すばらしくてNICE CHOICE

暇な時に、
本・音楽・漫画・映画の
勝手な感想を書いていきます。
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2021.02.10 Wednesday | - | - | -
椎名林檎『三文ゴシップ』

2009年6月24日リリースの4枚目のアルバム。

もうソロ名義ではアルバムを発表しないといっていた人の、約6年半ぶりとなるオリジナルアルバム。才能豊かな人は色々こだわりや自身に科した制約が多くあるようで、常人には理解できないけれども、椎名林檎名義での音が戻ってきたことは素直に嬉しい。復活ついでに曲名や収録時間のシンメトリーなんていうくだらない縛りも捨ててしまえば良かったのに。純粋に音にだけこだわった椎名林檎を聴いてみたい。

1曲目がMummy-Dのラップでスタートするというサプライズがあるものの、概ねこれまでの課外活動やソロのサードアルバムを経た音の上に、デビュー当時から変わらない独特の言葉の選択でもって、分かりやすそうに見えて実は難解な世界観を作り上げている。ジャズ風味が濃すぎるかなとは思うが、才能あるアレンジャーの力もあり、作品としてよくまとまっているし、裏切られた感はほとんどない。

歌詞を楽しんだのは、M2「労働者」とそれと対をなすM12「凡才肌」。皮肉が込められているけれど、一見そうは見えず、またいかようにも深読みできてしまうところが良い。音が面白かったのは、再びMummy-Dが1ヴァース分盛り込んだM10「尖った手口」。ブレイクビーツを取り入れており、シングル『ありあまる富』のカップリング曲「SG ~Superficial Gossip~」を聴いたときに期待した音がある。それとM13「余興」も良かった。アルバムの最後を飾るこの曲では、コーラスはおふざけをしているし、ずいぶんと分かりやす内容が歌われている。まさに余興だ。

サービス品のM14「丸の内サディスティック (EXPO Ver.)」は本当の余興になる。ファーストアルバムに収録されていた同曲のR&Bバージョン。これがかなりいいものだから、彼女の余興は油断ならない。

デビューして11年。邦楽では彼女ほど才能に溢れたミュージシャンが輩出されていないわけで、安泰といえば安泰なのかもしれないが、そろそろ椎名林檎ブランドを壊しもっと暴れてみても面白いのではと思う。
2009.06.30 Tuesday 23:59 | 音楽 | comments(4) | trackbacks(0)
木村カエラ『HOCUS POCUS』

2009年6月24日リリースの5枚目のアルバム。

2004年にデビューして、5年間で5枚のアルバムを発表。まあ曲作りには関わっていないわけで、このぐらいのペースは当然なのかなとも思うけれども、でもアイドルといってもいいような立ち位置にいながら、ここまで1枚もベストアルバムを出していないところにアーティストとしての気概を感じる。たいていは3枚も出せば、小金稼ぎにちょろっと出すものだが、それをしないのは評価できる。

肝心の中身だが、作曲陣は渡邊忍やAxSxE、ミト、曾田茂一といったお馴染みの顔ぶれに加えて、SUEMITSU & THE SUEMITHの末光篤やavengers in sci-fiの木幡太郎などの新顔も参加していて、ロックとアイドルポップの異文化交流が楽しめる。

末光篤が手掛けたM5「Butterfly」がじっくり聴くと思いの外良曲だった。クラムボン・ミトによる表題曲のM7はアレンジ・メロディが共に可愛らしくでもちょっと変わっていて、それが木村カエラをそのまま音にしたようで面白い。また、M9「season」は歌詞もメロディも魅力的だった。全体的に見ても悪い作品ではない。

前作がどうだったのか思い出せないけど、ずいぶんと率直な乙女心を歌った歌詞が多くなったように思うし、その前向きさはポップなロックを基調とした音の上に軽快に乗ることで、とても楽し気に聞こえる。

前作を手放しで誉めたので今回は反動でということもないが、いささかパンチが弱いのも事実。
最近流れている、木村カエラがピーナッツの女の子たち──ルーシー、サリー、バイオレット・パティ、マーシー──、それにスヌーピーが加わったメンバーでジャムっているCMと比べるとよく分かる。たった30秒足らずのあのスキャットほどの強度がアルバムにはない。

"ホットペッパ ピップペッパッピ ペッパペッパピップペッポッピ ホットペッパ ピップペッパッピ ペッパペッパピップペッポ"がすごいということなのかもしれないけれど。とりあえず、このCMが流れると歌ってしまうし、そのうち踊りだすかもしれない。



【作曲者】
1.Dear Jazzmaster '84  (4106 (BRAZILIANSIZE/SCAFULL KING))
2.マスタッシュ (album ver.)  (AxSxE (NATSUMEN/BOAT/SPACE KUNG-FU MAN))
3.Phone  (渡邊忍 (ASPARAGUS))
4.乙女echo  (藤田勇 (MO'SOME TONEBENDER))
5.Butterfly  (末光篤 (SUEMITSU & THE SUEMITH))
6.どこ  (渡邊忍 (ASPARAGUS))
7.HOCUS POCUS  (ミト (クラムボン))
8.Another world  (曾田茂一 (Ram Jam World/EL-MALO/FOE))
9.season    (AxSxE (NATSUMEN/BOAT/SPACE KUNG-FU MAN))
10.キミニアイタイ  (高本和英 (COMEBACK MY DAUGHTERS))
11.Jeepney  (西井鏡悟 (STAN))
12.BANZAI (album ver.)  (木幡太郎 (avengers in sci-fi))
13.Super girl  (蔦谷好位置)
<シークレットトラック>
14.Today
【M1、3、6、13以外の作詞は木村カエラ。M1は4106と渡邊忍との共作、M3は渡邊忍との共作。M6は渡邊忍、M13は蔦谷好位置による。】
2009.06.29 Monday 23:59 | 音楽 | comments(2) | trackbacks(0)
安彦良和『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』第19巻

2009年6月発売。

いよいよソロモン編がスタート。今回は前編。ジオンにとっても連邦にとっても悲劇となる激戦が幕を開けたわけだ。まだ姿を現さないビグ・ザムに期待が膨らむ。ガンダムもバージョンアップしていい感じだ。

スレッガーとミライのエピソードに覚えがなかっただけに、余計に今から涙しそう。

そういえば、新宿ピカデリーで『機動戦士ガンダム』三部作と『新訳 機動戦士Zガンダム』三部作、それと『逆襲のシャア』が順次公開されていて気になる。『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』は父親に初めて連れて行ってもらった映画(『南極物語』だったかも)で、30年ぶりぐらいに行こうかしら。新訳のZガンダムは見たことないし、行きたいなぁ。『逆襲のシャア』は絶対に行くだろう。何とも悩ましい。
2009.06.28 Sunday 23:59 | 漫画 | comments(0) | trackbacks(0)
なのるなもない、toto、ATOM&Takatsuki@上野恩賜公園野外ステージ
上野で行われた「ウエノ・ポエトリカン・ジャム4 "詩なんてサイコーだ"」に行ってきた。前半はオープンマイクなので、ゲストライブが始まるという18時過ぎに会場到着。

しかしまだオープンマイク中で、男性か女性か一目で見極めるのは難しい緑のキャミソールを着た詩人が叫んでいた。まあ、その人に限らずだけど、性関係への思いをぶちまけ、露悪に走れば、それで内面を表現できると思っている人が多く、数人見ただけなのに辟易させられた。また、ラッパーと違い詩人なのだから仕方ないのだが、声を出すことに慣れていない人が多く、5分と持ち時間が短いにもかかわらず声が次第にかすれていくのは表現以前の問題ではある。


さて、18時49分。司会のマサキオンザマイクのお粗末なフリースタイルが終わってからゲストライブが始まった。このイベントのお目当てはなのるなもないとtotoさん、Takatsuki、それと灰汁のMC・セノオGEEだったわけだけど、そのセノオGEEの直前で、飛び入りのATOMが登場。


【ATOM (SUIKA)】 19:29~19:33

それまでの詩人たちと何が違うかって、声の力強さ。段違いだった。声が前に前に出てくる。人に聴かせることを常としているアーティストなのだから、そうではない表現者と比較するのも間違っているのかもしれないが、ともかく声の大きさに目が覚めた。

やったのは、スイカの新曲「三つ目の恋」の自分のヴァースと、恒例の高尾山で天狗にあった話、それと「麒麟が太陽(ほし)を食べる島」。強引に自分の世界観にもっていくラップはアカペラだと好き嫌いが別れそうだが、アカペラで聴けるのは貴重なので嬉しかった。



【セノオGEE (灰汁)】 19:34~19:39

"甲州街道 朝5時の歩道橋 まだ消えない水銀灯"だけは覚えた。貰ったチラシに、先月リリースされた初音源が1000円と書かれていて、良かったら帰りに買おうと思ったのだけど・・・。



【toto (SUIKA)】 19:50~19:57

まず驚いたのがトラックがついていたこと。トラック自体は音数の少ない、とても簡素なもので、詩を引き立たせることに徹したものだったのだけど、アルバム制作がちゃくちゃくと進んでいるということだろう。本当に今年中に出そうだ。待ち遠しい。

1曲目は、"玄関を開けたら宇宙だった"で始まり、2曲目は、"あれあれあれ"と歌い出す曲で、題名は「疲れちゃった」でいいのかな。可愛らしいピアノの旋律が詩に絡みつき、徐々に音が華やかになる。ただ、音付きだったことが成功だったのかは不明で、夜話で見せてくれるような魔法がなかったのも事実。

totoさんの落ち着いたステージングを見ていると、スイカでライブをするまで人前でパフォーマンスしたことのなかった人だとはとても思えない。最後には「夜話祭」の告知までしていた。



【なのるなもない】 19:58~20:03

最初はアカペラで、途中からビートとかすかに鍵盤の上音のトラックが入り、最後に再びアカペラで締める5分間。

う~んという出来だったか。先週の夏至フェスは鮮やかなパフォーマンスでその魅力的な声を堪能できたわけだけど、この日は扱き下ろすほどではないにしろ、格別良くもなく、ただこれまで聴いたことのない曲を聴けたことが良かった。

トラック有りの曲でのフック。"鮮やかな朝を歌う鳥 月のない夜光る星 雨上がりの木の潤い ********** 粉雪が舞い降り積もる プレゼントの箱を開けるとき 傘の中のぬくもり ~"

"キザなやなやり方になるが後悔しなさんな~"で5分間終了。



【Takatsuki】 20:04~20:09

始める前に、"三日月は見たかい"と呼びかけると、"見たよ"と客席からtotoさんの返事があったことに何だかスイカの絆みたないものが感じられていい感じだった。

披露したのは、「よあけのことづて」。アルバム収録版ではなく、無料ダウンロードで配布していた、ストリングスを入れたブレンド版。間を恐れずに、その間すら情感を伝えるパフォーマンスとして機能させているのはさすがプロフェッショナルという印象だった。



トリの人は一発ギャグ的な即興詩であっさりと終わらせて、20時11分にイベント終了。



ゲスト陣のライブはいくらゲストといえども厳然とした程度の差はあって、上に挙げた以外で気になった人はひとりだけ。以前Flying Booksのイベントで見た、ハギー・イルファーンがライヴペインティングだけだったのは残念。ラップのようなポエトリーリーディングをまた聴きたかった。


【稀月真皓】 19:11~19:16

この人のポエトリーリーディングは、totoさんのそれのように歌っているかのように耳に入ってくる。言葉の並べ方がきれいだからとてもスムースなのだ。情景を想起しやすいのも良かった。詩には色々なタイプがあるのだろうけれど、音楽との親和性が高い詩が好みのようだ。


もうひとり、単純に芸として楽しめたのが猫道という人のパフォーマンス。詩としての表現というよりも話術の巧さに感心した。上でも書いたけれど、ひと口に詩といっても様々だろうし、あれもこれも詩ではあるのだろうが、この人のは落語や講談といった話芸だなぁと思いつつも見入った。
2009.06.27 Saturday 23:59 | 音楽 | comments(2) | trackbacks(1)
第35回サターン賞
2009年6月24日発表の、SF・ファンタジー・ホラー映画のアカデミー賞「サターン賞」の受賞者リスト。

ファンタジー映画賞
ベンジャミン・バトン 数奇な人生

<ノミネート>
『ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛』
ハンコック
『スパイダーウィックの謎』
『トワイライト 〜初恋〜』
ウォンテッド


ホラー映画賞
ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー

<ノミネート>
ハプニング
『ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝』
REC:レック/ザ・クアランティン
『SPLINTER』
ストレンジャーズ/戦慄の訪問者


SF映画賞
アイアンマン

<ノミネート>
地球が静止する日
イーグル・アイ
『インクレディブル・ハルク』
『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』
『ジャンパー』


アクション/アドベンチャー/サスペンス映画賞
ダークナイト

<ノミネート>
チェンジリング
グラン・トリノ
『007/慰めの報酬』
『TRAITOR』
『ワルキューレ』


インターナショナル映画賞
『LET THE RIGHT ONE IN』

<ノミネート>
『バンク・ジョブ』
『ドラゴン・キングダム』
『IN BRUGES』
スラムドッグ$ミリオネア
『TRANSSIBERIAN』


アニメ映画賞
ウォーリー

<ノミネート>
『ボルト』
『ホートン ふしぎな世界のダレダーレ』
『カンフー・パンダ』
『マダガスカル2』
『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』


監督賞
ジョン・ファヴロー 『アイアンマン

<ノミネート>
クリント・イーストウッド 『チェンジリング
デヴィッド・フィンチャー 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生
クリストファー・ノーラン 『ダークナイト
ブライアン・シンガー 『ワルキューレ』
スティーヴン・スピルバーグ 『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』
アンドリュー・スタントン 『ウォーリー


主演男優賞
ロバート・ダウニー・Jr 『アイアンマン

<ノミネート>
クリスチャン・ベイル 『ダークナイト
トム・クルーズ 『ワルキューレ』
ハリソン・フォード 『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』
ブラッド・ピット 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生
ウィル・スミス 『ハンコック


主演女優賞
アンジェリーナ・ジョリー 『チェンジリング

<ノミネート>
ケイト・ブランシェット 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生
マギー・ギレンホール 『ダークナイト
ジュリアン・ムーア 『ブラインドネス
エミリー・モーティマー 『TRANSSIBERIAN』
グウィネス・パルトロー 『アイアンマン


助演男優賞
ヒース・レジャー 『ダークナイト

<ノミネート>
ジェフ・ブリッジス 『アイアンマン
アーロン・エッカート 『ダークナイト
ウディ・ハレルソン 『TRANSSIBERIAN』
シャイア・ラブーフ 『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』
ビル・ナイ 『ワルキューレ』


助演女優賞
ティルダ・スウィントン 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生

<ノミネート>
ジョーン・アレン 『デス・レース
ジュディ・デンチ 『007/慰めの報酬』
オルガ・キュリレンコ 『007/慰めの報酬』
シャーリーズ・セロン 『ハンコック
カリス・ファン・ハウテン 『ワルキューレ』


若手俳優賞
ジェイデン・クリストファー・スミス 『地球が静止する日

<ノミネート>
フレディー・ハイモア 『スパイダーウィックの謎』
Lina Leandersson 『Let The Right One In』
デヴ・パテル 『スラムドッグ$ミリオネア
カティンカ・ウンタルー 『落下の王国
ブランドン・ウォータース 『オーストラリア』


脚本賞
ジョナサン・ノーラン&クリストファー・ノーラン 『ダークナイト

<ノミネート>
マーク・ファーガス、ホーク・オストビー、アート・マーカム&マット・ハロウェイ 『アイアンマン
デヴィッド・コープ&ジョン・コープ 『オー! マイ・ゴースト』
John Ajvide Lindqvist 『Let The Right One In』
エリック・ロス 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生
J・マイケル・ストラジンスキー 『チェンジリング


音楽賞
ダークナイト

<ノミネート>
ベンジャミン・バトン 数奇な人生
アイアンマン
チェンジリング
『ワルキューレ』
『ジャンパー』


衣装賞
『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』

<ノミネート>
ダークナイト
チェンジリング
『ワルキューレ』
『オーストラリア』
『ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛』


メイクアップ賞
ベンジャミン・バトン 数奇な人生

<ノミネート>
ダークナイト
ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー
『ドゥームズデイ』
『ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛』
トロピック・サンダー/史上最低の作戦


特殊効果賞
ダークナイト

<ノミネート>
ベンジャミン・バトン 数奇な人生
『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』
アイアンマン
ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー
『ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛』
2009.06.24 Wednesday 00:00 | | comments(0) | trackbacks(0)
Shing02@wenod

代々木公園で行われていたGeshiFes2009で、TempleATSのライブが終わったのが17時33分。25分押しで始まったイベントだったけれど、進行がいつの間にか予定通りになっていた。というのも音のセッティングが極端に速かったからだろう。夏至フェススタッフに大きな感謝。これは行ける! とふんで渋谷駅に猛ダッシュをかけた。どうして原宿駅でなかったのかは謎。日曜日の渋谷はあきれかえるほど人が歩いているので、車道を走るのが吉だ。

隣り駅の恵比寿に着いてまた走りに走って、wenodに飛び込んだのが17時52分。整理券が事前に配られていたのだけど、当然のように持参しているわけはなく、備え付けのパソコンからこの日だけ配布されたShing02関連の音源をダウンロードした後、ライブをしれっと待っていたら、前座のステージが始まった。結局整理券は関係なかったみたい。


17時58分、西海岸で活躍するKENSHO KUMAがマイクを握る。日系のラッパーらしい。KKのアルバムについて書いた自分の記事に書いてあった。それとキリコのセカンドアルバムの曲中で、気に入っているラッパーのひとりとして名前が出てくる。キリコはあっちに留学していた時期があるようだし、繋がりがあったのかもしれない。

ともかく、15分弱の熱いパフォーマンスで場を温める。温めるといってもウィノッドなわけで、たかだか50人もいればいいぐらいのスペースではあるのだけど。日本語のラップもできるので時折織り交ぜられるわけだけど、英詩のラップの方が頭が振れる。彼のファーストアルバムに収録され、シンゴ2を客演に招いた「the V.O.L.S」で最後を締めた。


18時12分、ついにスナフキンのような深緑の帽子をかぶったシンゴ2に"音声拡張機"が渡る。"僕の横隔膜から君の鼓膜まで 音波に乗って伝える振動"。ほとんどアカペラといってもいいぐらいに抑制されたスペーシーなトラックだったので、5分弱の間途切れることなく日本語を浴びせられた。いきなり圧倒される。

去年の夏至フェスで見たときに、そのパフォーマンスに満足できなかったのが嘘のよう。インストアということもあり、スピーカーから出るバックトラックの音が小さめだったので、ラップの聞こえが良かったということもあるかもしれないが。

次は、YouTubeを通して知り合ったというDJ Haesのトラックの上で「Luv(sic)」。Emi Meyerのバイオリンでいいのかな弦楽器の音が効果的な仕上がりだ。続いてNujabes仕様の「Luv(sic) pt.2」。Yakkleプロデュースの「Battlecry」を経て、KKと初めてライブでやるという「Lift the Fog Up」へ。ここまでが英詩曲パート。

英語のできない身としては、英詩だと言葉の選択の巧みさやニュアンスが日本語詩のようにはわからないわけで、次の「銃口」からの日本語詩曲の流れの方がずっと楽しめた。

中でも「殴雨」~「抱擁」は圧巻。上音のほとんどないシンプルなトラックの上で言葉のつぶてを矢継ぎ早に吐き出す。「殴雨」の最後のところではラップを幾分早くして、そのまま「抱擁」の1ヴァース目繋げていたので、7分半ぐらいずっとラップし続けたことになるのだが、少しも息を切らす様子を見せず、言葉がよれることもなかった。やっぱり彼は巧いよ。

KKがやった「Life the Fog Up」以外はEccyがバックDJを担っていて、ライブの最後にはシンゴ2に"ヒップホップの鑑だ"とまでいわれていたけれど、邪魔くさい効果音を挿入することが多く、非常に煩わしかった。「殴雨」~「抱擁」が特にそうだ。ラップを聴かせるところで雑音をかぶせていて、どうにも迷惑。

「PEARL HARBOR」は日本語バージョン。フックなしで1ヴァースのみ。最後は「400」で締め。これもところどころでうるさい電子音が入り、あのダイナミックなビートが打ち消されていたのは残念。でもラップのキレはすばらしいのひと言だった。

18時54分終了。


上でも書いたが、シンゴ2はラップが巧い。これに尽きると思う。音源を聴けば、トラックメイクの才能も確認できるし、ラップの巧さ(フロウはもちろん、日本語の使い方の上品さ、語彙の豊富さ、ウィットの鮮やかさ等々)、志の高さや感度の良いアンテナなども持ち合わせていて、多方面に才のあるアーティストだと理解しているが、昨年のニューアルバムに合わせてやっていたいくつかのライブを見て、実戦に難があるのかなと思っていた。でもそんなことはなかった。思い過ごしだった。彼は巧い。あとはコンスタントに音源を出してくれと切に願うだけ。


前座 / KENSHO KUMA
1.?
2.?
3.? feat. 三千世界
4.the V.O.L.S feat. Shing02

1.振動
2.Luv(sic) DJ Haes Remix
3.Luv(sic) pt.2
4.Battlecry Trifecta
5.Lift the Fog Up / KK + Shing02
6.銃口
7.殴雨
8.抱擁
9.PEARL HARBOR
10.400
2009.06.21 Sunday 23:59 | 音楽 | comments(2) | trackbacks(0)
降神&中ムラサトコ@代々木公園野外音楽堂
去年に引き続き、今年もエコとはほど遠い人間ではあるのだけど、GeshiFes2009に行ってきた。起きたら大雨だったこともありグダグダしすぎてしまい、14時15分過ぎに到着する。音のセッティング中でオープニングアクトのATOMにどうにか間に合うことができた。良かった。


【ATOM】 14:25〜14:48

司会として夏至フェスの開会を簡単に告げた後に、そのままDJブースの後ろに立ちライブスタート。いつものやや安手なブレイクビーツが鳴り出す。ヴァースですごいライムをかましたかと思うと、フックで途端に子供の鼻歌のようになってしまう。クオリティの乱高下が激しい。SUIKAのフックはタケウチカズタケかTakatsukiが作ってるんだろうなぁ。足を取られそうになりながらも強引に突き進んでいくヴァースでのラップスタイルは唯一無二で魅力なんだけど。


1.? ("雲よりも山よりも星よりも***"
    というフック)
2.デイ・トリッパー
3.? (高尾山で天狗に出会った話)
4.SHIVA
5.Image



【中ムラサトコ】 〜15:26

アトムのステージが終わったのが14時48分。隣駅の恵比寿ではwenodでShing02が1日店長をしていて、15時から1回目のインストアライブの予定だった。行くか行くまいか悩んだ。端の方でどうすんべかどうすんべかと悩んでいたら、ステージ上からいい感じの太鼓の音と声が聞こえてきて、結局恵比寿には向かわず、中ムラサトコというアーティストのライブを最後まで聴き入ってしまった。

足踏みオルガンをメインに、時に太鼓を叩き、声を同期させたりとたったひとりでのパフォーマンスにもかかわらず、音の不足感は微塵もなかった。オルガンの弾き語りになると矢野顕子が見え隠れし、声を幾重にも重ねていく辺りではビョークやケイト・ブッシュを彷彿とさせる。ただ、それ以外にも引き出しが多くて、聴き手を圧倒させる歌唱力・表現力がある。それと同時に親しみやすさも合わせ持っていて、最後の最後まで楽しめた。アルバム買っておけば良かったなと後悔。

歌う題材も面白く、まさかイモムシの恍惚の声を聴くことになるとは思わなかった。


1.鳥の歌
2.あかつきの唄
3.ホームレスのラブソング
4.イモムシの歌
5.あめんぼうの歌
6.旅の歌
7.夕げの香り
8.? (寿町にある空中庭園の歌)



【9dw】 15:36〜16:19

読みは"ナインデイズワンダー"というらしい。ナインスワンダーはお気に入りプロデューサーのひとりだけど、ナインデイズワンダーは初耳。アトム曰く、注目のインストバンドらしい。

このバンドの要はドラムだ。ドラマーが本当にすごい。ジャストなタイム感から生み出されるビートは非常にさわやかで、ごり押しなグルーヴではないのだけど気づくと体が揺れている。中盤以降ベースは辛うじてドラムと絡んで曲の下支えをしていたけれど、でもギターとベースはこのドラマーと一緒のバンドでやるには実力不足だろう。せっかくのビートを生かし切れていない。同じような曲が多いし、展開もワンパターンに陥ってしまっている。

もっとひらめきのあるギターリストや素敵なベースラインを爪弾けるベーシスト、スペーシーな味付け以外もできるキーボーディストとやったらどんな演奏になるのだろう。



【TempleATS】 16:33〜17:33

司会のアトムが紹介する。"確実にこのイベントの山の頂上のひとつです"。

DJブースにはDJ SHUN、DJ 440(ヨシオ)、KOR-1の3人が音を繰り出し始める。まろやかなビートがゆっくりゆっくり代々木公園をヒップホップで満たしていく。

4分が過ぎようとしたころ、舞台袖からMaryJoy所属になったCHIYORIが登場。3人の音に臆したのか中央に出ることなく、舞台端でディレイのかかったマイクから遠慮がちに歌声を乗せる。そのままフェードアウトしてくれれば、降神の時間が増えていいのにという祈りも空しく、「星降る夜に」と「CALL ME」の2曲を披露。狭いクラブでは耳にキンキンと突き刺さる歌声も野外では幾分緩和されていたので助かった。

CHIYORIはそのままステージに残り、首の後ろにツバの大きな麦わら帽子をひっかけた志人が、"いってきまーす"といいながら現れる。曲はもちろん「円都家族」。父母のセリフとして入る"お家に帰ろう"のコーラス部分を担っていたチヨリにようやく存在意義を見出す。音源もチヨリでやれば良かったのにとすら思った。最後の"もう朝"のところのメロディもチヨリのコーラスが入り、いつもと違っていた。

その"もう朝"に呼応して、totoさんが"おはよう"といいながら、志人とチヨリが去ったステージに入ってくる。続いてなのるなもないも姿を現し、演奏したのは当然「まわらないで地球」。去年の夏至フェスでもやったけれど、あの時は条件が悪かったが、今回は存分に味わえた。なのるなもないは先日のライブとは違い、声に張りが戻っていた。太さと繊細さが合わさった絶妙なラップと、totoさんのしなやかでいながら結構力強いポエトリーとが融け合い、なんとも気持ちの良い空間になる。このふたりの曲をもっと聴きたい。

totoさんが引っ込み、志人がひょうたんを片手に現れる。ついに降神のふたりが揃う。一発目は先日も披露していた新曲。"海帰りの体に心地良いよ 海と風の匂い"というなのるなもないの歌詞がある曲。最初に聴いたときは、途中で入る和な旋律のところで終わりで、そこから別の曲になるのかなと思ったけれど、今回も同じだったということはひとつの曲なのだろう。

アカペラなしでそのままJemapurの「Birds Sanctuary」を使った曲へ。ライブではお馴染みの曲だが、いまだに曲名を知らないのは不便でならない。フックに入る直前のブリッジで、センスオブワンダーと入れるのを聴くのは初めてだったかも。

"ムカデに、トカゲ、木陰に隠れて 〜"で始まるアカペラでの掛け合いをした後に、なのるなもないが退場。ふたりがすれ違うときに、後ろ手に手を繋いでから名残惜しそうに別れていた。こういった信頼関係の強さや仲の良さをライブでよく目にするのだけど、なんだか温かい気持ちになれていいのだ。いささかボーイズラブっぽいとも思うけど。

麦わら帽子を目深にかぶった志人はひとりで「今此処」をパフォーマンス。やっぱりリリックを全て聴き取ることはできなかった。トラックとぶつかり過ぎていた印象。

志人が消えた袖から再びtotoさんが登場。"そして物語は続いていく"。即興で軽く一節を諳んじた後に、"ハイビスカスはね、大きくひとつ咲いてシュッと散るんだ / Goodbye Everyone"とトラックに乗せ始めたところで、なのるなもない、tao、志人が次々と姿を現す。2年ほど前のなのるなもないのソロライブ後に音源で流しているのを一度だけ聴いたことがあった、あの曲だ!

【追記】2013.11.22
「アイオライト」

"いつか地球になる前に いつか宇宙になる前に いつかひとつになる前に"と歌われたフックでようやく思い出したが、この曲は先日の渋谷RUIDO K2でもふたりだけでやっていた。その時は本当は4人バージョンで完成をみるあの曲だとは気づきもしなかったけど。totoさん→なのるなもない→tao→志人で繋げていく。taoだけが残念なラップだったが、トラックのシンプルさも魅力だし、メロディもいいしで、録音済なら早いところ発表して欲しい。taoのラップは鼻声ラップをよりわざとらしくした感じで、声が通りにくく、印象が悪い。そのファニーな声に周りでは失笑が漏れていた。

志人、tao、totoさんが去り、がらんとしたステージでなのるなもないがソロ曲を始める。"祭りが終わる 音楽が終わった後の静けさだけが残る"。「クロスケ」だ。進行具合とリンクさせるためか、後半部分だけを披露。この日のなのるなもないは本当に良くて、「月曜日の夢追い人」や「shermanship」、「夜の太陽」といった曲も聴きたいぐらいだった。

また降神での新曲。よくライブでやっているので新曲でもないんだろうけど。"踊ろうよ 全ての命と 望もうよ 壮大な世界を 誇ろうよ 後悔のないよう この世は君が主人公"とフックで歌われる曲。今回は、"この世の全ての出会いとは合縁奇縁なる出会いの倫理"で始まる志人のアカペラでスタート。この世界観は日本では降神ぐらいだろう。凡百のヒップホップからはかなり逸脱しているが、確かなライムと歌唱力、表現力で強烈な説得力を生み出している。胡散臭さがあってもいいからこの世界観でコンセプトアルバムを作って欲しいようにも思う。1枚作ってしまえば、次の局面に行けるのかもしれないし。

【追記】2013.11.22
コメント欄で「return to the childhood」と教わる。

「帰り道」の前のアカペラ──"(志人)野を越え (tao)山越え (なのるなもない)谷越え (totoさん)川を越え (志人)ありがとうへ (tao)さようならへ (なのるなもない)おかえりへ (志人&CHIYORI)ただいまへ (皆)旅立とう"──では、この日ステージに立った全員が揃い踏みで代々木公園を震わす。そのままビルドアップバージョンの「帰り道」へ突入。

"ありがとう また会いましょう / 出会いはいつも僕らに感動をくれた"

きっかり60分のライブは客演が入ったことで降神だけでは幾分重くなりすぎなステージを軽やかなものにし、さらに志人の変化自在なフロウとなのるなもないの情熱的なラップを際立たせた。ゲストが多いからといって、演劇をみているようなスムースで完璧なステージ進行にいささかの狂いが生じることはなく、計算された曲順とゲストのタイミングにはいつになくワクワクさせられた。そして、なによりふたりの調子が良かったので、会心のパフォーマンスを見られた。最後に「帰り道」を聴くと毎回思うことだけど、こちらこそ"ありがとう"の気持ちでいっぱいになる。


1.DJ SHUN, DJ 440 & KOR-1によるセッション
2.星降る夜に / CHIYORI
3.CALL ME / CHIYORI
4.円都家族 / 志人 feat. CHIYORI
5.まわらないで地球 / なのるなもない feat. toto
6.新曲 / 降神
7.? (Jemapurの「Birds Sanctuary」) / 降神
8.今此処 / 志人
9.アイオライト / なのるなもない with toto, tao & 志人
10.クロスケ / なのるなもない feat.DJ SHUN&DJ 440
11.return to the childhood / 降神
12.帰り道 / 降神 feat. tao, toto & CHIYORI
2009.06.21 Sunday 23:58 | 音楽 | comments(8) | trackbacks(0)
カウボーイ 阿佐ヶ谷店 / ステーキ・ハンバーグ(阿佐ヶ谷)

カウボーイ 阿佐ヶ谷店。

阿佐ヶ谷駅の大きい方の改札を出て、高架に沿って高円寺方面に少し歩く。信号を渡り、三菱東京UFJ銀行を左手に見て、30秒も歩くと花屋が右手に見えてくる。そしたらY字を左に行くと、15秒ほどでお店が右手に見えてくるはず。ちなみに花屋の上が株式会社タイタン。爆笑問題の事務所だ。だからこのお店も太田のトークの中で時々出てくる。

ビーフステーキセット220g(1260円)を食す。他にもサイズは300g、450gとあるのだけど、ライスの量も多いし、220gでお腹いっぱいになる。味はといえば、値段から想像する通りの味。思いっきりまずくもないし、大絶賛するほどおいしいわけでもない。ただ、ペッパーランチに行くぐらいなら、少し高くてもこっちに来た方が安心して食べられる。キリンのクラシックビールも置いてあるし。


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カウボーイ 阿佐ヶ谷店
住所:東京都杉並区阿佐谷北1-4-11 グリーンビュー杉並1階
電話:03-5373-6330
時間:11:30~23:00
定休日:
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2009.06.20 Saturday 23:59 | | comments(2) | trackbacks(0)
COMA-CHI『LOVE ME PLEASE!』

2009年6月10日リリースのサードアルバム。

恋愛をテーマにした曲をまとめたコンセプトアルバム。全10曲中新曲は5曲のみ、それ以外は外仕事の寄せ集めと前作『RED NAKED』に収録されていた「perfect angel」のリミックス。

CHEMISTRYのアルバムに入っていた曲以外は聴いたことがあったし、変に水増しするよりも新曲だけで今の勢いをコンパクトにまとめたミニアルバムにした方がずっと魅力的な作品になったのでは。

特にいらなかったのが、KREVA参加曲の後に置かれ、ラップの脆弱さが際立つ結果となったKEN THE 390との7曲目や、DJ HASEBEの少しも気合いの入っていないリミックス(M9)。こんな出来では駄目だと突き返せないものなのか。MICKY RICHなるレゲエ畑の人と掛け合うM10「HEY BOY, HEY GIRL」は赤裸々を通り越して、品性の欠片もないリリックで埋め尽くされていて、こんな曲を最後に持ってくるセンスが分からない。

さて新曲だが、日本語ラップ村の住民として本領発揮しているのがM6「1 on 1」。クレバを本気にさせるほど、久しぶりにかっこいいラップが聴ける。ほとんど骨組みだけといっていいクレバ製のビートの上で、ふたりは男女の痴話げんかを繰り広げる。ポップミュージックにはよくあるテーマだが、ラッパーのふたりが行うわけで、フロウと押韻がきっちり決まっていて、ものすごく聴き応えがある。この曲を聴けただけで十分元が取れたようにも思う。

トラックメイクにも関わったというM1「LOVE ME PLEASE!」では、"あたし以外いったい他に誰がいる?"とラップされる。一体どこからその自信が湧いてくるのか唖然とさせられ、まじまじとジャケットを見直してしまった。強気なリリック以外は取り立てて面白味はない。BACHLOGICによるM3「Mr. Platonic」は歌もの。デジタルコーティングされたトラックがとてもらしい。最後に1ヴァースだけラップしている。冒頭で"恋多き女と言われて来たあたしだけど"と歌っているが、まあキャラとしてはそうなんだろうけど、でも・・・。失礼。

M5「selfish boy」はDJ MITSU THE BEATSによるもの。ジャジーなトラックにラップと歌を混ぜ合わせる得意のスタイル。"横暴な boy にひと言もの申す"と恋愛指南をするリリックはユーモラスで楽しめる。M8「sayonara」はセカンドアルバム『RED NAKED』でも大活躍だったTETTORY BLK。完全にポップミュージック。ラップが少し入るが、ここまで歌えるとなるとラップが邪魔に思えてくる。これをシングルで切ってもそこそこチャートを狙えるのでは。


彼女と同世代の女性にとっては、自分たちの気持ちを代弁してくれるアーティスト、あるいは男性ラッパーとも対等に渡り合って、時に打ち負かすほどの実力があり(とされ)、ちょっと姉御的な立ち位置にいたりするのだろうか。彼女がどう受け入れられているのかさっぱり分からないし、興味も実際のところ湧かないのだけど、日本語ラップの作品としては消化不良であることは確か。


1.LOVE ME PLEASE! 新曲
2.LOVE @ 1st Sight feat. COMA-CHI & 青山テルマ / DJ CELORY
3.Mr. Platonic 新曲                  『BEAUTIFUL TOMORROW』2008
4.Instinct feat. COMA-CHI / CHEMISTRY 『the CHEMISTRY joint album』2009
5.selfish boy 新曲
6.1 on 1 feat. KREVA 新曲
7.Miss You feat. COMA-CHI / KEN THE 390 AL『My Life』2007
8.sayonara 新曲
9.perfect angel DJ HASEBE Summer Luv Remix AL『RED NAKED』2009
10.HEY BOY, HEY GIRL feat. COMA-CHI & MICKY RICH / PUSHIM
                                         SG『ルネサンス』2008


【追記】2009.07.08
2009年6月22日付オリコンアルバムチャート。
初登場第35位。初動4022枚。初動は前作より193枚減。
2009.06.18 Thursday 23:59 | 音楽 | comments(2) | trackbacks(0)
ザ・スピリット / The Spirit

76点/100点満点中

『シン・シティ』(2005年)の監督、フランク・ミラーの最新作。2009年公開作品。

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かつてデニー・コルトだった男は今、"スピリット"としてマスクで顔を隠しながら愛する街セントラル・シティで犯罪と立ち向かっている。ある夜、宿敵"オクトパス"が泥地で怪しい取引に及んでいることを聞きつけ、現場へ急行するのだが・・・。一方で幼馴染みにして初恋の相手だった宝石泥棒サンド・サレフが街に戻ってきていることを知る。
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今年最も期待していた映画だったわけだけど、2005年の心のベストテン第1位に輝いた『シン・シティ』と比較すると、コメディ色が強くなりすぎていて、やや残念な作品だった。オープニングの映像美にこれは期待できると確信し、続くスピリットのモノローグのハードボイルド具合にしびれ、極めつけのセリフ、"街が叫ぶと私の出番だ"でガッツポーズをしたのだけど。

サミュエル・L・ジャクソンが演じた宿敵オクトパスの部下役で、麗しのスカーレット・ヨハンソンが様々なコスプレを披露して目を楽しませてくれた(ナチスドイツの軍服はなかなか見られなそう)わけだけど、そこでの笑いの要素にやや度が過ぎた感がなくもない。ルイス・ロンバルディが演じたクローン人間も愉快ではあったが、ややくどい。

猫だらけのスピリットの部屋に依頼の電話が鳴り、街へ飛び出し、屋根づたいに現場に急ぐオープニングのかっこよさを最後まで続けても良かったのに。無意味に色男ぶりを見せつけていた主人公にもややげんなり気味ではあった。笑いの要素は新人刑事役のスタナ・カティックぐらいでいいようにも思う。

事前に情報を全く入れずに見に行ったので、スピリットの秘密には驚かされたし、ありえないいかにも漫画チックなラストもそれなりに楽しめたわけだけど。

ネクタイの赤を強調させた映像美はさすがフランク・ミラーといった調子だったので、この作風のままもっと撮り続けて欲しい。
2009.06.18 Thursday 23:58 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
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