すばらしくてNICE CHOICE

暇な時に、
本・音楽・漫画・映画の
勝手な感想を書いていきます。
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2021.02.10 Wednesday | - | - | -
無料配信ミックステープ2月号(2014)
国産ヒップホップを中心としたフリーダウンロード・ミックステープの2014年2月発表分一覧。日本語ラップ専門情報サイト2Dcolvicsで紹介された作品を主に取り上げている。



【】VA 『D.Stealth Bank Presents "FREE BANK" LOST TAPE 2014 Mixed By DJ IPPEI』
2014.02.02 / 1枚ファイル48分 / 320kbps / SoundCloud




【】maru-ai 『no name』
2014.02.02 / 全6曲18分 / aif,160kbps / Twitter
3日間限定配信。



【】MiRRoR 『10LOOKS』
2014.02.05 / 全10曲39分 / 192kbps / Twitter




【】8BLOX 『TRICK & FLOW』
2012.01.03 / 全6曲19分 / 320kbps / Twitter




【】Shinsuke Yamaguchi. 『YOSE-ATSUME EP』
2014.02.06 / 全14曲35分 / mp3,flac,... / bandcamp




【】VA 『DISCPSK-003』
2014.02.07 / 全13曲47分 / mp3,flac,... / bandcamp




【】LEO 『Annibars 1』
2014.02.09 / 全19曲59分 / 128kbps / audiomack




【】cola_drunk 『Give me a Coke!』
2014.02.10 / 全9曲26分 / mp3,flac,... / bandcamp




【】DJBA 『DJBA FREE BEAT Vol.1』
2014.02.12 / 全8曲27分 / 320kbps / Twitter




【】DIZZY 『SPACE MEGAMI ANRI』
2014.02.14 / 全10曲35分 / mp3,flac,... / bandcamp
配信終了。



【】Sparrow 『Sparrow'z Collection』
2014.02.14 / 全15曲38分 / 192kbps / blog
配信終了。



【】Herrokkin & ラブリーサマーちゃん 『笑い話』
2014.02.14 / 全6曲30分 / 320kbps / HP




【】RIVERSIDE MOBB & FRIENDS 『住まいは川沿 1』
2014.02.17 / 全14曲43分 / 320kbps / audiomack




【】TKS 『walk on by (特典版)』
2014.02.22 / 全12曲38分 / 320kbps / Twitter




【】MVTEN a.k.a SrawBurn 『Just a moment』
2014.02.23 / 全8曲23分 / 192kbps,VBR / audiomack




【】Machete 『1990』
2014.02.25 / 全6曲14分 / mp3,flac,... / bandcamp




【】DJ TATSUMA 『Beat Tape vol.2』
2014.02.26 / 全9曲39分 / 320kbps / SoundCloud




【】SUNNOVA 『QUIETS』
2014.02.27 / 全12曲27分 / mp3,flac,... / bandcamp




【】ISSEI & DJ KENZI 『#THERoomService2』
2014.02.28 / 全11曲38分 / mp3,flac,... / bandcamp




【】VA 『OSR001』
2014.02.28 / 全19曲66分 / mp3,flac,... / bandcamp






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<まとめ>
2010年〜2011年1月〜9月分 Tegetther
2012年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2013年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2014年 1月

・「JPRAP.COM presents "The Se7en Deadly Sins"」 →記事(2011.05.26記)
  2010年の主要フリーダウンロードミックステープについてもある程度まとめてある。
・「昨今の国産ヒップホップ・無料DLミックステープ事情」 →記事(2011.09.30記)
  2011年前半の作品に焦点を当てた記事。
・「VA『Fat Bob's ORDER vol.1』」 →記事(2011.10.07記)
  記事の最後に名古屋関連のミックステープをまとめた。
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2014.02.28 Friday 23:59 | 音楽 | comments(0) | trackbacks(0)
愛してる、愛してない... / À la folie... pas du tout

70点/100点満点中

2002年のオドレイ・トトゥ主演作。サイコサスペンス。製作費620万ユーロ。

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フランス・ボルドー。美術学校に通うアンジェリクは心臓外科医ロイックと不倫の関係ながらも付き合っている。現在妊娠中の彼の妻ラシェルとは離婚寸前と聞かされている。ところが、裁判所の前で寄り添うロイックとラシェルを目撃し、やがてアンジェリクの様子がおかしくなっていく。
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先日の『ゾンゲリア』と同じく、まとめサイトの記事「最後にどんでん返しがある映画が好きな俺にオススメの映画教えてくれ」で知った作品。本作は『ゾンゲリア』のように"最後に"どんでん返しがあるわけではなく、中途に出てくるのだけど、なるほどでも楽しんで見られた。

不倫の間柄ながらも出会った記念日にバラを送ったり、デッサンの授業中にはモデルの顔を彼氏にすげ替えて描いてしまったりと美大生アンジェリクと医師ロイックとの関係はうまくいっている。ひとつ気がかりな妊娠中の奥さんラシェルとは別れると聞かされている。前半の40分はふたりの良好な関係が描かれる。そして後半、宮藤官九郎のTVドラマ「木更津キャッツアイ」(ちょうど同じ2002年)のようにキュルルルとそれまでの40分間の出来事が巻き戻され、ロイックの視点で全く違う事情のドラマが語られ出す。そして『羊たちの沈黙』のごとく狂人が世に放たれて終わる(特典映像にはまんまそっくりな別バージョンも収録)。

本作は世界的に大ヒットした『アメリ』のほぼ1年後に公開されている。オドレイ・トトゥが当時どう思っていたのかは知らないが、プレッシャーはかなりものがあったと思うし、『アメリ』のイメージが定着するのを嫌ったとしても不思議ではない。本作の冒頭は『アメリ』でのファンタジックな印象をかなり踏襲して、不倫ではあるけれど、幸せな女の子を振る舞っている。そうしてファンを安心させつつ、後半で一気に『アメリ』を剥ぎ取りにかかる。しかし、アメリにしたって不思議ちゃんで、よくよく考えればちょっと危ない子でもあり、本作のアンジェリクの要素は十分あったのかもしれない。

前半のエピソードを違う角度から明らかにするのが後半ではあるのだけど、もう少しああそういうことだったのかという巧さが欲しいところではある。クドカンはそれが上手だった。とはいえ、本作でのオドレイ・トトゥはかわいい。彼女の最新作『ムード・インディゴ』でも普遍の愛らしさはあったが、時の流れを感じたのも事実だったわけで、怖い女性を演じているとはいえ彼女の魅力に溢れた1本なのだろう。
2014.02.28 Friday 23:58 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
The Modern Jazz Quartet『The Last Concert』

The Modern Jazz Quartet / The Last Concert
邦題:ラスト・コンサート (完全盤)
Label: Atlantic
Release: 1988

Personnel:
John Lewis - piano
Milt Jackson - vibraphone
Percy Heath - bass
Connie Kay - drums

Recording Date: 1974.11.25 Live at Avery Fisher Hall, NY

Song List:
Disc 1 (第1部)
01. Softly As In A Morning Sunrise / 朝日のようにさわやかに
02. The Cylinder
03. Summertime
04. Really True Blues
05. What's New?
06. Blues In A Minor / Aマイナーのブルース
07. Confirmation
08. 'round Midnight
09. A Night In Tunisia / チュニジアの夜
10. Tears From The Children
11. Blues In H (B) / H(B)のブルース
12. England's Carol
Disc 2 (第2部)
01. The Golden Striker
02. One Never Knows / ひとしれず
03. Trav'lin'
04. Skating In Central Park
05. The Legendary Profile [Bonus Track]
06. Adagio From The Guitar Concerto: Concerto De Aranjuez / アランフェス協奏曲 [Bonus Track]
07. The Jasmine Tree
08. In Memoriam
(アンコール)
09. Django
10. Bags' Groove
2014.02.28 Friday 00:00 | ジャズ | comments(0) | trackbacks(0)
ブレーキ / Brake

65点/100点満点中

2012年のスティーヴン・ドーフ主演・製作によるサスペンススリラー。トム・ベレンジャーも出演。

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ジェレミー・レインズはある日何者かに誘拐され、目覚めると透明な狭い箱の中にいた。頭上にはデジタル時計が設置され、静かにカウントダウンを始める。犯人の目的は何なのか。はたして無事脱出できるのか。
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英国産サスペンス『FOUR 4』の予告編案内にあって気になっていた映画。でもとりあえず先発の『[リミット]』を見てからだなと思っていたので、このタイミングでの鑑賞。

[リミット]』あっての本作であり、共に主人公が目覚めるとほとんど身動き取れない狭い箱の中にいるところから始まる。後発だけに工夫を凝らしてあり、閉じ込められた主人公というワンアイデアにとどまらず、物語に広がりを持たせているため、単純に面白さでいえば本作に軍配だ。『[リミット]』の徹頭徹尾ひつぎの中だけで展開されるという演出は当然評価されるものの、物語にかなりの制限が加えられるのはやむを得ないわけで、本作の方がやや分がある。

今回は携帯電話ではなく、無線機が置かれていて同じようにどこか別の場所で囚われているヘンリー・ショーと名乗る国の役人と連絡が取れる(ちなみに、"キノ"というゲームはこれだそう)。やがて、彼らは車のトランクに押し込められてるのがはっきりし、非常時に大統領が避難する"ルーレット"と呼ばれる任意に変わる隠れ場所を聞き出すためにシークレットサービスの一員のジェレミーを拉致したことが明らかとなる。

何とか逃げ出そうと試みるジェレミー。テロリストもさるもので3ヶ月別居している奥さんのモリーを脅しに利用したりと攻防が続く。閉じ込められたプラスチック箱の上に表示されているデジタル時計がイマイチ機能していない点はどうなんだろうと思いつつも、ヘンリーを始め同僚のベンすらも信用していいのか分からない展開は興味深い。が、終盤で外が急変し、物語がさらに拡張すると整合性に小さなひずみも出てきて一体どうなると思ったら、オチがつまんねーーーとなってしまう。でもその直後にもう1回ひっくり返して、おおそう来るかと驚くと共に、つまんねーーと評価を一気に下げた後だっただけに余計にグッと急上昇してしまう。細部での無理矢理はあったりもするがそこはそれだろう。
2014.02.27 Thursday 23:58 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
[リミット] / Buried

66点/100点満点中

2010年のスペイン映画。ライアン・レイノルズ主演のサスペンススリラー。監督は本作の成功でハリウッドデビューし『レッド・ライト』を撮るロドリゴ・コルテス。製作費200万ドル。

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イラクで物資運搬トラックの運転手をするアメリカ人ポール・コンロイたちは業務中に突然襲撃に遭う。意識を失った彼が目を覚ますと狭い木製の箱の中だった。手元にあるはライターと、自分のものではない携帯電話。状況がつかめず、焦りが彼を襲う中、携帯電話で懸命に救助を求めようとするポールだったが・・・。
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長いオープニングクレジット(3分弱)の後はほぼ棺桶の中で生き延びようと必死になるライアン・レイノルズの活躍が映し出される。光源が少ないこともあり、別に有名俳優の彼でなくてもいいような気もするが、よく磨きこまれた白い歯がきらりと光り、ただのトラック運転手ではないことがありありなレイノルズの演技はそれでも高く評価されたそうだ。

ひつぎの中で物語を展開させるというそのアイデアを約90分間貫いたことがすごい。ソリッドシチュエーションスリラーの極致。前半確かに1回寝たし、面白いか面白くないかの2択でいえば明らかに後者なのだけど、契約社会らしい米国の一側面をありありと見せるCRT社のものいいはいら立ちが募っていい感じだし、何よりオチがよくできている。でもやっぱりこの状況でよく長編1本分撮ったものだという感嘆が先立つ。
2014.02.27 Thursday 23:57 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
リービング・ラスベガス / Leaving Las Vegas

58点/100点満点中

ジャズ映画。ニコラス・ケイジがアカデミー賞とゴールデングローブ賞のふたつで主演男優賞を獲得(マジか!)した1995年の恋愛もの。監督・脚本・音楽はマイク・フィギス。ヒロインには『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』からマーティの恋人を演じたエリザベス・シュー。カメオ出演的にバーテンダー役でジュリアン・レノン。オスカーでは他に監督賞、主演女優賞、脚色賞で候補に。製作費360万ドル。

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重度のアルコール依存症のため映画会社から解雇された脚本家ベンは、死ぬまで酒を飲み続けようとラスベガスへ向かう。偶然出会った娼婦サラに惹かれる。錯乱気味のポン引きに脅えるサラも彼に安らぎを覚える。ふたりは互いの行動に干渉しない事を約束し同居生活を始める。
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いったい誰が本作をジャズ映画っていったんだ?改めてメモしていたを見てみたら、"スティングのジャズがあっての映画"となっていた。その上の『スウィング・キッズ』が紹介されている流れで読んでいて、元ポリスのベースボーカル、"スティング"を"スウィング"と早合点したのだ。題名もラスベガスだし、あまりイメージはないけれど今この時代にビッグバンドを編成できるとしたらカジノの街ぐらいかとひとり得心してしまったのが運の尽き。くだらない映画で2時間弱無駄にした。

まあジャズっぽい曲は延々流れるのでその整理から。ジャズ初心者の携帯音楽プレイヤーにもモダン・ジャズ・クァルテットとソニー・クリスによるカバーが入っているほどのスタンダード曲「Angel Eyes」や、フランク・シナトラが1953年にリリースした「My One and Only Love」。これはホレス・シルヴァーやオスカー・ピーターソン、コールマン・ホーキンス、他にもアート・テイタムとベン・ウェブスターのクァルテットでの名演で聴いてきた。「降っても晴れても(Come Rain or Come Shine)」はビーバップ期の誰もが演奏していた印象がある。シナトラやナット・キング・コールらが歌った「白い夜霧のブルース(It's a Lonesome Old Town)」は初めてだがおそらくスタンダードなのだろう。

「降っても晴れても」のみイーグルスのドン・ヘンリーで、他3曲はスティングが哀愁帯びたメロディを切々と歌いさらに悲哀を厚塗りさせる。歌詞があると違和感を覚えるのはボーカル物にまだ手を出していない甘ちゃんだからだろう。とはいえ、歌詞が陳腐な「My One and Only Love」などを聴くとインストカバーの方がいいなとは思ってしまう。歌曲以外にも全編でもの悲しいサックスの音色が流れる。"ジャズ映画"だし。

物語は娼婦とアル中の恋愛模様で、死に場所にラスベガスを定めやって来たベンはサラと出会い、端から悲恋になるしかないと分かっている関係をとうとうと描く。設定的には面白いが、ロシア系のポン引きの末路のくだりなどどうにも独善的な展開が多く、見てられない。良いと思えたのは映画が終わって初めて題名の意味が分かるところか。

現在アメリカで人気絶頂のチャニング・テイタムのその支持されている理由が全く分からないのと同じように、ニコラス・ケイジの人気も謎のひとつだ。本作でもそのぼやけたカバ面を延々映し出していて、演技力どうこうよりも見苦しさにまずいら立ちが募る。これでオスカーを取っていると知った時の驚きといったらない。マジかよ。こんなのがね。
2014.02.26 Wednesday 23:58 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
Keith Jarrett『Belonging』

Keith Jarrett / Belonging
Label: ECM
Release: 1974

Personnel:
Jan Garbarek - tenor sax, soprano sax
Keith Jarrett - piano
Palle Danielsson - bass
Jon Christensen - drums

Recording Date: 1974.04.24-25

Song List:
01. Spiral Dance
02. Blossom
03. 'Long As You Know You're Living Yours
04. Belonging
05. The Windup
06. Solstice
2014.02.26 Wednesday 00:00 | ジャズ | comments(0) | trackbacks(0)
スウィングガールズ

89点/100点満点中

ジャズ映画。『ウォーターボーイズ』の矢口史靖監督・脚本、『ジョゼと虎と魚たち』『のだめカンタービレ』の上野樹里主演(ts)による2004年の音楽青春もの。共演に平岡祐太(p)、貫地谷しほり(tp)、本仮屋ユイカ(tb)、竹中直人、白石美帆、『耳をすませば』で天沢聖司を担当した高橋一生、カメオ出演的に谷啓(tb)、高校野球で声援を飛ばす女の子としてモデルの岩佐真悠子。他にあまちゃんメンバーもちらほら。

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山形の山河高校の夏休み。鈴木友子を始め13人の落ちこぼれ女子生徒が補習を受けていると、高校野球の応援に行ったブラスバンド部の弁当が遅れて届く。その弁当運びを口実に13人は補習を抜け出す。長い道中炎天下に晒された弁当に、ブラバンの生徒は次々と入院。唯一難を逃れた中村拓雄は次の試合までに即席のブラスバンドを作ろうとするが、集まったのは補習サボりが目的の友子たち13人と+3人。17人でも可能なビッグバンドジャズに変更し・・・。
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もう10年も前の作品なのか。ヒットしていたのは知っていたが、今以上に邦画を小馬鹿にしていた頃で、シンクロナイズドスイミングで男の子の青春を描いて、次もまた奇をてらってマイナーなジャズを題材に女の子の青春物語か、あんちょく〜とか思っていた当時の自分を引っ叩きたい。とてもいい正統派青春映画だ。

本作の大ヒットで、最近の若い子はジャズといえばビッグバンドと思っているらしいと苦言めいたニュアンスで書かれた文章をどこかで読んだことがあって、ヒット映画の功罪って色々あるよね、ジャズも色々なのにねぇとか、見てもいないのに否定的に捉えていたのもごめんなさいだ。見たら最後、ビッグバンドやるっしょ!「イン・ザ・ムード」口ずさむでしょ!「シング・シング・シング」踊っちゃうでしょ!実家のトランペット取り出すしかないじゃん!(でもこの間帰ったときに吹いてみたらまだ音出せた。本作でも描かれているけれど唇を微妙に振るわせて音を出すのが最初は難しい)、となること必死の素敵な音楽映画だ。

不純な動機で初めて楽器を手に取った上野樹里演じる友子たちが、最初は後ろ向きに取り組んでいたのに、音を出せるようになり、曲がりなりにも全員で合わせて演奏する楽しみを体験し下手なりに魅力に取りつかれていく流れや、その後一度は諦めかけるも、でも音を出したいという"楽しさ"が先に立って再び自分たちでバンドを組む展開は、映画だしファンタジックではあるのだけど、みんなで合奏する"楽しさ"をしっかり描けているからこちらまで熱くなってしまう。

クライマックスでトロンボーン・ソロを吹く本仮屋ユイカ扮する眼鏡少女関口の立ち姿のかっこよさといったらない。グッと寄ったカメラもいい。ハラハラさせられるトランペット良江(貫地谷しほり)のハイトーンもいいし、足で拍を取りながら演奏している友子も実に楽しげだ。

何かひとつのことに熱中し、拙いながらも結実させる思春期の青春物語のまさに王道であり、演出的に何か新しいものがあるわけではない。でも、王道ならではの強度があり、若い各俳優たちが元気に演じることで、生き生きとした画面になっている。

夏休み中というある意味非日常の中で知り合った、クラスも当然属しているグループも違う友子と良江が、新学期が始まってから廊下ですれ違うシーンがいい。休み中親しくしたものの、再び日常が始まり、一時交わった線が再び離れていく。その重なった一瞬の、夏の象徴のような眼帯を良恵はゴミ箱に捨てるのだ。

横断歩道の青の時に流れる曲を聞いて、黒人特有のジャズのリズムを理解するきっかけになるシーンも面白い。私自身は体感としてはよく分からなかったのだけど(ラストでの最初の手拍手がジャズ的ではないのは分かる)、そこから彼女たちは一気にスウィングを物にする。雪合戦からのふたりのシーンは当然大好きだ。バンド小僧ふたり組が「シング・シング・シング」ならぬ"好きだ好きだ好きだ"のお手製横断幕を作っているのも笑える。

邦画特有の間延びする印象はやっぱりあるのだけど、それでも溌剌とした若さが画面いっぱいに放射され、それがジャズというのもいいし、いい青春映画だ。上野樹里の天然ぶりが弾けるコメンタリー特典も楽しい。


・竹中直人演じるジャズ好きの数学教師が熱く語っていたキャノンボール・アダレイのアルバムについて。Cannonball Adderley 『Cannonball Adderley And The Poll Winners』(1960年録音) 米ウィキ

・その部屋に飾られているジャズアルバムは、マイルズ・デイヴィス『ビッチェズ・ブリュー』、オーネット・コールマン・トリオ『ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン』、エリック・ドルフィーとブッカー・リトルによる『アット・ザ・ファイヴ・スポット VOL.1』。オレンジ色のジャケットのは分からなかったので"Jazz Jam Session Orange"で画像検索したら『Jazz Norman Granz' Jam Session #2』(discogs)が出てきた。右端のも不明だが、このまま聴き続ければどこかで出会うだろう。楽しみだ。

・クライマックスのコンサートで、スウィングガールズたちが演奏するのは「ムーンライト・セレナーデ」、「メキシカン・フライヤー」、「シング・シング・シング」の3曲。2曲目を知らなかったのだけど、1966年にKen Woodmanというイギリス人ミュージシャンが彼の楽団と共に発表したアルバム『That's Nice』に収録されていた曲(YouTube)なのだそう。友子の妹が遊んでいたテレビゲーム「スペースチャンネル5 パート2」のテーマ曲(YouTube)としても採用されていたそうで、そうしたネタ的な意味も含めて選曲されたのかもしれない。
2014.02.25 Tuesday 23:58 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
Al Haig Trio『Invitation』

Al Haig Trio / Invitation
邦題: コンプリート・インヴィテーション
Label: Spotlite
Release: 1974

Personnel:
Al Haig - piano
Gilbert "Bibi" Rovere - bass
Kenny Clarke - drums

Recording Date: 1974.01.07

Song List:
01. Holyland
02. No Stranger Love [Bonus Track]
03. Sweet And Lovely [Bonus Track]
04. Invitation
05. Enigma
06. Sawbo City Blues
07. Wave [Bonus Track]
08. You Are My Everything [Bonus Track]
09. If You Could See Me Now
10. Sambalhasa
11. Have You Met Miss Jones [Bonus Track]
12. Daydream
13. Linear Motion
2014.02.25 Tuesday 00:00 | ジャズ | comments(0) | trackbacks(0)
スウィング・キッズ / Swing Kids

73点/100点満点中

ジャズ映画。ナチスドイツを舞台にした1993年の青春映画。若き日のクリスチャン・ベイルと、ケネス・ブラナーが出演している。製作費1900万ドル。

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大戦前夜の1939年ドイツ・ハンブルク。英国ファッションで決め、髪を長く伸ばし、敵性音楽のジャズを好む"スウィング・キッズ"と呼ばれる少年少女たちはダンスホールでジャズを全身に浴び踊っていた。しかし、戦争が始まると、ナチスを嫌っていたピーターやトーマスもナチ党の青年部ヒトラーユーゲントに入隊せざるを得なくなる。一方で仲良しだった足の不自由なアーヴィッドは頑なに時代に抗おうとする。
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ドイツを舞台にしていながら英語で話す(文字は独語)だとか時代考証がおかしいだとかはあるのだろうけれど、当時最新の音楽だったスウィングジャズをかっこいいものとして描き、今見ても魅力的な音楽のように映し出しているところがこの映画の魅力のひとつだ。それは、『グレン・ミラー物語』や『ベニイ・グッドマン物語』にはなかったものだ。ダンスホールで生バンドに合わせて踊るその躍動感がすさまじいからだろう。本当にあそこまで激しく踊ったのかはさておき、"ベニー・グッドマンこそがスウィングだ"というセリフそのままに、「シング・シング・シング」を最高にかっこいい音楽として映画の中で機能させている。

ジャズの歴史の一部でもある「ブルーノート・レコード」を創立したアルフレッド・ライオンは、1908年ベルリンで生まれ、ジャズと出会い、アメリカに憧れ年上の友人フランシス・ウルフと共にレコードを買いあさっていたそうだ。しかし、この映画でも描かれているように、ナチスの台頭によりジャズが退廃音楽とされ、ドイツに暗雲が垂れ込めていくのを嫌い、1937年アメリカに渡る。彼のインタビュー形式での自伝しか読んだことがないので、当時ドイツがジャズをどのように楽しんでいたのかは知らないが、本作の少年たちより20歳ほどは上の彼もまたピーターやトーマスのように女の子とジルバを踊っていたのかもしれないと想像するのは楽しい。ドキュメンタリー映画『ブルーノート物語』で、ミュージシャンたちはレコーディング中のふたりの様子を、音がスウィングし始めるとブースの中で彼らは踊り始めたと語っていた。ふたりがそうなるとその曲はいい曲だという証だったそうだ。

ライオンとウルフの話はともかく、ジャズを愛し、自由を知っていたはずの彼らが時代の荒波に飲み込まれていく。それは違うと持論を声高に発する勇気を持てるのか、迎合したふりをしながら心の中だけでも自分を保ち続けるのか、それとも強さこそが正義と分かりやすくも魅力的な風潮に流されるのか。これは何もドイツだけの話ではなくどこの国でも当てはまる話で本当に怖いことだ。

ヒトラーユーゲントに入隊してからすぐさま順応していくトーマスを当時18歳前後のクリスチャン・ベイルが憎らしさいっぱいに演じている。またラストシーンで思い出したのは『今を生きる』だったのだけど、主演のピーターに扮するのは同作で多分リーダー格だったロバート・ショーン・レナードとのこと(なにせ遠い昔に見たきりだけど、泣ける映画だったのはよく覚えている。机の上に立つシーンには滂沱)。そのピーターのガールフレンド役のトゥシュカ・バージェンはきれいな女優さんだけど、その後はあまり出ていないようで残念。

"スウィング・ハイル!"
2014.02.24 Monday 23:58 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
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