すばらしくてNICE CHOICE

暇な時に、
本・音楽・漫画・映画の
勝手な感想を書いていきます。
10 / 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

2021.02.10 Wednesday | - | - | -
Jazzy Sport Top Team『Pound for Pound 2』

2008年7月23日リリースのコンピレーションアルバム。

GAGLEやダメレコを抜けたCOMA-CHIに、cro-magnonらを擁するJazzy Sportのアーティストを中心とするコンピ盤で、部外者としてはJazztronikやガグルのサードアルバムにも参加していたSuper Smoky Soulらが名前を連ねている。

きれいでメロウなだけではない、骨太なビートがあるという意味で真に上質なジャジーヒップホップから、ニューソウル、クラブよりのダンスミュージック、フュージョンぽいのまで「良い」音が詰まった作品になっている。ただ、これは私があまのじゃくだからかもしれないが、それぞれの音があまりに優等生で面白味に欠けるきらいがある。ラップ曲とインストとのバランスもいいし、破綻がないがゆえにいいアルバムだね、これは、で終わってしまう。

先程のSuper Smoky Soul同様、ガグルの同じアルバムにトラックを提供していたBudamunkyによるM1「Wednesday」はTa'raachとBlu、つまりC.R.C.Sが参加しているわけでテンションも上がるのだけど、まあ無難なジャジーヒップホップな仕上がり。Budamunky名義ならばこれよりもコマチとLaidlawという向こうの人が組んだM9「Some Believe」が良かった。最小限の音とビートで構成されたトラックの上で、コマチがややファーストの頃に戻ったようなロウなラップを披露する。諸手を挙げての賞賛はできないけれど、ここ一連の客演活動でのラップよりはずっといい。コマチはM18「Flower」のcro-magnonの曲にも参加している。

期待のガグルの新作は2曲目で聴ける。skidaroundというシンガーが客演している「NoMore」はまるでF.O.H.と組んだかのようなコーラスを味わえる1曲で、若干の戸惑いを覚える。こういう曲調って初めてでは。

そのガグルからHUNGERがソロでも1曲やっている。M8「Choice」はレコードとセラート、あなたならどっちを選ぶと迫るリリックで、セラートってなんぞやと思って調べたら、「Serato Scratch Live」のことなのね。"PCに保存した音楽ファイルでDJプレイが行えるDJソフト"。まあどちらを使うにせよ大事なのはセンスだとは思うけど。ガグル名義のM2よりもこっちの方が好き。

注目に値するのは2曲だけ。ガグルのセカンドアルバムにも参加していた女性シンガーMahyaが歌うM5「Ichiaku no Suna」がかなり良かった。ACOに似た声質の持ち主で、雰囲気もあるし、これから楽しみ。甘いのが彼女の歌声だけというプロダクションもいい。

ラッパーではraythoughtという新鋭のM11「RTR」が良かった。ビートへの言葉の乗せ方が独特で、今回はベースラインとビートにシンプルな上音というジャジー路線だったけれど、例えば韻シストのようなトラックの上で、どのように跳ねるのか聴いてみたいと思った。


インスト曲はどれもセンスがいいし、先にも書いたように全体の構成もしっかりしているので飽きはこないアルバムにはなっている。
2008.10.31 Friday 23:59 | 音楽 | comments(1) | trackbacks(0)
S1『STRANGE FRUIT PROJECT PRESENTS S1: THE MUSIC BOX』

2004年テキサス州はウェイコから出てきた、プロデューサー兼ラッパーのSymbolyc OneことS1と、彼のいとこでもあるラッパーのMythに、もうひとりのラッパーMyoneを加えた3人組のStrange Fruit Project。そのS1主導による作品が本作。

Strange Fruit Projectの評判は聞くものの、聴いたことがないので比較はできないけれど、この盤に限っていえば安易にジャジーでくくることができないほど、S1の音楽への豊かな素養が感じられる作品になっている。

ただ、コレという曲がないのも確かなんだけど、気づくとツルッと聴き終えているわけで、やっぱすごいのかも。中盤から後半にかけての追い込みは目を見張るものがある。

カリフォルニアの女性ボーカリストYolanda Johnsonが妖艶な歌声を響かせるM7「Chemistry」、Little BrotherのPhonteが気持ち良さそうに歌うM8「Callin'」、ソウルフルなボーカルの中で個性的なマイクリレーが楽しめるM9「Know Your Name」、今度はきれいな旋律のピアノの上でのマイクリレー曲M10「Who Stole The Music」、DV Alias Khrystをフィーチャーした、短いながらも男臭い低音ラップを堪能できるM11「Be Sure」、当然自分のグループでも1曲といった具合のM12「Jimmy Swag」、止めはラストのM14「Tire」。Darien Brockingtonが歌うネオソウル寄りのR&B。たまらんね、この人の歌声は。前後するけれど、懐かしのSpeechが参加しているM1「Intro / Music Box」も前のめりなビートにアグレッシブなヴァイオリンが加わった活きのいいトラックだ。もちろんスピーチも変わらずに耳に馴染むラップを聴かせてくれる。

気に入った曲を書き始めてみたら、収録曲の半数以上を挙げてしまったわけで、文句なしに良盤なんだろうなぁ。アルバムの構成は無論のこと、1曲の中でも緩急のつけ方がうまく、またラッパーも個性的な人が多くて、その点でも楽しめた。


上に挙げた以外の参加アーティストは、QuannumからのLifesavasや、Little BrotherのRapper Big Pooh、東海岸からは女性ラッパーRah Diggaに、どこにでも顔を出すSkyzoo、Headkrack、若手グループのTanya Morgan、西海岸はSupastitionら、同郷からもワラワラ感のあるマイクリレーを披露したAEONZやらMojoe等々。地域や世代の偏りがないのもいい効果を生んでいる。
2008.10.30 Thursday 23:59 | 音楽 | comments(0) | trackbacks(0)
西加奈子『きいろいゾウ』

読了。
☆☆☆☆/5点中

************************************
夫の名は武辜歩で、その妻が妻利愛子。互いを"ムコさん"、"ツマ"と呼び合う都会の若夫婦が、ど田舎にやってきて・・・。
************************************

帯に"ちっぽけな夫婦の大きな愛の物語"とあるけれど、ホントそんな感じ。描かれるふたりの愛情に嫌みがないのがいい。これは良い物語。

まずツマの視点から1日を描き、その次に"ムコさん"の日記でその同じ日を別の角度から見るという章の構成になっているので、ふたりの感じ方の違いや愛情の深さが感じられ、面白く読めた。日記がいかにも作家("ムコさん"は売れない作家さん)といった印象なのもグー。

途中から村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』が思い出されてきて、でも話が似ているとかそういうことではなく、何だろう、主人公のイマジネーションの歪み具合なのかな。だからか戦時中に村が見舞われた悲劇が関係するクライマックスはさもありなんと思いながら読んだ。『ねじまき鳥クロニクル』も唐突にノモンハンに飛ぶからね。

ふたりの周りの登場人物も味のある人たちが多く、じんわりとなる話でとてもいい。
2008.10.30 Thursday 23:59 | | comments(0) | trackbacks(0)
COPPU『Story teller』

2008年10月8日リリースのファーストアルバム。

本作を取り上げているブログはまだまだ少ないものの、好意的に聴かれている印象の、EI-ONEのレーベルからデビューした24歳のラッパー・COPPU。

女性ラッパーとしてはこれまでいなかったタイプで、物珍しさは確かにある。ジャケットを見てもきれいなお嬢さんが映っているわけで、そんな女の子(とはいえ24歳)がラップを嗜むというのだから、まあうまいうまいと誉めるのが礼儀というものか。


どうも勝手が違ってうまく書けないのだけど、そこまで誉めるほどのラップかと思ったのも事実。もしラップというものが、いかつい兄ちゃんによる自分の不幸な生い立ちやら悪さやらを語るだけのものならば、そこに魅力はほとんどないわけだ。だからフツーの人がラップという手段を使ってもっと自己表現していくのはいいことだと思う。

ただ、そのためには何をラップしたいのか、そしてそのためのスキルを磨くことはすごく重要で、彼女はまだまだ世界観が狭く、しかも拙いフロウでそれを伝えるものだから、32分と収録時間が短いにもかかわらず飽きてくる。歌詞カードを見る必要もないぐらいに言葉をはっきりと聴かせることはできるのだけど、内容そのものがスッと頭に入ってこないのも残念な点だ。


でも、これが初めての作品なんだよね。最近は最初からうまいラッパーが多いので、そういう耳で聴いてしまうけれど、最初からこれぐらいできればいいのか。これからライブをたくさんこなして喉を鍛えて、さらにはクラブでの出来事だけではなくもっと広く外のことにも目を向けたリリックが増えていけば面白くなるのかもしれない。どこにでもいるフツーの女の子がよくあるタイプのフツーのリリックをラップしているだけで、そのギャップだけが個性というのもつまらないだろうし。

トラックについては知らない名前が並んでいるのだけど、思わず誰が作っているのだと確認してしまったのは、ギターの音色がかっこいいM5「Wake up! ~Blues in the dark2~」だけ。asa製だった。ひとりだけプロの音を出している。

それはそうと、先日のレイト同様に、彼女のフロウを聴いていて、神門を思い出した。いわゆるBボーイ然としていないスタイルは同じだし、フロウも似通ってくるものなのか。
2008.10.29 Wednesday 23:59 | 音楽 | comments(2) | trackbacks(0)
MURS & 9th Wonder『SWEET LORD』

2008年7月23日アップの無料ダウンロードアルバム。
(http://www.mursand9thwonder.com/download.html)

西海岸のグループ・Living Legendsの一員であるMURSとコマネズミのごとく働きまくっている9th Wonderとのコラボシリーズの2年ぶりになる第3弾。今回はマースの9月末に出たソロアルバム『Murs for President』を買うと約束してくれるなら"プレゼント"してもいいよという太っ腹企画。

過去2作はあまりピンとこなくて、この組み合わせは良くないのではと思っていたほどなんだけど、今作はただなのにすばらしい。1曲目からナインスワンダーのソウルフルなループが炸裂して、頬も自然とゆるんでくる。

前作、前々作とやっぱりナインスワンダーが不調だったんだな。華やかなループなんだけど、キレが足りず、冗長な印象だった。それがなんだ今作は、M7「It's For Real」やM9「Love The Way」は絶好調そのものだし、M2「Are You Ready?」やM6「PUSHHHHH」では重いビートでやたらと攻めているのがいい。特にM2の女性ボーカルが歌うメロディの甘美さときたらたまらない。

マースのラップはまあ普通で好きでも嫌いでもないのだけど、M3「Nina Ross」でのどこかコミカルに聞こえるラップは楽しい。"ハハハハハー"や"バーテンダバーテンダ"は一緒に口ずさんでしまう。それと忘れてはならないのはラップとトラックが一体になっているM4「Free」。いいねぇ。とても無料とは思えない充実度。

ナインスワンダーはすごいと改めて実感した作品。マースの新譜も忘れずに聴いてみよう。
2008.10.29 Wednesday 23:59 | 音楽 | comments(2) | trackbacks(0)
ZEEBRA『The Anthology』

2008年9月17日リリースの2枚目のベストアルバム。

3枚組で全49曲3時間39分というお腹いっぱいな作品。1988年17歳でラップを始めてから今年で20年という節目の年ということでキャリアを総括すべく、自身名義の作品だけではなく、客演として参加した楽曲をも収録。案の定Dragon Ashとの「Grateful Days」が収められおらず、片手落ちの感は否めない。

因縁の曲でもあるわけで妥当な判断だとは思うものの、ジブラにとってブレイクするきっかけになった最重要曲であり、ドリカムとのコラボを入れるぐらいなら何をおいても優先すべきだった。まあ昨年リリースされたドラゴンアッシュの2枚組ベストアルバムにも入っていなかったわけだけど。

日本語ラップをメジャーに押し上げることに人一倍意気込んできたラッパーではあるが、この懐の狭さこそが相変わらず日本でヒップホップが売れない大きな一因だ。ロック畑出身ながらも優れてスター性のある降谷建志という逸材がラップに興味を持ち、それまでチャートに顔を出していたようなポップなラップではなく、日本語ラップ村がラップとはこうあるべきと考えるハードなスタイルを取り入れ、売上という実績を示した。全体が浮上するきっかけだった。

が、村長さんはおらが村の出身でもなければ、人のスタイルの猿マネまでしやがってと追い出しにかかったため、寒村のまま現在に至っている。最近では人口が増えたものの耕地面積がいっこうに広がらず、食いっぱぐれる者が増加する一途だ。この8年ぐらい日本語ラップ村を観察しているが、アメリカのようにメインストリームに躍り出るにはあれが唯一のチャンスだったとしか思えない。

今もひょっとしたら2度目の浮上の時なのかもしれない。出稼ぎのために村を離れた童子-Tが頑張って成功を果たした。けれど多分それに乗っかるラッパーはいないだろう。D.O周辺が尻馬に乗っかりかき回すと面白くなりそうだけど。


日本語ラップへの功罪話はさておき、客演曲やキングギドラの曲もあることでジブラの歩みがはっきり表れている興味深い1枚ではある。折角なのでiTunesのプレイリスト機能を使い、リリース順に並べ替えてみた。キングギドラの『空からの力』で始まり、「証言」、「今すぐ欲しい」、ファーストアルバムといった順にだ。あくまで発表順であり、厳密な収録時期は不明なわけだけど。

Grateful Days」のブレイク直後にその恩恵に与る形で発表されたオムニバス『SHOCK TO THE FUTURE』収録の「Inner City Groove (Original Version)」ではキングギドラの頃やファースト辺りの柔らかいフロウをまだ堪能できる良曲だ。この頃のジブラはいい。ここまでの9曲のレートは全て3つ星を付けている。だけど、この後最後の「Jackin' 4 Beats」までほとんど2つ星が並んでしまう。

次の曲からラップが硬直していくのだ。チャンスを掴かみ、当たりがソフトなラップだけがヒップホップではないとばかりに1999年12月のシングル「SIVA 1999」、さらに翌年1月の「ZEUS 2000」でだみ声がより顕著になる。で、だっさい「MR. DYNAMITE」を3月にリードシングルとして出し、6月のセカンドアルバム『BASED ON A TRUE STORY』で今に至るラップスタイルの一応の完成をみる。

アメリカの主流のヒップホップ的価値観を日本人に分からせようという啓蒙的な作品であり、外国の文化やメンタリティをそのまま輸入しようと頑張る姿勢は評価できるものの、私には肌が合わず違和感しか覚えなかった。最初にジブラを聴いたのがこの時期なので、どうも彼のやることなすことに批判的になってしまう。

ただ、この時期でも良い曲はあって、「PLAYER'S DELIGHT (ZBR-5000mix)」やDJ HASEBE名義のシングル「MASTERMIND」はトラックだけは楽しめる。あ、「MASTERMIND」はMummy-Dのラップもいいけど。「PLAYER'S DELIGHT」では客演がTWIGYやDEV LARGEという生唾ものの豪華さなのだが、後の「The Three 16's (The Return)」同様3人とも普段の冴えが発揮されておらず、凡庸な出来に終わっている。

掘り出し物は、「The Untouchable」だ。今回初めて聴いたが、このフロウはかなり好物だ。もしかしたら以前にアナログで切られていたのかもしれないが、CDでの初出は2000年4月のオムニバス『NEXT LEVEL vol.1』になる。でもそのフロウからも録音時期はおそらく1998年とか1999年なんだろうなと思う。自分を尊大に見せることなく、巧みなライムを披露している。

やがてキングギドラが復活し、ヒップホップ勃興の機運に冷や水を浴びせた後は、今井了介と共にプロデュースユニット「FIRSTKLAS」を結成し、安室奈美恵をメインシンガーに招じたSUITE CHICでアルバムを発表。この経験から2003年、サードアルバム『TOKYO'S FINEST』を出すも、ポップに走ったと罵倒され、分かりやすくハード路線に戻っての4枚目が2006年の『The New Beginning』であり、その路線を進めつつ若手にも気を配ったのが昨年の『World Of Music』となるわけだが、総じて私には面白味が感じられない。

SUITE CHICの音はかなり好きだし、批判も多い『TOKYO'S FINEST』もファーストアルバムに次いで好きなアルバムではある。このアルバムが残念なのはプロダクションはいいのだけど、だみ声が曲調と全くといっていいほど合っていないことだ。発表当時のインタビューか何かで、クラブでほとんど日本語ラップがかけられない現状をなんとかしようと思ったと発言していたように記憶しているが、とてもではないがあのラップで踊ることは難しいだろうね。

そして、私のプレイリストの最後に来るのは、新曲であり、過去の名曲たちを冒涜する「Jackin' 4 Beats」だ。"蝶のように舞い"、"蜂のように刺す"といった軽やかさは皆無なうえ、原曲では表情豊かだったリリックを硬いだみ声ラップで蹂躙していく。聴くに堪えない。


ジブラへの好き嫌いは別にして一ラッパーとしての力量を認めることはやぶさかではないものの、彼が様々なメディアに露出し、果敢に挑戦してきた日本語ラップ村の地位向上という試みは失敗に終わっている。あの時の大きなチャンスを潰したことが全てであり、それにもかかわらず顔役のように振る舞う彼を見ていると、いつまでその地位にしがみつくつもりなのかと冷ややかな目を向けてしまうのも致し方ないだろう。

おらのラップが一番であり、でかい車に乗り、薄着の女性をはべらせ、高級な酒を飲み、YOYOといいながら両手を挙げて、さらには仲間に感謝を捧げつつ、昔話のひとつも感動的に語りというオーソドックスなヒップホップを体現する彼のスタイルにブレはないわけだけど、そのメンタリティがそもそも理解できない私は最初から聴かなければいいじゃんという話なんだろうね。


【Disc1】
1.真っ昼間//1st SG(1997.07.25)&1st AL『THE RHYME ANIMAL』(1998.06.17)
2.ORIGINAL RHYME ANIMAL//1st AL
3.未来への鍵 feat. Akeem Da Managoo//1st AL
4.Parteechecka (Bright Light Mix)//1st AL
5.ZEUS 2000 feat. Sugar Soul//4th SG(2000.01.26)
                     &best AL『THE FIRST STRUGGLE』(2002.05.29)
6.MR. DYNAMITE//5th SG(2000.03.23)&2nd AL『BASED ON A TRUE STORY』
                                             (2000.06.14)
7.PLAYER'S DELIGHT (ZBR-5000mix) feat. TWIGY & DEV LARGE//5th SG
8.The Untouchable//V.A『NEXT LEVEL vol. 1』(2000.04.27)
9.CHILDREN'S STORY//2nd AL
10.プラチナム・デート feat. Double//2nd AL
11.城南ハスラー//2nd AL
12.結婚の理想と現実//2nd AL
13.Neva Enuff feat. AKTION//6th SG(2001.01.25)&best AL
14.BABY GIRL//7th SG(2001.08.08)&best AL
<ボーナストラック>
15.Jackin' 4 Beats//新曲

【Disc2】
1.BIG BIG MONEY feat. HIRO//8th SG(2003.01.22)
                          &3rd AL『TOKYO'S FINEST』(2003.09.18)
2.SUPATECH (what's my name?)//9th SG(2003.04.23)&3rd AL
3.Perfect Queen//10th SG(2003.07.30)&3rd AL
4.Touch The Sky//3rd AL
5.burnitup feat. Fire Ball//3rd AL
6.GOLDEN MIC (REMIX) feat.KASHI DA HANDSOME, AI, 童子-T & 般若//3rd AL
7.Street Dreams//11th SG(2005.06.01)
8.Wildin'//11th SG           &4th AL『The New Beginning』(2006.02.15)
9.Oh Yeah//12th SG(2005.09.21)&4th AL
10.Escape feat. Full Of Harmoney//4th AL
11.Let's Get It Started feat. Swizz Beatz//4th AL
12.Do What U Gotta Do feat. AI, 安室奈美恵 & Mummy-D//4th AL
13.Top Of The World//13th(SG2006.08.23)
                           &5th AL『World Of Music』(2007.10.17)
14.Stop Playin' A Wall//14th(SG2006.12.06)&5th AL
15.My People feat. 加藤ミリヤ//15th SG(2007.07.18)&5th AL
16.Not Your Boyfriend feat. Jesse (Rize)//16th SG(2007.09.19)&5th AL
17.Shinin' Like A Diamond feat. Sphere Of Influence & May J.//5th AL
18.Last Song//5th AL
19.Bushido//17th SG(2008.03.05)

【Disc3】
1.証言 / LAMP EYE feat. RINO, YOU THE ROCK★, G.K.MARYAN, ZEEBRA,                        TWIGY, GAMA & DEV LARGE//SG(1996.11.25)
2.今すぐ欲しい feat. ZEEBRA / Sugar Soul//1st SG『Those Days』(1997.01.25)
3.SIVA 1999 feat. ZEEBRA / Sugar Soul//6th SG(1999.12.10)&2nd AL(2000)
4.Dancehall Checker (Long Mix) feat. PUSHIM,BOY-KEN,ZEEBRA,
     YOU THE ROCK★,TWIGY,Sugar Soul,Shiba-Yankee,DEV LARGE&RINO//
                             VA『Dancehall Checker』(1999.12.10)
5.CHANCE feat. ZEEBRA / UNITED NATIONS//
         VA『UNITED NATIONS ~PRODUCED BY DJ YUTAKA』(2000.01.13)
6.MASTERMIND feat. ZEEBRA & Mummy-D / DJ HASEBE//SG(2000.08.23)                                              &1st AL(2000)
7.24/7 -Club Mix feat. ZEEBRA- / DREAMS COME TRUE//28th SG(2000.11.22)
8.NO PAIN NO GAIN feat. MACCHO & ZEEBRA / DJ PMX//SG(2002.12.04)
9.GOOD LIFE feat. FIRSTKLAS / SUITE CHIC//1st SG(2002.12.18)                                                    &1st AL(2003)
10.Girlfriends feat. ZEEBRA / HI-D//1st SG(2003.07.02)&1st AL(2003)
11.World Is Yours feat. ZEEBRA / DABO//
     5th AL『Baby Mario World -DABO PRESENTS B.M.W. vol.1』(2007.02.21)
<ボーナストラック>
12.未確認飛行物体接近中 (急接近Mix) / キングギドラ//1st AL『空からの力』
13.行方不明 / キングギドラ//1st AL                     (1995.12.10)
14.911 (Original Version) / キングギドラ//2nd AL『最終兵器』(2002.10.17)
15.Inner City Groove (Original Version) / T.O.P. RRANKAZ//
                        V.A『SHOCK TO THE FUTURE』(1999.07.01)
2008.10.28 Tuesday 23:59 | 音楽 | comments(8) | trackbacks(0)
レイト『明日など来るな』

2008年10月18日リリースのファーストアルバム。

1ヶ月ほど前のタワレコニュースに、"ヒップホップ版「ヒミズ」!? 日本の〈今〉を切り裂く異形の天才児、レイトがデビュー"という文字が躍ったときから、ちょっと楽しみにしていた1枚。だってMC名の由来がトイレを逆さに読むことによるってあまりに香ばしすぎるだろう。タイトルも"明日など来るな"と全力で後ろ向きなうえに、ジャケットの幸薄げな顔。たまらない。

リリックはまさに『ヒミズ』的であり、稲中以降の古屋実の主人公たちのごとくどこにでもいそうな少年の不幸物語で埋め尽くされている。カツアゲにあい、パシリにされ、こそ泥の隣人がいたり、隣の席の美少女は授業中にこっそり鼻くそをほじり、死ぬ瞬間に好きだった"君"を思い出し、あるいは実の父親に殺された息子の視点で綴ってみたりと、期待以上の内容だ。

不幸自慢の形をとった武勇伝ではなく、この手の世相を切り取ったラップというのはほとんどないわけで面白い試みではある。ただそんな曲が13曲も続くといい加減食傷気味にもなる。具体的な人名──タケシだったり敦君やら浩史だったり──を始め、降りかかる不幸がよりはっきりしているのはとてもヒップホップ的なのかもしれないが、M4「海の底」のようなやや詩情溢れるリリックがもう少しあっても面白かった。

また、辛いと感じる現実描写とそれへの感情の発露があまりに安直で、分かりやすいといえば確かにその通りではあるけれど、聴き手を曲の世界に引き込むほどのインパクトにかけることも事実だ。例えばShing02の「少年ナイフ」は最後のラインで鳥肌が立つほどの恐怖を覚えるわけで、そういったこちらに食い込んでくる迫力がもっと欲しかった。そういう意味では、母親に稼がせ、長期間失職中の父親についてラップしたM2「言いづらいこと」での"父さんはいつも威張っているけど、甘えてる、自分の弱さにも強さにも。僕は父さんが本当は誰よりも強いって知ってるよ"のところは良かった。

でもまあどれもこれも似たり寄ったりの凡百ラッパーよりはずっと面白いリリックではある。なのにこの盤を大絶賛できないのは、ラップの技術とトラックメイクにある。ラップがあまりにお粗末なうえ、トラックがへぼすぎる。ラップについていえば、先に挙げた「少年ナイフ」のShing02のような声質で延々やられるわけで、しかもところどころで破綻しかかるフロウがさらに減点を誘う。15分のライブでも息切れしそう。全て本人が制作したトラックはフリーの音楽ソフトで作ったのかと思うような安っぽさにげんなり。

やっていることは面白いだけに、ラップとトラックについては残念。まあそれでも聴かせてしまうというのだからリリックの勝利だろう。
2008.10.27 Monday 23:59 | 音楽 | comments(7) | trackbacks(0)
GAGLE『HIDDEN MUSIC VALUE』

2008年9月30日リリースのサードミニアルバム。

"HMV渋谷店10周年アイテムとして発売日から7週間は全国のHMV各店舗及びHMV ONLINEのみでの限定販売"という、よく分からない販売形態の作品。あ、タイトルを省略するとH.M.Vになるとのこと。気づかないよ。

内容はというと、全6曲で20分5秒。M1「MORNING BREEZE」とM4「AFTERNOON DOZE」、M6「NIGHT MOVES」がインスト。DJ Mitsu the Beatsの音はジャジーでかっこいい音というよりも広がりが生まれてリラックスできる音に仕上がっている。各タイトルは朝昼夜と付けられているものの、その時間帯をイメージできない曲ではある。素直にいえば面白くない。

このグループのもうひとつの持ち味、ハンガーのラップは、"Mu-Rの7インチ2枚使いが強烈な"M2「SESSION UNTITLED NO.9」の上では手グセ的な言葉遣いに終始し、またM5「BLAH! BLAH! SOMESWING」もイマイチだ。

M3「LOVE NOTE」だけが良かったかな。メロウなラブソングで成功しているのは日本語ラップではTWIGYぐらいだけど、DJミツザビーツのジャジーなトラックとハンガーのラップという組み合わせも負けていない。サードアルバム『3 PEAT』収録の「ONE LOVELY DAY」もこの路線の1曲だった。結構いいと思う。

とはいえ、サードアルバムが傑作だっただけに物足りないのも事実。まあミニアルバムだしという話ではあるけれど、1曲でも華のある曲があればもう少し印象は変わっていたはず。となると、なぜにハンガー名義の「JAPPCATS」を収録しなかったのかという話になる。レコードで出している場合じゃないだろう。あれが入っているだけで、評価は大きく変わったと思う。ZEEBRAの詰まらない新曲よりも数倍かっこよく、同時に真摯な日本語ラップへの思いが伝わってくる曲なのだから。


1.MORNING BREEZE (03"08)
2.SESSION UNTITLED NO.9 (02"45)
3.LOVE NOTE (04"21)
4.AFTERNOON DOZE (02"55)
5.BLAH! BLAH! SOMESWING (03"32)
6.NIGHT MOVES (03"29)
2008.10.26 Sunday 23:59 | 音楽 | comments(1) | trackbacks(0)
PUSHIM『ルネサンス』

2008年10月22日リリースの17枚目のシングル。

CMで流れていて、気になったので思わず手に取ってしまった1曲。ゆる~いルーツレゲエな楽曲で、ROCKING TIMEでドラムを叩いていた森俊也が関わっていると知り、なるほどと納得。

民放で流れる曲としては珍しくレゲエらしいレゲエであり新鮮だったが、じっくり聴くにはまあアルバムの中の1曲ならいいかなという感じ。レゲエとジャンル分けされるものの、わけわからんちんな音楽が多いなかでこういう素直な曲が増えてくれれば日本のも聴きたいとは思うのだけど。

カップリングの「HEY BOY, HEY GIRL」ではCOMA-CHIがリズムに乗りにくそうに参加。出来については言わぬが花。
2008.10.26 Sunday 23:59 | 音楽 | comments(0) | trackbacks(0)
その土曜日、7時58分 / Before The Devil Knows You're Dead

83点/100点満点中

フィリップ・シーモア・ホフマン主演、シドニー・ルメット監督最新作。2008年公開作品。

************************************
娘の養育費もまともに払えない顔だけの弟ハンク。兄アンディは彼に強盗計画を持ちかける。狙うのは彼らの両親が営む宝石店。ハンクとは対照的に、社会的にも成功し、恵まれた家庭生活を営んでいるように見えるアンディにも緊急に金が必要だったのだ。計画は実行されるが・・・。
************************************

予告編を見て期待した話とはだいぶ違って肩すかしを喰らった感がある。手前勝手な理由で強盗に押し入り、母を殺してしまい、そこから家族内の愛憎が噴出(兄の冷遇、父親への葛藤、弟の不満、母の不義理等々)。でもってそれらの感情を昇華させる(安直な言葉でいえば)家族愛といったドラマが描かれる作品なのかと思っていたら、あにはからんや愚かな兄弟がはまった泥沼を延々描写した上に、父の復讐で幕を閉じるというカタルシスも何もあったものじゃない映画だった。

しかもシーンごとの繋ぎは今時誰もやらないようなださい演出で、また時系列をわやくちゃだし、じいさんが監督というイメージもあってか、カットも古くさく思えてくる始末。

邦題も原題の「死んだのが悪魔に知られる前に」もかっこいいし、何より出ている俳優はみんな一級の演技を披露しているのだ。実にもったいない。

こういうお馬鹿なことって現実ではよくあるよねとは思うものの、映画ならではのエンディングが欲しい。
2008.10.26 Sunday 23:59 | 映画 | comments(5) | trackbacks(0)
Profile
Search This Site
Category
New Entries
Comment


Archives

今日も愚痴り中