すばらしくてNICE CHOICE

暇な時に、
本・音楽・漫画・映画の
勝手な感想を書いていきます。
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2021.02.10 Wednesday | - | - | -
Dirty Old Men『accelerate』

2009年4月22日リリースのサードミニアルバム。

2003年結成。ギターボーカルの高津戸信幸、ギターの山下拓実、ベース・山田真光、ドラム・野瀧真一という4人編成。

この奇妙なバンド名は、"汚い大人になりたくない"という思いで付けられたとのこと。それを先に知っていれば、手に取ることはなかったのに。今時、汚い大人って・・・。小汚い大人としてはついつい鼻白んでしまう。"大事なものは若さじゃな"いのにね。

まあそれはいいとして、メロディにも歌詞にも演奏にもピンとこなかった。tacicaやlego big morl辺りが引き合いに出され、期待のギターロックバンドと目されているようだけど、どの要素をとっても中庸で面白味に欠ける。ただ、だからこそ一般受けをするのかなと想像する。


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2006.05.10 1st mini AL『Present』
2007.04.25 2nd mini AL『immature』
2007.11.21 1st SG『rain show』
2008.06.25 1st AL『bud』
2009.04.22 3rd mini AL『accelerate』
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2009.04.30 Thursday 23:59 | 音楽 | comments(8) | trackbacks(0)
mudy on the 昨晩『Kidnie』

2009年1月14日リリースのセカンドミニアルバム。

2006年結成。山川洋平、森ワティフォ、フルサワヒロカズという3人のギターとベースの朴木祐貴、ドラム・伊藤 浩平の名古屋出身5人組インストバンド。

3本のギターを始めベースもドラムも真摯に持ち場を守り、ジャカジャカズンズンドカドカと音を出している姿が目に浮かぶのだが、曲が物語を描き出すことはなく、またアンサンブルの妙があるわけでもなし。音のどっしりとした一体感から、もしかしたらライブだったらいいのかもなと思う程度。


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2008.03.12 1st mini AL『VOI』
2009.01.14 2nd mini AL『Kidnie』
2010.01.13 1st SG『YOUTH』
2010.03.03 1st ALpavilion
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2009.04.29 Wednesday 23:59 | 音楽 | comments(2) | trackbacks(0)
グラン・トリノ / Gran Trino

73点/100点満点中

クリント・イーストウッド監督・主演映画。2009年公開作品。

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仕事を引退し、妻にも先立たれた孤独で頑固で偏屈な老人ウォルト・コワルスキー。愛車グラン・トリノを心の友に静かな余生を送っていた。しかし彼の暮らす住宅街に、もはや昔馴染みはおらず、朝鮮戦争帰還兵の彼が嫌ってやまないアジア人が暮らす街となっていた。そんなある日、彼が大切にする庭で、隣に住むモン族の気弱な少年タオが不良少年グループに絡まれているところを結果的に救うことになるのだが・・・。
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口の減らない偏屈じじいぶりがはまりすぎな感があるイーストウッドじいさんは1930年生まれなので、撮影時は77~78歳ぐらいだったのかな。背筋が伸び、腹にも余分な肉がほとんどついておらず、かくしゃくとしている。今作で俳優としての映画出演は最後になるとのことだが、まだまだ主役を張れる存在感があるだけに残念だ。

頑固であるが故にふたりの息子からは敬遠され、人に会えば差別ネタで挨拶し、唾を吐き、気に入らないことがあると唸り、すぐに銃を向けるウォルト・コワルスキーを、イーストウッドじいさんのそのものかと感じられるほどに生き生きと演じられ、そんな彼が世代や人種の違いからくる異文化交流とある種の家族再生、少年の成長が、イーストウッドじいさんの作品らしく手厳しい現実を交え、描かれる。

『ミスティック・リバー』以降のクリントウッド監督作ではあまり感じられなかった、旧態然としたダンディズムが鼻につく映画でもある。ただ、それはイーストウッドじいさんだから仕方ないと許せる程度のものではあるが、でもエンドロールで"グラン・トリノ~"と歌い出したときは、悲しい気持ちで胸がいっぱいなはずなのに吹き出すのを堪えることができなかった。じいさん、そこで笑わせてどうするよ。

チェンジリング』よりはいい映画だったが、またポール・ハギスと組んで撮って欲しい。


映画のキャッチコピーってくだらないものが多く、普段は気にしないのだけど、今回のはよくできていた。"俺は迷っていた、人生の締めくくり方を。少年は知らなかった、人生の始め方を。"

行きつけの床屋の主人役のジョン・キャロル・リンチ。どこかで見たことのある顔だと思っていたら、『ゴシカ』の保安官か。悪人も善人もできる面白い俳優だ。もっといろんなところで見ているようにも思うのだけど。



ウィキペディアでお勉強。
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【モン族】
中国(貴州省・湖南省・雲南省・四川省・広西チワン族自治区・湖北省・海南省)、タイ、ミャンマー、ラオス、ベトナムなどに住む少数民族。総人口400~500万人。「ミャオ族」とも呼ばれるが、漢民族による呼称であり、彼らは蔑称とし、モン族と自称する。漢民族文化に影響を受けた精霊信仰・祖霊崇拝を信仰し、独自の言語を持つ。

映画内でも語られていたように、ベトナム戦争時に米軍に協力していたモン族は、戦争終結後にアメリカ合衆国を始め、フランスや仏領ギアナへ約10万人が移住した。米国ではカリフォルニア州、ミネソタ州、ウィスコンシン州などにコミュニティが存在。2006年の調査では2世3世含め21万人が暮らしている。
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2009.04.29 Wednesday 23:58 | 映画 | comments(2) | trackbacks(0)
踊り場ソウル@渋谷eggman
踊り場ソウルとeggmanが共同主催する「東京マリンボトルvol.2」というイベントに行ってきた。ブログを読むと20時頃に出るというので、20時2分、ギリギリに会場に入ると、ステージ上には怪物くんの白いTシャツを着たおじさんが立っていた。

その怪物くんが歌うメロディラインがいちいち古くさい上に、足し算も引き算もないアレンジで、最初は協賛のMySpaceの社員バンドか何かだと思っていた。ギターソロは毎回同じフレーズをなぞっているだけだろうと思わせる凡庸さ、ドラムに至ってはそこに音の出る箱があるから面白くて叩いているだけだろうという無邪気さがあった。

唯一ましだったのがベースぐらいか。歌メロとギターの間に確実に音を置いていく好きなタイプだった。もう限界と思った20時36分に終了。


ボーカル以外の踊り場ソウルのメンバーが音を出し始めたので、いよいよかと身構えたら、陽気な外国人のおっさんが海賊のコスプレをして登場。ラム酒の宣伝を始めやがる。踊り場ソウルは生演奏担当。これからライブを始めようとしているミュージシャンに音を頼む神経が分からない。10分近くも営業が続く。



【踊り場ソウル】 20:59~21:35

前に見たのが11月だったから、音も変わっているのかなと期待したのだが、それはなかった。歌メロを重視する方向性は変わらずで、3年ぐらい前にこのバンドを見始めたときに感じたスリリングさを今の彼らは求めていないよう。

最近のセットリストに顔を出している2曲──「GAME」と「僕らはどこへ向うのだろう」を聴いたことがなかったので、楽しみにしていたのだが、期待はずれの出来。その後にやった「クロスオーバー」や「夜をおいかけて」とは歴然とした差がある。確かに後の2曲は馴染みともいえる楽曲ではあるが、それでもメロディの輝きが違いすぎる。

ドラムは交替したのかな。以前の微妙にずれていた人とは違い、小技のうまそうな人になっていた。女性もひとりコーラスで参加していて、総勢6人態勢でメロディラインを盛り立てる。「クロスオーバー」でのギターソロから歌パートに戻るのに弾き続ける辺りに、少し前の踊り場ソウルを見られたような気がした。

演奏した楽曲の関係もあるのだろうけど、キーボードも以前のような攻めのプレイをせず、音の調和を目指していて、メロディが良ければそれは正しいのだろうが、新曲の2曲のようにメロが弱くなると途端にその正攻法が機能しなくなる。

円人図というグループから3人のホーンを加えて披露された「眠らない宝石」は、Aメロから猛烈な勢いで飛び込んでくる曲に生まれ変わっていた。これはすごい。サビは前に聴いていたのと変わらないように思うけれど、Aメロの瞬発力が格段に上がっている。曲の展開は滑らかで、ホーンも効果的に挿入される。最後の大団円感もすてきだった。

もっと色々やるのかなと思ったら35分で終わり。曲もたった6曲。久々の踊り場ソウルだったので、「ゴーストタウン」も「光り輝く街」も「センチメンタルカラー」も聴きたかったし、何よりギターが炸裂して始まる「星をみる集い」を楽しみにしていただけに残念。


1.桜木町グラフティー
2.GAME
3.僕らはどこへ向うのだろう
4.クロスオーバー
5.夜をおいかけて
6.眠らない宝石 feat. 円人図
2009.04.28 Tuesday 23:59 | 音楽 | comments(2) | trackbacks(0)
Prince『Controversy』

1981年10月14日リリースの4枚目のアルバム。
1980年11月、Dirty Mindツアー開始。バンドメンバーは前回と同じく、Dez Dickerson(デズ・ディッカーソン)(G)、アンドレ・シモン(Andre Cymone)(B)、Bobby Z(ボビー・Z)(D)、Doctor Fink(ドクター・フィンク)(Key)に、新加入したリサ・コールマン(Lisa Coleman)(Key)。

12月5日にはワシントンDCの、2000席もあるワーナー・シアターでライブ。ジョン・レノンが暗殺された翌日の12月8日にはニューヨークのリッツでライブ。12月11日、音楽番組The Midnight Specialで「Partyup」を披露。

年末に、プリンスはTHE TIME──モーリス・デイ(Morris Day)(Vo)、ジェシー・ジョンソン(Jesse Johnson)(G)、テリー・ルイス(Terry Lewis)(B)、ジミー"ジャム"ハリス(Jimmy"Jam"Harris)(Key)、モンテ・モア(Monte Moir)(Key)、ジェリービーン・ジョンソン(Jellybean Johnson)(D)──を結成、ワーナーブラザーズと契約させる。

1981年2月11日から3月末までDirty Mindツアー。2月21日にはSaturday Night Liveに出演。「Partyup」を演奏。

5月29日、オランダ・アムステルダムのクラブ・パラディソで、890人を集め、初のヨーロッパライブを行う。6月2日英国ロンドンのライセウムで、翌日にはフランス・パリのシアター・ル・パレスでライブ。

7月29日、ザ・タイムがファーストアルバム『THE TIME』をリリース。制作のほとんどをプリンスが手掛け、最終段階の声入れで、ボーカルのモーリス・デイが呼ばれたとか。

この年の夏、次のアルバムのための曲作りを始め、ロサンゼルスのサンセット・サウンド・スタジオで数週間にわたりレコーディング。また、ベースのアンドレ・シモンがバンドを脱退。9月にベーシストとして新たに18歳のマーク・ブラウン(Mark Brown)が加入。

10月5日、Controversy名義でミネアポリスのサムズでライブ。10月9日ロサンゼルスのメモリアル・コロシアムでザ・ローリング・ストーンズの前座に抜擢されるも、20分5曲演奏したところで10万人近い観客に罵倒され引っ込むことに。翌日ミネアポリスに逃げ帰る。が、メンバーの説得により11日の同スタジアムにおける2日目のコンサートに挑む。今度は3曲で撤退。

邦題がなんと『戦慄の貴公子』。何ともすごいタイトルだ。でも『愛のペガサス』よりはましか。

前作『Dirty Mind』で顕著になったファンクにより強固なグルーヴを持たせることに成功したアルバム。タイトさの増したビートと、ギターリフやベースラインが作り出す反復フレーズがうねりまくり、また曲が長尺になったことで、快楽度のさらなる上昇も図られている。

そんなわけで、表題曲のM1、M6「Let's Work」が最高だ。M1はギターリフが、M6はベースラインがグルーヴの骨格を形作る。M6に関しては、"一晩中君と「ワーク」したいのさ できるなら君を裸にして壁を登らせたいのさ"とか何とかいっておきながら、彼の「ワーク」は4分弱と短く、残念。まあそういう不満に対応するのが「Let's Work (Dance Remix)」なのだろう。

このアルバムの中で特筆すべき曲がもう1曲あって、それは美メロを繊細でいて猥雑なファルセットが追いかけるバラード「Do Me, Baby」(M3)だ。ゴージャスという言葉が相応しい。シンセが盛り立て、ベースのアタック音がアクセントとなり、中盤以降の煩悩全開のシャウトが何とも悩ましい。M6のように短時間で済ませられることもない。

M3で頑張りすぎたひと晩を繕うかのように、M4「Private Joy」では一転して明るくポップ路線になり、良くも悪くもアルバムのこの位置に置かれてこそ生きる曲だと思う。これまでにない開放的なメロディラインも面白い。フィードバックギターがなだれ込むM5「Ronnie, Talk To Russia」はロックな1曲。2分弱と短く、録音も前作のような粗さがある。

続くM6は上にも書いた濃厚ファンクで、M7「Annie Christian」では再びロック寄りに変わる。曲としてはたいして面白味がないが、軽くエフェクトのかけられた地声で歌われる内容は、銃の所持についての反対を表明し、反キリスト教の風潮を批判する。

最後のM8「Jack U Off」は少しシリアスになった流れを和らげる狙いがあったのか、映画館でもレストランでもママのキャデラックの中でもいいけど、僕は君を"jack off"したいのさと軽いロックンロールに乗って歌われる。オチは、"君が僕をjack offしてもいいんだけどね"。jack offとはつまりマスターベーションのこと。これは反キリスト的ではないのかな。まあいいか。父親が見に来ていたライブで、プリンスがこの曲を演奏するとき、曲名を口にすることができなかったそう。


歌詞については、"議論・論争"というアルバムタイトルだけあって、若干だが社会性・政治性を帯びる。M1での"みんなが僕のことを黒人なのか白人なのか、ゲイなのかストレートなのか気にするけど、そんなことどうでもいいだろう。(僕の格好や言動を)はしたないって非難するけど、僕はみんなが裸になればいいと思ってる。黒も白もルールもない世界さ"と無邪気なアナーキーを振りまき、M5では、この年に就任したロナルド・レーガンに大事になる前にソ連と話し合ってくれよと懇願する。


売上は数ヶ月で50万枚達成。総合アルバムチャートでも最高位21位。R&Bアルバムチャートは第3位に。アルバムに先行する形で、1981年9月2日に6枚目のシングル『Controversy』をリリース。総合シングルチャートで70位、R&Bチャートでは3位に食い込む。1982年1月6日には7枚目の『Let's Work』を出し、総合チャートではランク外。R&Bチャートで9位。7月16日の8枚目のシングル『Do Me, Baby』はチャートインなし。
2009.04.27 Monday 23:59 | 音楽 | comments(0) | trackbacks(0)
樋口有介『捨て猫という名前の猫』

読了。
☆☆/5点中

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「秋川瑠璃は自殺じゃない、そのことを柚木草平に調べさせろ」。若い女の声で月刊EYES編集部にかかってきた電話。それは1週間前に"女子中学生が飛降り自殺"と新聞で小さく報じられただけの事件だった。誰もがうらやむ美少女に何があったのか──。
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袖書きによれば、『刺青白書』以来9年ぶりの柚木草平シリーズの長篇とのこと。文芸誌で連載が始まったと知ったときからずっと楽しみにしていたので、ようやくの単行本化は嬉しい限りだ。

物語は、別居している妻に付いていったために普段はわかれて暮らしている娘・加奈子との入浴シーンから始まる。現実世界は9年の月日が流れたが、柚木シリーズの世界では娘は小学6年生のままで、相変わらずカモノハシを見たがっている。

久し振りに読むと柚木の女たらしっぷりに拍車が掛かった感がある。しゃべりが露骨になり、キザなセリフには加齢臭が感じ取れる。いささかくどくなった。

ストーリーは、後味の悪い真相ではあるものの、思っていた以上に張り巡らされていた伏線が生きていて、最後の最後まで気が抜けず、中盤の中だるみが嘘のよう。
2009.04.27 Monday 23:58 | | comments(0) | trackbacks(0)
SUIKA、リクオ&サイプレス上野とロベルト吉野@青山月見ル君想フ
待ちに待った「スイカ夜話 ~第14夜」。雨脚が少しも弱まらない中、「月見ル君想フ」に到着すると、いつもならそこそこ列ができているのに、この日はスムースに入れた。会場内もややお客さんが少なめで気に掛かりはしたものの、それでもリクオのライブ中のMCではないが、"ライブ空間は共鳴空間やで"という言葉そのままの一体感を持った雰囲気は変わらずで、楽しい時間を過ごすことができた。対バンに少しもがっかり感がないところもスイカ夜話の本当にすごいところだ。



【ATOM】 19:08~19:15

一番手は、SUIKAからアトム。高速ブレイクビーツがビシバシ決まるトラックでスタート。この1曲目は先日の渋谷familyでも聴いた曲で、「SHIVA」という題名らしい。そういわれると、そんな顔をしながらラップしているなと思えた。2曲目はアカペラで高尾の天狗のお話。



【サイプレス上野とロベルト吉野】 19:16~20:02

アトムが紹介する形で登場したのがひと組目のゲスト、サイプレス上野とロベルト吉野。定番の"サ~イプレス上野と、DJロベルト吉野"で、初めて彼らを見る人をも巻き込む盛り上げ巧者ぶりを遺憾なく発揮。練習の成果が垣間見られる決めポーズや、お決まりのネタ振りでもって、ヒップホップは本来パーティミュージックだったことを証明してみせた。

即興でやりたいから、誰かネタをくれとお客さんに募り、せっかく"草なぎ君"というタイムリーなお題が返ってきたのに、仕込みの曲に持っていくのは残念。ダースレイダーなら10分ぐらいフリースタイルで草なぎ君から政治経済まで膨らましてやってのけたんじゃないかな。ただ、ここから草なぎ君が影の主役となる流れが出来、無条件に盛り上がったわけではあるけれど。

スイカのタケウチカズタケのリクエストで決まったという「START LINE」をtotoさん以外のスイカメンバーと共にセッション。元々メロウなトラックだったけど、生音で演奏されると濃縮還元ジュースと生搾りジュースぐらいに、味わいに違いが出る。

前回の夜話ではRomancrewとスイカのセッションが見られたが、1MC1DJのサ上とロ吉は直線的な音という、とてもヒップホップらしい音を出すので、スイカが加わることでその音が劇的に変化して面白かった。


1.INTRO
2.TIME IZ ONLY IT THAT CAME
3.イントロ II
4.サ上とロ吉
5.Bay Dream ~from課外授業~
6.FEEL LIKE DANCE
7.バウンス祭
8.素敵な仲間(?)
9.PRINCE OF YOKOHAMA(フックのみ)
10.IT'S MY TURN
11.START LINE feat. SUIKA
12.Dear MaMa
13.ヨコハマジョーカー
14.ヒップホップ体操
15.WONDER WHEEL
16.契り外伝 pt.II



【Takatsuki】 20:06~20:22

ライブとライブの間には、普段ならスイカメンバーによる夜話トークの時間となるのだが、今回はメンバーのソロパフォーマンスが見られた。トークも面白いが、ソロライブももうけた感じで嬉しい。

タカツキが出てきて、まずは6月にリリースされる4枚目のソロアルバムについて告知。演奏した曲はアルバムに収録されている「music,」と「できるなら京都で」。ヒップホップから遠ざかっているわけではないけれど、好き勝手度が高まったというような話を最初にしていて、この2曲はまさにそんな感じだった。ラップというにはメロディを持ち、歌というには抑揚がない。とはいえ、どちらもタカツキらしいリリックと曲ではあって、アルバムはかなり期待できそう。

先に披露した「music,」はウッドベース1台での弾き語り。2曲目の「できるなら京都で」は、次に出演するリクオとスイカの楽器隊から高橋結子と一緒にセッション。スイカに新たにベーシストが加わり、ライブでウッドベースを弾かなくなっているからなのか、ベースの音に張りがなくなったような気がした。



【リクオ】 20:24~21:05

タカツキがスイカメンバーのタケウチカズタケとベース・石村順を呼び入れ、最後にブルーデイジーことtotoさんを紹介し、自分は舞台を去ってしまう。ここからは、ふた組目のゲスト、リクオの時間だ。まず最初はスイカとのセッションで開始。リクオの「孤独とダンス」という曲に、totoさんがリリックを付け足し、スイカ楽器隊が脇を固める。原曲がどのくらいの長さなのか知らないけれど、10分弱の男女の物語が紡がれた。

スイカメンバーが抜けた後は、ステージにはリクオひとりと鍵盤一台のみ。でも声と両手と両足と頭といった具合に体ひとつを存分に動かして、ファンキーにソウルにブルージーに、哲学やら愛やら人生を歌い上げ、照れ隠しの笑い心を忘れず、ライブハウス中の人間をいつのまにかひとつにさせてしまった。ちょっとすごい。

最初は、大江千里とかKAN、楠瀬誠志郎といったアーティストを連想させる演奏スタイルだったものだから、ちょっと引いて見ていたのだけど、気づいたら騒いでいる自分がいた。ハンドクラップといわれれば手を打ち、コーラスにも参加し、足踏みし、終わってからもしばらく最後の歌のコーラス部分"シャララ~"を口ずさんでいたほど。

ホントに楽しいライブだった。名言を次々と並べていく「パラダイス」は特に良かった。井上光晴に始まり、岡本太郎、代々木忠("本能が成熟しない限り感受性も豊かにならないし、当然理性も開花しない"。この人はAV監督とのこと)、ゲンズブール、養老孟司("人間の死亡率は100%です")、池田晶子、中島らも、はっぴぃえんど、ブルース・リー("アチョー")、高田渡、さんま、ルーリード。古今東西の偉人変人の言葉が胸をつく。


1.孤独とダンス feat. SUIKA
2.ハイ&ロウ
3.穴を掘る
4.2人のワンダフルワールド
5.パラダイス
6.アイノウタ
(間違っている可能性大)



【SUIKA】 21:10~22:09

ちょっと珍しいスイカを見られた。対バンがどんなにすごくてもスイカはその上をいくパフォーマンスを披露するのが常だった。これまでもALOHAやSaigenji、降神、STERUSSといった人たちが、彼らを見ただけでも十分元が取れたと満足するようなライブを繰り広げたけれど、トリで出てきたスイカはもっともっと圧巻のステージングを見せ、主催者としての面目を保ってきた。

この日のスイカは決して調子が悪かったわけではないが、リクオに若干食われていた印象は拭えない。セットリストが影響したように思えた。

リクオが盛り上げた雰囲気を一度クールダウンさせる効果を狙ったのかどうかは知らないが、ライブは、スイカ楽器隊の奏でる5分弱のメロウなインストで始まる。続くのは、1月のライブでも演奏していた「コインサイド」。サードアルバムの表題曲で、悪い曲ではないし、フロント3人の実力を堪能できる曲ではあるのだけど、『カッコいい』の楽曲にある爆発力が少なめ。

アトムが先頭で切り込む「ジョナサン」でスイカらしい瞬発力を取り戻す。ここでのアトムは劣勢をがむしゃらに巻き返そうとするようで迫力があった。

次が「ウサギのチャイ店」。すごく好きな曲だし、久し振りにライブで聴けたのも嬉しかったし、かわいい曲なのに、微妙にアレンジが変わっててそのかわいくない感じも好感が持てたし、ドラゴンボールのフレーズも笑えたし、totoさんに"でも二度まで言いな"と何度もいわれてみたいと思ったけれど、この曲が「Juicy Fruity Spicy Funky」だったら、この日のライブの印象はずいぶん変わっていたんだろうなと思った。

他にやる曲がたくさんある中で、タカツキの希望でやったらしい。まあ、ここで「ウサギのチャイ店」を持ってくる辺りがスイカらしさなのかもしれない。

まだ仮題だという新曲「三つ目の恋」はみんなで歌えるフックが楽しい1曲。totoさんの猫の鳴き声は卑怯すぎる。1ヴァース目のタカツキは、一つ目の男の子の二つ目の女の子への恋を物語り、2ヴァース目のアトムのラップでは3つ目の男の子が告白する。"新しい恋の始まりには新しい靴をひとつ増やす"と女の子の気持ちを歌うのは3ヴァース目のtotoさん。音源よりも先にライブで初めて聴いたのに、昔から知っている歌のようにすぐに歌えた「つづれおり」や「手をならせ」を思い出させる曲だ。音源で早く聴きたい。

そういえば、「つづれおり」でtotoさんがリリックを飛ばすのを初めて見た。一番好きな箇所がなかったけれど、何だか珍しいものが見られて不思議と得した気分。

何だかんだ書いてきたけれど、スイカのライブはやっぱり楽しくて、最後の曲となる「麒麟が太陽を食べる島」をやる前に、totoさんが"もう終わっちゃうね"とアトムに話していたが、見ているこちらも同じ気持ちだった。

一度スイカメンバーが引っ込むが、すぐに出てきてアンコールに。サ上とロ吉やリクオも出てくる。"飛び込みたいMCがいたら空気を読んで出てきて"との声に、Romancrewのエムラスタが登場。曲が始まってからはステルスのCrime6も参加。曲は「手をならせ」。次々とマイクを回していく10分強。最後の至福の時間だ。

サ上のヴァースはリキッドルームで5月にワンマンがある話と物販で買ってくれとのアピールに終始。"セッションよりも商魂 / これが生きている証拠"とうまい踏みをみせる。次のエムラスタは"告知ばっかじゃん"とたしなめ、短いながらも流れるようなライミングで魅せる。"こいつの後にだけはやりたくねぇよ"と始めたのがクライム6。尻上がりに言葉が滑らかに出るようになって、結果一番盛り上げていたのが彼だった。

スイカ夜話の恒例となっている出演者全員によるこのセッションは毎回のことだけど、すごく幸せな気分にさせられる。


1.reflected-reflection
2.コインサイド
3.ジョナサン
4.ウサギのチャイ店
5.三つ目の恋(仮)
6.つづれおり
7.麒麟が太陽(ほし)を食べる島

アンコール
1.手をならせ with サ上とロ吉、
    リクオ、クライム6&エムラスタ



次は、夜話祭と題される数年ぶりのワンマンなのかな。タカツキ情報だと12月、アトムの告知だと9月か10月ぐらいらしい。錯綜しているけれど、ともかく年内にはワンマンライブが行われるのだろう。1時間のライブではやれない名曲が多すぎるし、今からワクワクする。
2009.04.25 Saturday 23:59 | 音楽 | comments(5) | trackbacks(0)
rega『Million』

2009年4月5日リリースのファーストアルバム。

2005年結成。加藤哲也と井出竜二というふたりのギターに、ベースの青木昭信、ドラム・三宅隆文の4人組インストバンド。最初はボーカルと別のギターがいたが、2007年1月から現在の編成になる。

まず、ジャケットが好き(クリックすると大きくなります)。

ネックを行き来するギターリストの指を思わず想像させるリリカルな演奏に、ロックファンとしてはオオッとなるが、次第にそればかりでは運指の練習を聴かせられている気分になるのも事実。アルバムの前半はその傾向が強く、もう少し閃きのあるフレーズと分かりやすい主旋律が欲しい。フレーズを反復させることでグルーヴを生み出そうとするも、平坦に円を描くだけで終わっているのも残念だ。M3「Q」の終盤のギタープレイはかゆいところに手が届いていて、好きではあるが。

ベースが主張を始め、バンドとしての一体感が生まれるM5「Sunship」辺りから、アルバムは徐々に楽しくなっていく。曲単位でもM6「DOSEI」やM8「pingpong」では曲の中盤以降に尻上がりに加速していく展開にはワクワクさせられる。ギターだけが曲を引っ張るのではなく、ベースが強引に入ってきて、ドラムも負けじと個を主張し、音がぶつかり合うからこそ興奮するのだ。Rage Against the Machineのトム・モレロのごとく、ギター(?)が変な音を鳴らすM9「WAX」では、ドラムもよくドライブさせているし、バンドとしての確かな技量を感じることができる。


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2008.06.04 1st SG『rega』(?)(タワレコ限定)
2008.07.02 1st mini AL『[RONDORINA』
2009.04.08 1st AL『[Million』
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2009.04.24 Friday 23:59 | 音楽 | comments(6) | trackbacks(0)
UNISON SQUARE GARDEN『UNISON SQUARE GARDEN』

2009年4月15日リリースのファーストアルバム。

1曲目からしばし唖然とさせられるロックが展開する。まるでアニメの主題歌のような、疾走感のみの厚塗りロックであり、音が塊となるだけで何ら面白味を感じさせない。

しかし、ベースで始まるM5「等身大の地球」で少し路線が変わる。それまでのボーカル中心から、ベースやドラムを意識した音作りになり、音像が立体的で、この曲なら"上手に踊"ることもできるかもしれない。2曲目辺りでこのベースはもしかしたらと思っていたのが、この曲で確信に変わった。

続くM6「MR. アンディ -party style-」は80年代ポップス的なアレンジが取り入れられているために、その手の音を洒落と捉えることができず、ただただださいと思ってしまう身はいささか辛いが、それでもベースが利いている分、4曲目までの箸にも棒にも的なロックよりずっとましである。ボーカルの少年声は凡庸なロックに乗るかぎりでは映えないが、M5やM6では活きている。曲の冒頭と間奏で入るスクラッチ音はだささが加速するだけなので不要。

M5と同じように、ベースで始まるM9「いつかの少年」はアルバムの中で唯一メロウな曲調で、自由に走るベースラインがかなり好み。それまでメロディに関しては特に思うこともなかったが、M11「クローバー」のサビの歌メロはかっこいいと思う。M10「箱庭ロック・ショー」もそうなのだけど、音に隙間のあるロックをやった方がずっといいように思う。


前半が酷すぎた分、後半でグッと良くなった印象ではある。さっぱり意味の分からない歌詞、メロディの魅力のなさ、アレンジの平凡さ、ボーカルと色々不満も多いが、ベースだけは好み。
2009.04.23 Thursday 23:59 | 音楽 | comments(2) | trackbacks(0)
monobright『monobright two』

2009年4月15日リリースのセカンドアルバム。

日本の、だけでなく洋楽もなのだけど、ロックの動向に疎くなってからずいぶんとなる。でもまあそれでは耳が老いる一方なので、活きの良い刺激を求めるべく若手の有望株とされる音をできるだけ聴こうと思って、色々挑戦してはいるのだが、先日ミュージックステーションの特番で久し振りに見たthee michelle gun elephant(t.A.T.u.がドタキャンした回)のかっこよさに匹敵するバンドがなかなか見つからない。ミッシェルやBlankey Jet Cityのごとく技術に裏打ちされた荒々しさを持ちつつも、チャートにも通用するメロディを忘れない若手はいないのだろうか。


愚痴をいっても始まらないので、サクサクと聴いていくしかなく、今回は北海道出身の4人組monobright。映画の主題歌だったM11「あの透明感と少年」で初めてまともに聴いたバンドで、瑞々しいギターの音と奥田民生のような歌声が印象的だった。

本作でも奥田的な声やメロディはところどころで顔を出すが、時に吉井和哉の声で猥雑な歌詞を歌ったり、ピアノやチェロ、バイオリンをバックにシンプルに歌い上げたり、ナンセンスな言葉遊びを取り入れザ・クロマニヨンズなロックもあり、また打ち込み曲があったりと、音が多彩で飽きることなくスルッと全13曲を聴けてしまう。

ギターの鳴りと際立ったベースライン、それと太い声のボーカルは非常に有効な武器なのだが、ドラムとアレンジに難がある。ギターとベースがとても生々しく録られているのに、どうしてドラムだけ迫力がないのだろう。アレンジももっと工夫が欲しい。

昨年のミニアルバムで感じられたほどにはメロディに問題があるとは思わなかったが、言葉の乗せ方が悪いこともあって、その良さが伝わってこないのは残念。ただ、その歌詞がちょっと変わっていて、そこもこのバンドの魅力だと思うから、ぜひともうまいことやって欲しいものだM7「涙色フラストレーション」の視点なんてかなりユニークだ。しかし、この曲もそうだけど、M3「アナタMAGIC」共々よくシングルとして切きったものだとは思う。
2009.04.22 Wednesday 23:59 | 音楽 | comments(0) | trackbacks(0)
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