すばらしくてNICE CHOICE

暇な時に、
本・音楽・漫画・映画の
勝手な感想を書いていきます。
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2021.02.10 Wednesday | - | - | -
無料配信ミックステープ10月号(2015)
2015年8月に発表された国産ヒップホップを中心としたフリーダウンロード・ミックステープを紹介する(投げ銭/いい値[NYP]の作品も含む)。日本語ラップ専門情報サイト2Dcolvicsを主に参考にしている。



【】Young philip 『Downer music』
2015.10.01 / 全11曲35分 / mp3,flac,... / bandcamp
終了。



【】tofubeats 『POSITIVE instrumental / 2015 tofu's day exclusive』
2015.10.02 / 全13曲52分 / 320kbps / Twitter
無料配信終了。



【】VA 『SCHAU-ESSEN 2』
2015.10.03 / 全14曲*分 / mp3,flac,... / bandcamp




【】GEBO 『GEBO DUB Vol.1』
2015.10.03 / 全7曲31分 / mp3,flac,... / bandcamp
無料配信終了。



【】waniwave 『Wani vs World』
2015.10.04 / 全6曲*分 / mp3,flac,... / bandcamp




【】NF Zessho 『Weekly Loads # Complete Edition』
2015.10.07 / 全10曲*分 / mp3,flac,... / bandcamp
無料配信終了。



【】Active 『Tokyo Story』
2015.10.10 / 全8曲31分 / 160kbps / Twitter
無料配信終了。



【】KM 『滲まない / edge vol.1』
2015.10.10 / 全5曲*分 / mp3,flac,... / bandcamp
無料配信終了。



【】VA 『MATATABI Compilation vol.1』
2015.10.12 / 全7曲29分 / mp3,flac,... / bandcamp




【】DJ noonkoon 『SLO.EP』
2015.10.13 / 全6曲*分 / 320kbps/wav / HP




【】Ahos 『AhosBeat 2011〜2014』
2015.10.14 / 全14曲45分 / 192,256,320 / Twitter




【】LASTorder 『Seeking Soil』
2015.10.15 / 全8曲29分 / 320kbps / HP




【】LOCASALIA 『LOCASALIA Collection Oct.2015』
2015.10.15 / 全9曲30分 / 160kbps / audiomack




【】cola_drunk 『S.O.S』
2015.10.16 / 全5曲12分 / mp3,flac,... / bandcamp
終了。



【】Ryuei Kotoge 『Patchwork EP』
2015.10.17 / 全7曲*分 / mp3,flac,... / bandcamp




【】VA 『南熱海物語』
2015.10.19 / 全11曲22分 / mp3,flac,... / bandcamp
無料配信終了。



【】Young philip 『Imashime EP』
2015.10.22 / 全6曲16分 / mp3,flac,... / bandcamp
終了。



【】VA 『#トガリンピック第一回 キーライト杯 一回戦 筋肉』
2015.10.22 / 全17曲55分 / 160,320kbps / Twitter
終了。



【】BETAGAKI 『迷いの森』
2015.10.23 / 全5曲15分 / mp3,flac,... / bandcamp




【】WhaleBeats 『くじらりみくす』
2015.10.25 / 全10曲31分 / mp3,flac,... / bandcamp




【】ENAMAY(ex.YAMANE) 『PUBLIC ENAMAY』
2015.10.25 / 全11曲51分 / 128kbps / HP
終了。



【】ヱスケー 『歌わせていただく気持ち』
2015.10.25 / 全15曲37分 / mp3,flac,... / bandcamp




【】LocasaLilral 『Shinjuku EP』
2015.10.28 / 全9曲*分 / 160kbps / audiomack




【】ゆ〜きゅ〜 『portfolio-ちょうちん日記-』
2015.10.28 / 全6曲15分 / 192kbps / Twitter






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<まとめ>
2010年〜2011年1月〜9月分 Tegetther
2012年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2013年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2014年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2015年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月
・「JPRAP.COM presents "The Se7en Deadly Sins"」 →記事(2011.05.26記)
  2010年の主要フリーダウンロードミックステープについてもある程度まとめてある。
・「昨今の国産ヒップホップ・無料DLミックステープ事情」 →記事(2011.09.30記)
  2011年前半の作品に焦点を当てた記事。
・「VA『Fat Bob's ORDER vol.1』」 →記事(2011.10.07記)
  記事の最後に名古屋関連のミックステープをまとめた。
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2015.10.31 Saturday 23:59 | 音楽 | comments(0) | trackbacks(0)
沙村広明 『波よ聞いてくれ』第1巻

2015年5月発売。

沙村広明のデビュー作『無限の住人』は月刊誌「アフタヌーン」を購入していた頃に連載作のひとつとして読んではいた。ただ、それが面白いのかどうかはよく分からず、つい最近まで続いていた(2012年)と知って驚いている。それと、多摩美の油絵科を出ているというのも今ウィキを読んで知ったが、ジャンルを大きく変えられる(読んでないけど単行本の表紙は棚で見た)起用さはそういうことかと納得できた。

ともかく、これもSNSで教わった作品で、その前から気になってはいたのだけど、『無限の住人』の人という印象が強くてどうも手に取れなかったのだけど、まあそんなためらいは本当に無駄だった。つべこべいわずさっさと読むべき新作だ。


札幌のスープカレー屋でホールを担当するアルバイト店員・鼓田ミナレ25歳はひょんなことから地元のラジオ局のディレクター麻藤に見込まれ、ディスクジョッキーへと転身することに。


大まかな1巻のストーリーではあるが、その細部に詰め込まれたそれぞれの小話が秀逸で、それはセリフからも絵からも、カメへのエサ上げ指示書やラジオから流れる曲といった些細な点にもいかんなく盛り込まれている。そうしたぎっちぎっちの小ネタが怒涛の流れを作る。まだ1巻で物語自体が本当にラジオの話になるのか予断を許さないが、作品の持つ勢いは主人公ミナレが業界歴の長い麻藤に認められた才能そのものでもある。よどみなく話す天性の資質はもちろん、"音域が高く、人を安心させず、アジテーターじみた傲慢な響き"と評されるのだけど、主人公が実際にラジオに出演するシーンはまだ少ないものの、この1巻全体の印象は、まさにその引用通りの雰囲気になっている。これは面白くなりそう。
2015.10.31 Saturday 23:58 | 漫画 | comments(0) | trackbacks(0)
太田垣康男 『サンダーボルト』第6巻

2015年10月発売。

地球に降り、南洋同盟支配地域を進軍する地球連邦軍ペガサス級強襲揚陸艦スパルタンの前衛部隊が、南極でジオン残党の急襲される。前半は次々に時間をさかのぼる構成で、ガンキャノン・アクアを駆るビアンカ・カーライル少尉が活躍し、後半で我らが主人公のひとりイオ・フレミング少尉のアトラスガンダムが初陣を飾る。そして最後にはスパルタンの霊安室で合掌する兵士がひとり・・・。


相変らずの迫力ある戦闘シーンやディテールの細かさ(刺青のエピソードが特に良かった)に加えて、前半の変化を付けた構成の妙や、新キャラながら女性版イオみたいなビアンカの登場(コーネリアスの嫉妬)など読みどころが多く、今回も楽しいわけだけど、口絵のカラーページで飛躍するアトラスガンダムの図になんだか違和感覚えたのも事実で、これまで納得してきたゴテゴテしたデザインの太田垣版モビルスーツが少しどうなんだろうという疑問を持ち始めた。3本爪ならぬ4本もあるズゴックとか微妙な改良だけど、パワフルさが増していいんだけどね。
2015.10.30 Friday 23:57 | 漫画 | comments(0) | trackbacks(0)
烏丸匡 『ドールズ フォークロア』全3巻

2012年2月発売。      2012年7月発売。     2012年11月発売。

「月刊少年ライバル」で2011年9月号から翌年の10月号まで約1年間連載していた漫画。烏丸匡(現・カラスマタスク)の初連載作『REIDEEN』と次の『シャングリ・ラ』は原作ありきの作品だったが、この『ド−ルズ フォークロア』は初のオリジナル作となり、気合が入っていたのか設定がずいぶんと凝っていて面白い。


10年前に発生した108名の児童が連続失踪し、いまだ未解決のハーメルン事件。唯一の生存者・小山田要介は、事件以来悪霊が見える体質になっていた。霊に怯え引きこもりがちな要介の前に、退魔の力を持つ御崎カンノが現れる。悪霊の正体は人間の強い想いが生む"人形(ドール)"だと知らされた要介は彼女に同行し、10年前の事件で要介を助け行方不明となった"お姉ちゃん"と瓜二つのドール・マキナと出会う。


人間の強い想いが凝縮して悪霊/バケモノが生まれるという設定は古今東西ありふれたものだけど、例えば無念な想いを残して死んでいったかどうかという事実関係とは関係なく、その後に人々が怪談めいた噂話としてその物語(フォークロア)を伝えていくだけでも"ドール"が生まれる要因になるという設定はユニークだし、さらにその人々が創り出したイメージの先にはそのドールたちが進めないというのも面白い。

ストーリーを大雑把にまとめれば、主人公・要介がミサキ機関対人形管理局(エヴァのイメージを多分に借りてる)に所属し、カンノや仲間の力を借りながら、自分も被害にあった10年前の事件の真相を突き詰めていく。最凶ドール・マキナの誕生の秘密や創り出した人間の思惑、神の概念など風呂敷の広げ具合も悪くなく、全3巻ですっきり収まってはいるのだけど、すっきりし過ぎて余裕がない印象も受ける。ドール退治のエピソードはもう少し増やせそうだし、打ち切りだったのかあるいは1年とあらかじめ決められた長さだったのかは分からないが、もう少しこの世界観に浸りたい。それだけの容量はしっかり用意されているのだから。

ただ、最近の少年誌(でいいのかな?)の常なのか、やけに胸が大きくそれを強調したカットの羅列などいかにな"オタク"向けの絵には辟易させられる。また、主人公のキャラ付けを強くしたいのか、"ッス"を多用する話し方も最後まで引っかかった。バケモノであるドールの姿も独特で、絵柄そのものは良いもの持ってるし、それで設定もよくねられているわけで、なんだかもったいない。
2015.10.24 Saturday 23:57 | 漫画 | comments(0) | trackbacks(0)
佐々大河 『ふしぎの国のバード』第1巻

2015年5月発売。

これは良い漫画。『ダンジョン飯』や『A子さんの恋人』が掲載されている(ほぼ)月刊誌の「ハルタ」が気になって、最新号「ハルタ 2015 - OCTOBER volume 28」を買ってみたのだけど、これが面白くない。その2作が際立っていて、読み切りの作品でもいくつか光るものはあったが、連載物は軒並みダメだった。その中でも唯一良かったのが本作。ウィキで雑誌のページを見ると、"新人作家を中心に掲載するというコンセプトを持つ隔月刊の漫画誌として2008年10月14日に刊行を開始する。連載作品数の割に読み切り作品の数も比較的多いという珍しい誌面構成の漫画誌となった"とあったから生きの良い漫画家に出会えると期待しただけに残念だ。

明治初頭、まだ外国人の自由な旅行が認められていなかった時代に、伊藤鶴吉という通訳ひとりを従えて、蝦夷まで旅をし、『Unbeaten Tracks in Japan / 日本奥地紀行』を記した英国人女流冒険家イザベラ・バードの日本発見紀行漫画。

その旅行記を読んでいないので、どこからが創作なのか分からないが、江戸期までの奇跡的に純粋培養されていたような日本が、西洋文明と出会ったことで"ひとつの文明が滅びた"わけだけど、その端境期の人々の生活や慣習が切り取られている。とはいえ江戸までの日本が何も本当のこの国の姿ではないし、もともと中国や朝鮮半島からの文化を土台として発展した文明であり、"純粋培養"でもなんでもないわけだけど、それでもかつての日本の姿を垣間見られるのは面白い。

願わくば、外国人が日本を絶賛するのを映すだけの今の気持ち悪いテレビ番組のようにはならないで欲しい。当時の西洋人(もちろんそれは決して文明人というわけではない)が忌憚のない視点で見て感じとったことこそが興味深いのであり、勉強にもなるのだから。以前は、『菊と刀』を持ち出すまでもなく、そうした外国人の批評や感想をありがたく頂戴して教えられていたように思うのだけど、国が弱くなると持ち上げてもらうことに汲々として、何とも浅ましい限りだ。
2015.10.20 Tuesday 23:57 | 漫画 | comments(1) | trackbacks(0)
新井英樹 『なぎさにて』第1巻

2015年9月発売。

新井英樹。ご多分に漏れず『ザ・ワールド・イズ・マイン』は楽しんだし、ボクシング漫画『シュガー』『RIN』も好きだったけれど、『キーチ!!』は途中までで当然その続編『キーチVS』は手を付けられず、近作『SCATTER』も読んでいない。でもまあ今年は急に自分の中で漫画に目覚めてしまったし、ちょうど第1巻なのだからと手に取ってみたはいいが、どうにもハマれない。

世界各地に巨大な"豆の木"が突然生え始め、それがある日破裂すると飛び出た樹液で人々が死に、土壌も汚染させれていく。2011年に1本目が南アフリカ・ケープタウンに生えてから4年間で50万人が亡くなった。そして日本でも"豆の木"が伸び、その下で暮らす東京・下町の女子高生・杉浦渚は否が応でも世界の終わりを意識してしまう。顔が好みだからと名前も知らない男の子に告白するが・・・。

主人公・渚がこれまでの新井作品らしい(例えば石川凛)ひたすら落ち着かない言動のキャラクターで、その家族も露悪的でありながら同時に他者に気づかもできるみたいなどこかで見た性質のキャラばかりで新鮮味がない。そうなると救いは終末ものになるらしい設定のみだが、この1巻だけではどう転ぶかまだ分からない。とはいえ、『ザ・ワールド・イズ・マイン』のようにぶっ飛んだ漫画にならないのは確かだろう。
2015.10.11 Sunday 23:57 | 漫画 | comments(0) | trackbacks(0)
殺人の啓示 〜死を誘う男〜 / The Calling

点/100点満点中

スーザン・サランドン主演による2014年のカナダ産スリラー。サランドンの母親役で『エクソシスト』の少女リーガンの母親を演じたエレン・バースティンや、ドナルド・サザーランドも出演。DVDスルー作。

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カナダ・トロント郊外の静かな町フォート・ダンダスで4年ぶりの殺人事件が発生。女性署長ヘイゼルは被害者の老女ディーリア・チャンドラーの死体に残された不自然な口の形と、続いて起きた隣町チェンバレンで見つかった死体との類似点を手掛かりに、新任の刑事ベン・ウインゲートのひらめきもあり、事件が連続殺人だと気づく。目撃された不審車からサイモンと呼ばれる男が捜査線上に浮かぶが・・・。
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大きなスクリーンで見るには確かに地味な映画かもしれないが、DVDスルーというのはもったいないと思わせる、しっかりとしたいい映画だ。キリスト教をネタにするため、"七つの大罪"を模倣する連続殺人鬼が登場する『セブン』を連想させるし、実際にオープニングで掴みとなる遺体は十分に衝撃的ではある。が、本作は『セブン』に比べるとずっと静かだ。そして、時間を無駄にせず、物語を詰め込み、そうはいってもただ事実を追うのではなく、サランドン演じる女性警官ヘイゼルが抱える問題をも合わせて展開させていく。印象的に映し出す光景や音楽も効果的だ。

部下に出張させたり(マイルを使わせるなど妙に現実的)するものの、基本的には自分の足で獲物を追うという伝統的なハードボイルドな捜査の進め方をする。ただ、その主人公ヘイゼルの勘と、容疑者サイモン(ピーター)の神の御業かと思わせる行いがそれまでの丁寧な展開をひょいと凌駕してしまう場面が終盤に出てくるのは、オチは別にあれでいいのだけど、せっかく雰囲気は悪くないだけにもう少し丹念に進めても良かったにと思わせる。

腰のヘルニアの痛みに悩むヘイゼルはそれ以前には薬の過剰摂取で自殺未遂をしかけ、あるいは子供を亡くしたりと、様々な苦しみを負ってきた人物と描かれる。そんな彼女がこの事件の被害者たちの気持ちをある意味で理解し、さらには自分もまた・・・という危うい展開に違和感なく突き進むことができるのは名優スーザン・サランドンによるところが大きい。『ランナウェイ/逃亡者』でも、セリフで説明せず表情だけで固い信念を持つ現役活動家であることが分かる役を演じて切っていたが、今回も同様に彼女はヘイゼルを完全に自分のものにしている。
2015.10.07 Wednesday 23:58 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
藤田和日郎 『黒博物館 スプリンガルド』

2007年9月発売。

先月NHKの漫画番組「浦沢直樹の漫勉」で本作の続編(?)を執筆する藤田和日郎のを見た。目玉を入れ完成させるまで悪戦苦闘する様子は鬼気迫るものだったし、浦沢自身も驚いていた技法の数々などずいぶんと興味深く、楽しんだわけだけど、読者、あるいは「うしおととら」のリアルタイムのファンだった身としては、今もまだ面白そうな物語を描いているということに驚いたし、読まなければ!となったのだ。

そこでひとまず、その執筆中だった『黒博物館 ゴースト アンド レディ』ではなく、2007年に出版されていた『黒博物館 スプリンガルド』から。2007年といえば読み切りの単行本『邪眼は月輪に飛ぶ』が出た年でもあって、それは結構楽しく読んでいたのに、こっちは発売されたことすら知らなかった・・・。

ロンドン警視庁(スコットランド・ヤード)内にあり、関係者だけが見学できる「黒博物館」。そこには1837年から1年間にわたりロンドンを騒がせた「バネ足ジャック」の左足が所蔵されている。その日の見学者ロッケンフィールド警部は同館のキュレーターも知らないその由来を物語り始める・・・。

まさに"ゴシック活劇"で、持ち前の絵の迫力はもちろんのこと、ストーリーテリングぶりがたまらなく良い。藤田の持ち味だった青い正義感は、掲載雑誌が青年誌「モーニング」だったこともあるのか、いくぶん薄まりつつも、ダークヒーローならではの説得力が加わることで力強い正義感となっている。少年うしおと妖怪とらの関係と、ロッケンフィールド警部と貴族ウォルター・ストライドのそれは構造的に同じだし、女性が結局は添え物的になっているところも似ているが、それでも正攻法の物語はゆるぎない魅力をたたえ、漫画らしい活劇のデフォルメには惹きつけられる。あと、絵がだいぶうまくなっていて、というよりも整理されていて、「うしおととら」の頃に比べるとずいぶんと読みやすい。
2015.10.06 Tuesday 23:58 | 漫画 | comments(0) | trackbacks(0)
たかみち 『百万畳ラビリンス』上・下巻

2015年8月同時発売。

"人と関わるのが苦手な女子大生・礼香はゲーム会社でバグ探しのアルバイトをしていたが、ある日気づくとルームメイトの庸子と共に木造迷路に迷い込んでいた"というSFミステリー漫画。10月初旬の朝日新聞の書評で見て購入したのだけど、すでに2刷だったし売れているようだ。

同じような部屋がどこまでも連なる設定としては映画『CUBE』が真っ先に思い浮かぶし、畳の部屋からは森見登美彦の小説『四畳半神話大系』も連想できる。同時に、ネタバレ的にはなるが、"実世界"、"表世界"という世界観には映画『マトリックス』、あるいは最近ちょうど見たばかりの低予算ながらもなかなかよく出来ていたSF映画『シグナル』を思い出させもする。

しかし、そこにバグというゲームやコンピューターの要素を盛り込んだのがユニークだし(まあ『マトリックス』もそうか)、何より大事なのはオチで主人公はこの後どうなるのだろう・・・という逃げ(『シグナル』は仕方ないとはいえそういうオチだった)に出るのではなく、単行本2冊分の中でキッチリ描き切ったことだと思う。当初はただの不思議ちゃんなだけに思えた主人公・礼香の特質がよく生かされているし、彼女のいくばくかの成長(もともとの素質も大きい)を盛り込みつつ、少年漫画やラノベ(ほとんど読んでないから言及してはいけないのだろうけど)によくある実生活では冴えない主人公が大活躍するという夢見がちな妄想をも、女の子を主人公にするという変化球は加えられているものの、丁寧にすくいとり、なおかつSF設定もよく出来ているわけで(ちゃぶ台合わせ鏡)、ハリウッドで映画化されても面白そう。
2015.10.05 Monday 23:58 | 漫画 | comments(1) | trackbacks(0)
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今日も愚痴り中