいい。
なのるなもないが例えいなくなっても、この曲は残るだろう。
そんな曲だと思う。
前回は見たときは、なのるなもないの志人への目線が気になったが、
今回はこの曲をやっているときの、志人のなのるなもないへの心持ち微笑んで見守る、
どこか暖かい視線が、なんか、この2人・・・という、おかしな想像をさせる。
まあ、強固なパートナーシップということなんだろう。
「夢を捨てなければ、いつか叶うさ」といういつも以上に青い志人のMCをはさみ、
「帰り道」
しかし、なのるなもないのソロアルバムに収録されている同曲は、
ライブで聴けるすばらしくいい雰囲気をまったく感じさせないのはどうしてだろう。
もったいない。
志人によるMC。
「ひとはあの時代のあの瞬間が良かったと言うけれど、
この時代のこの瞬間こそが素晴らしいのだ。」
とか何とか、例のテンションで盛り上げる。
そして、「ありがとうにさようなら」
これも素晴らしい。
志人、なのるなもないのMC。
なのるなもないの声質は本当にいい。
とても暖かく、伝わってくる。
「LIFE」から風船の辺りのパートをみんなに歌わせて、終わり。
出だしで機材の不調があり、つまずきはあったが、
それでも、後半はかなりのがんばっていた。
勇気をもらうとかそんなライブではないし、そんなのは求めていないが、
才能のある人たちを見るのは楽しいし、やっぱり何かしらをもらった気がする。
ありがとう。
【追記】2006.10.07
1曲目の志人がやったのは新曲ではなく、「アヤワスカ」という曲らしい。
12インチEPでしかでていないので、わからず。
YouTubeでアップされているので、知った。