すばらしくてNICE CHOICE

暇な時に、
本・音楽・漫画・映画の
勝手な感想を書いていきます。
02 / 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

2021.02.10 Wednesday | - | - | -
池永陽『走るジイサン』

読了。
☆☆/5点中

第11回小説すばる新人賞受賞作。

******************************
近所の仲間と茶飲み話をするだけの平凡な老後をおくっていた作次。
だが、突然現れ、頭の上に鎮座まします猿との奇妙な「共同生活」が始まる。
そのきっかけは、同居する嫁にほのかな恋情を抱いたことだった……。
******************************

年寄りだって、恋もするし、セックスもするし、悩むし、落ち込むし、
怒るし、悲しむし、若者同様、生きているのだ! というのが伝わってくる作品。

つまらなくはないし、解説にもあるように、
「人間の本質を描いている物語」なのかもしれない。
けれどイマイチ楽しめないのは、老人が主人公だからか。
それとも作品をより面白くするはずの猿がほとんど活躍しないからか。
2007.02.28 Wednesday 00:00 | | comments(0) | trackbacks(0)
誉田龍一「馬鹿囃子」

読了。
☆☆/3点中

「小説推理」4月号掲載。

第28回小説推理新人賞を受賞した「消えずの行灯」の続きで、「七不思議シリーズ」第3弾。
行灯提灯に続くのは、聞こえるはずのない遠くの音が聞こえるという「馬鹿囃子」。

まあ突飛だけど、それはそれで楽しんだ。
最後の恒例のオチも、うん、面白いと思うようになった。
2007.02.27 Tuesday 00:00 | | comments(0) | trackbacks(0)
誉田哲也「闇一重」第1回

読了。
☆☆/3点中

「小説推理」4月号掲載。

********************************
東京都小金井警察署新小金井交番に勤める39歳の、いわゆる町のお巡りさんが、
直面した事件には、闇があった。
********************************

誉田哲也の新連載。
これは面白そう。
暴力団構成員がアパートの一室で撃ち殺され、犯人が逮捕され、
自供もしているけれど、しかし、実は……
、と謎が深まる感じがいい。
2007.02.27 Tuesday 00:00 | | comments(0) | trackbacks(0)
浅田次郎『歩兵の本領』

読了。
☆☆☆/5点中

********************************
世界一奇妙な軍隊・自衛隊。
世間が高度成長で浮かれている時代に、志願して自衛官になった若者たちがいた。
著者自らの体験を綴る涙と笑いの青春グラフィティ。
********************************

自衛隊、それも戦争が終わってまだ25年ぐらいしか過ぎていないので、
旧陸軍の軍人も残っていた頃の話。

共感のできない話が多いけれど、よく分からずに入隊してしまった、大学受験失敗組の話は、
悲しさ倍増で読めた。

どんなに言いつくろっても所詮軍隊でしかなく、その団体行動優先の考え方は、
恐ろしいばかり。
解説で五條瑛氏が、現在の自衛隊はもう少し過ごしやすいと書いているけれど、
基本的な体質は変わらないんだろうなと思う。


******************************
浅田次郎(あさだ じろう)
1951年、東京都生まれ。駒場東邦中学校、中央大学杉並高等学校卒。
1995年、『地下鉄に乗って』で第16回吉川英治文学新人賞受賞。
1997年、『鉄道員』で第117回直木賞受賞。
              第16回日本冒険小説協会大賞特別賞受賞。
2000年、『壬生義士伝』で第13回柴田錬三郎賞受賞。
2006年、『お腹召しませ』で第1回中央公論文芸賞受賞。
                 第10回司馬遼太郎賞受賞。
******************************
2007.02.27 Tuesday 00:00 | | comments(0) | trackbacks(0)
野中柊「プリズム」第4回

読了。
☆☆/3点中

「小説新潮」3月号掲載。

**************************
自分の親友・高槻との不倫を気付いたかのような夫・幸正の言動。
波子はもう会わないことに決めたが……。
**************************

少しグダグダし始めるが、波子の心の揺れと、
夫・幸正の微妙な心理が胸に迫る。
波子を裸にさせる場面とか、何とも言えない悲しさがある。
2007.02.26 Monday 00:00 | | comments(0) | trackbacks(0)
高野秀行「怪魚ウモッカ格闘記」第8回

読了。
☆/3点中

「小説すばる」3月号掲載。

日本のアンネ・フランクと化した高野秀行が映画を見まくり、
パスポートの名義変更のために離婚を決意したり、偽装婚を画策したりで、
年が明けてしまう。

遅々として進まない。
2007.02.26 Monday 00:00 | | comments(0) | trackbacks(0)
日向蓬「サポートさん」

読了。
☆☆/3点中

「小説すばる」3月号掲載。

*******************************
"サポートさん"として、パソコンの訪問サポートをする部署に所属している主人公。
ノルマに追われ、残業してもサービス残業。
自宅に帰ってもマチ金から借りてまでパチンコに興じる母と身体障害者の妹。
*******************************

気持ちがすぐにマイナス思考スパイラルに陥りそうになるほどの、閉塞感漂う短編。
ラスト手前の闇を一瞬覗くあたりが特にいいけれど、
読んでいて楽しくないのはいかんともしがたい。
2007.02.26 Monday 00:00 | | comments(0) | trackbacks(0)
津村記久子「炎上学級会」

読了。
☆☆/3点中

「小説すばる」3月号掲載。

*******************************
小学5年生のシゲオのクラスでは、なかなか決まらない文化祭の出し物について、
夏休み中に話し合うために、ネット上の掲示板を開設したのだが……。
*******************************

問題化してきているネットいじめについて正面から扱っている短編。
リアル社会だろうとネット社会だろうと、一方的にひどく言われれば傷つくわけで、
知っている人が書き込む閉鎖的なクラスの掲示板に、匿名で悪意を込めて書いたら、
炎上するのは自明の理だ。

現代っ子は小さい頃から、こういう修羅場をくぐり抜けて、
頑丈な心を持った人間に育っていくのだろうか。
よく知らないけれど。

対策としては夢を持って生きていけば、つらくても頑張れるという、
至極まっとうな話になっている。
2007.02.26 Monday 00:00 | | comments(0) | trackbacks(0)
宮木あや子「春眠」

読了。
☆☆/3点中

「小説すばる」3月号掲載。

**********************************
高校の保健室の先生をする28歳の主人公。8歳年上の数学の先生と付き合っていた。
時々保健室に遊びに来る高2の男子生徒。自傷行為を繰り返す女子高生。
やがて暴かれるいく悲しみ。
**********************************

遊郭以外のものを初めて読む。
現代物。
伏線の張り方とか良かったけれど、少し雰囲気に流される傾向にあって、
それが持ち味なのかもしれないけれど、
読み終えた後に、ピンとくるものがないのが残念。
2007.02.26 Monday 00:00 | | comments(0) | trackbacks(0)
ヴァシィ章絵「暗闇坂」

読了。
☆/3点中

「小説すばる」3月号掲載。

*************************
海外ボランティア派遣プログラムの試験会場で出会った男と女。
*************************

同い年で、趣味も同じ旅行。
ふたりは食事にも行くし、一緒に温泉旅行にも行くけれど、
付き合うわけでもなく、ラスト麻布十番あたりの暗くて急な坂道を歩く。
「暗闇坂」。
普通の行き場のない男女の小説。
いつものハイパーなテンションがないとつまらない。
2007.02.26 Monday 00:00 | | comments(0) | trackbacks(0)
Profile
Search This Site
Category
New Entries
Comment


Archives

今日も愚痴り中