2013年3月に発表された日本のヒップホップを中心としたフリーダウンロード・ミックステープの一覧。日本語ラップ専門サイト
JPRAP.COMや
2Dcolvicsの情報を元にしている。感謝です。
<"これだけ聴いとけ作品"を簡潔に教えてくれというせっかちな人のための3枚>
左がMUMAの2本目のミックステープ。真ん中はJinmenusagiの今年1発目。そして右端が人気、立ち位置的には若手ナンバー1のSALUの2本目。ムマ22歳、ジンメンウサギ21歳、サル23歳。さんピン世代ラッパーたちの居場所がすでにないのではと思うこと必至だ。ジャケットをクリックするとDL先に飛びます。
【○】VA 『Urban Sampler Session #8』
2013.03.01 / 全31曲81分 / mp3.flac,... /
bandcamp
久し振りに復活したBeat Train Recordingsの名物企画コンピ。お題ビートを使い、72時間で新しいトラックを作りましょうというもので、今回はエキゾチックな音がサンプル曲に指定されたためか、収録時間が長いにも関わらず、飽きることなく最後まで聴ける。EeMuやlee、Ryuei Kotoge、DJ HARAKIRI、katafutaらが参加。
【○】Catarrh, Dekishi, Beyond & Ritzzz 『MTMTE201302』
2013.03.02 / 1枚ファイル34分 / VBR /
SoundCloud
以前から日本で"グライム"に取り組んでいるラッパーに、西はデキシを始めとしたリッツ、ビヨンドら、東ではKITAKANTO SKILLZらがその代表格と理解しているわけだけど、本作はその西の代表に2年前から
サウンドクラウドに高速ラップを発表し始めた期待のカタルナイシンを加えた4人衆が30分強を一瞬で駆け抜ける高揚感溢れるセッション。親切なコメント欄もありがたい。
【○】Gudamanss 『desire』
2013.03.05 / 全8曲15分 / mp3.flac,... /
bandcamp
以前は"絶招"を名乗っていた福岡のラッパーNF Zesshoのトラックメイカー名義グダマンスでのビート集。これまでもラップ曲のトラックやリミックスを手掛けているし、その音自体は知らないわけではないけれど、ラップを乗せることを前提としないビートでは、ラップ有りに比べるとずいぶんとやさぐれ感があり興味深い。
【○】lee 『---yello---』
2013.03.05 / 全8曲26分 / mp3.flac,... /
bandcamp
小倉在住のラッパー兼トラックメイカー・リーのフリーDLでは2本目となるビート集。今回は邦楽をネタに楽しそうに遊んでいる。有名曲もあるが、そうでない曲であっても、誰が歌っている曲なのかその曲名にヒントがあってそれがまたパズルみたいで面白い。最初なんでこんなタイトルなんだろうと思ったが、気付いたらあーなんだ!となる。
【○】yzox 『MV$HVP』
2013.03.05 / 全17曲52分 / mp3,flac,... /
bandcamp
これまでも
サウンドクラウド上(
こっちも)に様々なリミックスを発表してきた"ゅずㄘん"ことyzoxが自身の主宰するネットレーベル第一弾として発表したマッシュアップ集。迷われレコードから昨年発表した『vs Beatles EP』(
DL先)を中心に、そのビートルズ対決やJungle BrothersとPizzicato Five、あるいはThe Jackson 5とPizicatto Fiveなど組み合わせが大物同士ということもあり、かなり楽しめる仕上がりになっている。
【△】Goku Green 『Super High EP』
2013.03.06 / 全5曲18分 / 320kbps /
Tumblr
配信終了。北海道は旭川の17歳・現役高校生ラッパー、ゴク・グリーンの3本目のミックステープ。まんまなストーナーラップは変わらず。その手のアメリカ人ラッパーたちのラップは英語が分からないために単純に音楽として楽しんでいるが、もしある日突然意味が通じるようになってその歌詞をよく聴いたら、ゴク・グリーンと同じように語彙も内容も乏しい代物だったらかなり嫌だ。
【○】TRACTION 『TNGHT (REMIX)』
2013.03.10 / 全5曲14分 / 320kbps /
Twitter
ラッパーのLIGHT YEARとミンちゃん絡みで耳にするVector Beatzによるふたり組。そのライト・イヤーがHudson MohawkeがLuniceと結成したユニットTNGHTで昨年Warpから発表した5曲入りEPをマルッとリミックスしたのが本作。ピコピコとしたビートの上の低体温ラップはフロウで聴かせるだけではなく、テーマにキャッチーさがあり、心の叫びを響かせるM3や浴びるようにアルコールをたしなんだ翌日を歌うM5などリリックも楽しめる。
【○】ARISTO×OSUREK 『BASICK EP』
2013.03.10 / 全8曲24分 / mp3.flac,... /
bandcamp
東京の下町足立区のトラックメイカー、オシュレック・バートップと、同地出身のラッパー・アリストが組んだ1枚。アリストのラップは以前はよく見かけたが、その凋落と共に今では絶えたかに思えるTHA BLUE HERBのILL-BOSSTINOのダンディズムを受け継ぐ。近しい関係にあるforteの面々に提供してもいいほどの本気のトラックをアリストは貰い受けているのだから、曲の後半になっても前半までのテンションをもっと保つ必要がある。オシュレックといえば年末に"ラッパーコンテスト"(
DL先)を独自に行っていて、その時に発表された7曲のビートがどれも素晴らしく、ラップがしたいけれどインストがないというラッパーは落として損はないし、ビート単体で聴いても申し分ない出来だ。
【◎】MUMA 『MUMA SAMPLE DEMO』
2013.03.10 / 全5曲18分(+4曲) / 192kbps /
Twitter
横浜の仲間を中心としたグループLUXAMの一員としても活躍する22歳のラッパー兼トラックメイカーのムマ。昨年に出したミックステープ(
DL先)も素晴らしかったが、今回も期待を裏切らない。一般流通盤もまだ出していないにも関わらず、この世代には有望と断言できるラッパーは多いが、その中でも彼は飛び抜けている。リミックスなしのオリジナルトラックのみで勝負して、この品質は本当にすごい。ラップっぽい言葉に終始し、フロウに逃げているラッパーは彼の刺さる言葉を浴びるといい。
【○】VA 『拝啓、不可思議/wonderboy / それぞれの生き方』
2013.03.11 / 全13曲54分 / mp3.flac,... /
bandcamp
2011年に急逝した不可思議/wonderboyが3.11後にすぐさま発表したチャリティーシングル『生きる』をラッパーやトラックメイカー、詩人たちがそれぞれの方法でリミックスし、所属していたレーベルLHW?がまとめたもの。原曲の雰囲気を大切にするリミックスも良いが、M3のような刺激は新鮮に響く。"正しい"言葉や内容を紡ぎがちなラッパーの中で、M9には谷川俊太郎、ワンダーボーイの言葉の中に短いながらも深く鋭利な言葉を差し挟んで来て、涙腺をわやにさせる。他にM1、M11、M13が聴きどころ。
【○】Ghost2Ghost 『Zombie Powder』
2013.03.11 / 全10曲14分 / mp3.flac,... /
bandcamp
LHW?所属のトラックメイカーEeMuの別名義ゴースト2ゴーストでの3本目のビート集。ホラーラップという特殊ジャンルがあるが、本作は音でのそれ。単に映画『サイコ』の戦慄のシャワーシーンでの音楽を全編でサンプリングしているからだけではなく、日本が誇る語り部稲川淳二も参加し、日本人の怖さのツボを押しまくる。
【○】VA 『NERDSTEP COMMUNE 3』
2013.03.10 / 全9曲43分 / 320kbps /
HP
ネットレーベルLowfer Recordsの、"Nerd×Bass Music"を標榜する人気コンピの第3弾。1曲目からアニメ「PSYCHO-PASS」の主題歌を原曲以上に気持ち良く疾走させ、その後はナードの名にふさわしくそれっぽいアニメの曲がダンス曲に改変され、ふむふむと勉強しつつ、AKIRAでホッとひと息つき、「四季ノ唄」の良リミックスにさすがUSYNとひとりごちる。トリは日本語ラップファンにもお馴染みのThe LASTTRAK!
【○】DJOKWR 『THE BEST OF FREE "BUSY NEEZY" (NIHA-C ONLY MIX)』
2013.03.13 / 全40曲59分 / 320kbps /
Twitter
名古屋の若手ヒップホップグループ國枝Urban Campに所属し、旺盛なソロ活動からそろそろ全国区になろうとしているニハシが2011年4月に発表した『世舞い唄』からの4本のミックステープやシングルなど(
DL可)から彼のヴァースを中心に、これまでの2年間の軌跡を仲間のDJオカワリがまとめたもの。よくもまあこんなに曲を発表したものだと驚くし、そうした膨大な曲をテーマごとに聴きやすくまとめたDJの手腕も含め、最後までだれることなく聴ける。istが関わっている楽曲では、ビートの品質はもちろんのこと、ラップされる内容の面白さが格段に上昇していて、いい組み合わせであることに改めて気づかされる。
【○】SALU 『BIS2』
2013.03.14 / 全13曲50分 / 320kbps /
Twitter
同年代の若者が熱狂的に応援している感はあるものの、期待の若手といわれているラッパーの中で頭ひとつ抜けたのは確かだ。それは本作での余裕のある態度からもうかがえる。デビューアルバム前に出された『Before I Signed』(
DL可)は当時ぐらいから徐々に熱を帯び始めたミックステープブームに便乗し、箔をつけるためだけに出したお手軽で粗悪な作品だったが、本作ではどこからどう聴いてもサル印のフロウで余裕綽々なラップをかまし、その姿勢がまさにスワッグを体現し、ノリに乗っているアーティストが持つ強い輝きをまとっている。
【○】YU$HI 『TINK TWICE』
2013.03.15 / 全6曲18分 / wav /
blog
渋谷を中心に活動するDUST 4 LIFEというグループに所属するユーシのソロ作。巻き舌に語尾伸ばしのエセバイリンガルフロウ、さらに数々のパクリ。ただそれをとことんまでわざとらしく突き詰めると、面白さに変換するという不思議さを味わえる。最後の曲では、Zeebraも所属しているコミックバンド・カイキゲッショクからボーカルのTxBONEがベースで、JESSEがギターで参加している。
【○】maemon 『Understand?』
2013.03.15 / 全16曲31分 / 128kbps /
blog
ニューヨーク在住の日本人トラックメイカー・マエモンの昨年1月以来となるビート集。前作もそうだったのだけど、サンプリングの味を生かしたビートは悪くはない(M6、9、11、14)けれど、格別すごくもないというもの。ニューヨークに渡ったということは自分の才能にそれなりの確信があったからだろうし、そうなると聴き手としてもついついハードルを上げてしまう。
【△】桂マザファキ乃輔 & atmos 『Unthology』
2013.03.18 / 全8曲29分 / 128,192kbps /
ニコニコ動画
桂マザファキ乃輔とアトモスの2MCは、先月ミックステープ(
DL先)を発表しているtrimnicaのメンバーだが、それ以前に大阪で活動していたDUFF-ZA-NYZというグループでも一緒だったそうだ(トリムニカのトラックメイカー鶴も在籍し、本作ではミックスを担当している)。先のミックステープでは目覚ましいラップを披露していたアトモスだけれど、ここではその出自であるニコニコ動画ラッパーのスタイルを引きずったものであり、聴ける曲は少ない。M1とM3、M5、曲としてまともなのはM7。デュオを同じグループのメンバーと組むなら彼ではないだろう。
【○】ROSE 『NEW FACE』
2013.03.19 / 全6曲18分 / 160kbps /
YouTube
ロゼと読む横浜からの新顔ラッパー。1993年生まれ。ビートに言葉を乗せることができるという意味では音楽をしているが、フロウはRAU DEFのそれであり、エセバイリンガル風のすわっぐはもうそれだけで賞賛される時代はとっくに過ぎている。後半に歌物フックの曲があるのは悪くなく、ジャケットからはオリジナルと思われるトラックもM6を始めとしてとても聴きやすい。"水面映し出す今宵の月よ 想いは光繋げる明日へと"や、"次向かう場所は楽しいはず だってみんな帰ってこないから 俺も今旅立つ"といった自分の言葉があるのだから、誰もが使うありがちなリリックから脱却すべきだ。
【○】Lidly 『core EP』
2013.03.20 / 全10曲29分 / mp3.flac,... /
bandcamp
最近だとJinmenusagiのセカンドアルバムにトラックを提供するなどその活動の幅を少しずつ広げている東京在住のトラックメイカー・リドリーのビート集。昨年11月から2月までの間に
サウンドクラウド上で発表した音源をまとめている。私が存在を知ったのは2011年末だったのだけど、確かに2012年後半ぐらいから気になるビートを作り始めた印象がある。本作に収録された楽曲だとM3やM8は特に刺激的だ。
【○】Ventla 『Hell Days To Remember』
2013.03.25 / 全10曲19分 / 320kbps /
Tumblr
ネットの荒波の中には途方もない才能が往々にして眠っているもので、彼もそうしたひとりなのかもしれない。この1作しか聴いてないので断言はできないが、彼の
サウンドクラウドの横に並ぶフリーダウンロード作品一覧を見ると本作はなんと22作目とのこと。渋谷系から派生した宅録ポップスは趣味よく爽やかに鼓膜を癒してくれる。
【○】Jinmenusagi 『R2BA』
2013.03.26 / 全5曲20分 / 320kbps /
HP
ラッパー名義ではこのジンメンウサギ、トラックメイカーの時はGhost Cheekとして活動する21歳のミュージシャンの新作ミックステープ。"Reborn 2 Be Alive"を意味する題名を冠し、M1でも心境や決意を赤裸々に語り、その自信のほどを見せるが、確かに本作はかなり良い。正規流通の1枚目のアルバムは驚異のラップ技術を見せつける出来だったものの、到達地点がはるかかなた過ぎて凡人の耳にはその内容が入ってこなかった。今年頭にリリースされた2枚目は歌詞の聴き取りという意味では改善されたものの、今度は反対に高度な技術を抑えたようにも映り、迫力を失っていた。聴き手というものは本当に勝手だと自認してはいるがそれが正直な感想でもある。そして、本作はスキルの高さの証明と分かりやすさのバランスがちょうど良くなっている。当人としては憤懣やるかたないだろうがアルバム2作よりも本作、あるいは昨年アップされたミックステープ『I MAY SICK』に軍配を上げたい。
【○】Stouch aka MC JIN 『Unbelievable』
2013.03.28 / 全11曲35分 / 128,192,256,320kbps /
YouTube
ちょうど1年前の2012年3月28日にまだ19歳でこの世を
去ったラッパーが残した音源をまとめたミックステープ。日本人とパラグアイ人のハーフとして日本で生まれ、10代半ばをパラグアイで
過ごした彼は、2012年1月に帰国し東京での音楽活動を始めた
矢先だった。パラグアイということでスペイン語と日本語の2ヶ国語でラップしている。JinmenusagiやRAqが参加。
【○】Narvubeats 『Borrowed.Times.Ep.Prt.1』
2013.03.28 / 全8曲10分 / 320kbps /
bandcamp
OILWORKS所属の恐るべき速さでビートを生み出し続けるNaoto Taguchiの、Andherpackageに続く新名義がこのNarvubeatsとの
こと。気づいたら1月だけで7作もアップされていて(すでにフリーDL分はリミットに)、本作はこの名義での10作目のビート集となる。特徴的な揺れる音はそのままにヒップホップらしい音に立ち返った印象。
【○】OMSB 『KITAJIMAFIOSO』
2013.03.29 / 全8曲28分 / mp3.flac,... /
bandcamp
正規アルバムリリース後もコンスタントにフリーDLのビート集を出し続けるSIMI LABの屋台骨オムスビの新作。昨年6月発表の『Kitajima "36" SubLaw』は
サウンドクラウドにアップしてきた楽曲をまとめたものだったが、今回はその音雲への熱情が薄れてきた表れか最近はさびしい更新状況でもあり、その分新作がたんと収録されている。生きの良さや無料の時の彼らしくへんてこりんさがあればまだ面白いが普通な仕上がりでいまいち。
【○】Ryuuta Takaki 『PLANKTON.EP』
2013.03.30 / 全9曲17分 / mp3.flac,... /
bandcamp
今年からLHW?に所属している17歳高校生トラックメイカーの4作目のビート集。曲名から連想するに生態系にとってなくてはならないプランクトンの生きざまを描いているようだが、それはともかく例の静謐さと共に印象的なメロディを備えるビートが生まれていて聴きやすさが増している。LHW?主宰のParanelはミュージシャンという側面だけではなく有望な新人を発掘するその手腕もかなり素晴らしいものがあり、その彼のお眼鏡にかなった17歳となるとそれだけで先入観の入った耳で聴いてしまう面は否定できないわけだけど。
【○】BETA PANAMA 『BALEARIC HAWAII』
2013.03.31 / 全6曲23分 / 320kbps /
bandcamp
やけのはらの新作にも参加しているオーストラリア在住のトラックメイカーのビート集。"バレアリック・トラックをリエディットし"、スティールギターを
加え、"過去の偉大な架空ハワイアン作品の続きを自己解釈"という
説明通りに浜辺で聴きたくなる心地よさがある。"バレアリック"という言葉に馴染みがなかったので、検索したらあのイビサを含む"バレアレス諸島"と出たけれど、ハワイとの繋がりは勉強不足で不明。でもスティールギターの浮遊感が良く効いていて難しいことを考える必要もない。
【△】泉まくら 『卒業と、それまでのうとうと 〜Another Remixes〜』
2013.03.31 / 全5曲20分 / 320kbps /
blog
昨年11月に術ノ穴から音源デビューを果たした福岡の女性ラッパー。若い女性アーティストを面白がって実力あるミュージシャンがサポートする例は昔からあるわけだけど、彼女についてもそれがいえて本来の実力とは不釣り合いなメンツが参加していたデビュー作だった。本作ではフリーDL界隈で活躍するトラックメイカーたちが彼女のラップを調理する。赤裸々な思いを舌足らずなラップで表現するそのギャップに面白味があるわけで、M3やM5のように声にエフェクトをかけないのが正解だと思うが、それでもかけてしまう曲が3曲もあるということは使わずにいられないほどラップが下手っぴということなのだろう。
【○】Yuuyu Aensland 『Export』
2013.03.31 / 全8曲29分 / VBR /
Tumblr
ラッパーCherry Brownの、Lil'諭吉とはまた別のトラックメイカー名義ユーユ・アースランドでのビート集。リミックス主体となった昨年の『Reeemix EP』(
DL先)や、2011年の力作『Her Memories』(
DL先)がそうであったように、本人が今一番聴いていて作って楽しんでいるヒップホップに囚われない音が詰め込まれている。組み上げたビート全てがお金になる世の中がきっと一番良いのだろうけれど、こうした作品を聴くと今関心のある音をすぐさま発表できる無料配信ミックステープという形式はそれはそれで自由度をより発揮でき、有効なやり方であることが分かる。チェリー・ブラウンとしての処女作を今年こそ期待したいが。
【○】Gudamanss & Fullownin 『Halfmoon EP』
2013.03.31 / 全6曲12分 / mp3.flac,... /
bandcamp
共に今年で20歳になるという若いふたりのコラボ作。グダマンスのビートの上にラッパー浮浪人の言葉が乗る。せっかく特異な言語感覚を持っていてもそれを伝えるラップの力量がなければ、宝の持ち腐れだ。どの言葉も同じ力を込めて発声されている。自分が生み出した子供たちに平等に接する気構えは大事だが、ラップ全体が平坦となり、山が作られず、耳の奥深くまで言葉が入ってこない。雰囲気のあるM3がいい。
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<まとめ>
2010年〜2011年1月〜9月分
Tegetther
2012年
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2013年
1月 2月
・「JPRAP.COM presents "The Se7en Deadly Sins"」 →
記事(2011.05.26記)
2010年の主要フリーダウンロードミックステープについてもある程度まとめてある。
・「昨今の国産ヒップホップ・無料DLミックステープ事情」 →
記事(2011.09.30記)
2011年前半の作品に焦点を当てた記事。
・「VA『Fat Bob's ORDER vol.1』」 →
記事(2011.10.07記)
記事の最後に名古屋関連のミックステープのまとめた。
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