2007年6月23日リリースの6月号。
小雑誌が付き再スタートが図られた月刊ラップ。
どんな形態になるのか想像もできなかったが、蓋を開けてみれば、
DVDに使われることが多いプラスティック・ケースに、32ページの小冊子付き。
全ページ、カラーというのは立派だ。
で、CD、小冊子の中身はというと、非常に微妙。
どっちつかずになってしまった感がある。
特にCDの方は8曲と少ないのは残念だ。
しかも録り下ろしは4曲だけ。
KEN THE 390やはなびはいつも通り。
アルバムの宣伝でしかないし。
ダースレイダーの新曲はやっつけっぽい。時間がなかったのか。
太華の「Special beat box」は単調な人力ビートボックスを1分半続ける曲で、
小冊子のインタビューの語りの方が面白かった。
ガッツキマン率いるT-city boyzは、"忘れ去られた街"を打ち出していくなら、
それなりの独自の音を出していかないと、それこそ本当に忘れられるだけだと思う。
リリックは聴きやすい(中身は趣味ではないけれど)し、音も分かりやすいけれど、
他と違うというのがない。
この1曲しか聴いたことがない者がいうのもなんだけど。
ダースレイダーのブログでちょくちょくその活躍を読んで気になっていた磯友。
う〜ん。
フリースタイルを音源にされてもなぁ。
フリースタイルはあの場でやるから評価されるのであって、
レコーディングされても少しも面白味がない。
作品として出すにはリリックを練らないと駄目だろう。
曲の中で面白いのが、レコーディングで少しエフェクトをかけたフックだけ。
でも、このフックが今月号で一番印象に残ったのは確か。
ダースレイダー、コマメ、チャカパーンが参加したDMRの「ドアドア」。
チャカパーンのフロウがいいなぁ。
さて、小冊子。
後半、字が小さく、だんだん学級新聞を読んでいる気分になる。
だけど、KEN THE 390のインタビューは面白かった。
特に志人との昔話。"あの頃の話"だけをふたりでやってほしい。
ぜひ聴きたい。
どんなテープを出していたのかも気になる。
それと、最後のひと言。
"ヒップホップはやっぱりすごいバカだと思われてるし"
こういう現状認識がしっかりできている人であるなら、もっと深いラップを聴きたいな。
期待します。
ライムスターの武道館ライブはまったく興味なかったけれど、
インタービュアのダースレイダーの語りが熱く、行かなかったことを後悔してしまったほど。
DVDで出るなら、コメンタリー機能でダースレイダーとライムスターの解説があったら、
見てみたいな。
DJ Kazz-Kが書いたリブロ『胎動』のレビューも良かった。
1ページ丸々使って、数枚分書かれたものを読みたいと思った。
以前あったコーナー「月刊FRESH」がなくなってしまったし、
このまま買い続ける魅力が薄れているのは事実だけど、
まだまだ再始動し始めたばかりだ。
もう少し様子を見ようと思う。
全8曲:24分31秒
1.KEN THE 390「Touch The Sky」
2.はなび「マグロ」
3.DARTHREIDER「Xtra xtra」
4.太華「Special beat box」
5.CMタイム!!
6.T-city boyz「T-City Boooyz!」
7.磯友「五体満足」
8.DMR「ドアドア」