すばらしくてNICE CHOICE

暇な時に、
本・音楽・漫画・映画の
勝手な感想を書いていきます。
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Lee Morgan『Candy』

Lee Morgan / Candy
Label: Blue Note
Release: 1958

Personnel:
Lee Morgan - trumpet
Sonny Clark - piano
Doug Watkins - bass
Art Taylor - drums

Recording Date:
1957.11.18: Tr.2, 6-7
1958.02.02: Tr.1, 3-5

Song List:
01. Candy
02. Since I Fell For You
03. C.T.A.
04. All The Way
05. Who Do You Love, I Hope
06. Personality
Bonus Track
07. All At Once You Love Her


『ブルーノート100名盤』(2009)掲載のランキングで8位になった"クリフォード・ブラウンの再来"リー・モーガンのブルーノートで6枚目、通算7枚目のアルバム。わずか18歳の1956年11月にファーストアルバムのレコーディングをし、そのちょうど1年後に録音したのが本作となるわけで、その快進撃ぶりが推し量れるというものだ。

ブルーノート2枚目の『Lee Morgan Sextet』や続く『Lee Morgan Vol.3』(「I Remember Clifford」は素晴らしすぎるが)では指導者Benny Golsonを始めとした先輩ミュージシャンにともすれば食われかけてる印象だったが、ワンホーンだということもあるが、本作ではすでに自信みなぎる吹き込みを発揮していて、その溌剌とした音に思わずニヤけてくる。

ジミー・ヴァン・ハウセンとサミー・カーンのコンビによるバラード曲M4での哀愁帯びたモーガンの注意深いプレイとソニー・クラークの洒脱な旋律が本作の聴きどころ。
2014.06.02 Monday 00:01 | ジャズ | comments(0) | trackbacks(0)
ブルーノート・ベスト50

2009年1月に平凡社新書の1冊として出版された『ブルーノート100名盤』の中に、ブルーノートクラブ(そういうのがあるらしい)が中心となって集計した、ブルーノート・レーベルからリリースされたアルバムだけのランキングが載っている。投票者に好きなアルバムを3枚選び、順位をつけてもらい、1位に3点、2位2点、3位に1点という具合に点数をつけ、それを集計したものが以下となる。順位に続く括弧内は点数。本当は100枚選ばれているのだけど、打ち込むのが手間なので、51枚以下はおいおいで。

油井正一のジャズ本を参考に1985年までの彼が選ぶ重要盤を駆け足で聴いてきたが、次はこのランキングを参考に聴いてみようと思う。上位のアルバムは油井セレクトとかぶっているので、それ以外のアルバムとなるわけだけど。


1位 (90) John Coltrane 『Blue Train』 →記事
2位 (90) Cannonball Adderley 『Somethin' Else』 →記事
3位 (70) Sonny Clark 『Cool Struttin'』 →記事
4位 (57) Art Blakey And The Jazz Messengers 『Moanin'』 →記事
5位 (51) Herbie Hancock 『Maiden Voyage / 処女航海』 →記事
6位 (47) Sonny Rollins 『A Night At The Village Vanguard』
7位 (41) Eric Dolphy 『Out To Lunch』 →記事 / ヴィレッジ・ヴァンガードの夜』 →記事
8位 (36) Lee Morgan 『Candy』 →記事
9位 (35) Hank Mobley 『Soul Station』 →記事
10位 (31) Art Blakey Quintet 『A Night At Birdland Vol.1 / バードランドの夜Vol.1』
                                                 →記事
11位 (25) Lee Morgan 『The Sidewinder』 →記事
12位 (23) Bud Powell 『The Scene Changes』 →記事
13位 (22.5) Bud Powell 『The Amazing Bud Powell』 →記事
14位 (22) Art Blakey & The Jazz Messengers 『A Night In Tunisia / チュニジアの夜』
15位 (22) Kenny Burrell 『Midnight Blue』 →記事                 →記事
16位 (21) Wayne Shorter 『Speak No Evil』 →記事
17位 (21) Herbie Hancock 『Empyrean Isles』 →記事
18位 (21) Bobby Hutcherson 『Happenings』 →記事
19位 (20) Herbie Hancock 『Speak Like A Child』 →記事
20位 (19) Dexter Gordon 『Gettin' Around』 →記事

21位 (19) Art Blakey & the Jazz Messengers 『Mosaic』 →記事
22位 (18) Donald Byrd 『Fuego』 →記事
23位 (18) Horace Parlan 『Us Three』 →記事
24位 (17.5) The Ornette Coleman Trio 『At The Golden Circle Stockholm Volume 1
                  / ゴールデン・サークルのオーネット・コールマンVol.1』 →記事
25位 (17) Horace Silver 『Blowin' The Blues Away』 →記事
26位 (17) Hank Mobley 『Dippin'』 →記事
27位 (17) The Horace Silver Quintet 『Song For My Father』 →記事
28位 (16) Jackie McLean 『Demon's Dance』
29位 (16) Sonny Rollins 『Newk's Time』
30位 (16) Sonny Rollins 『Sonny Rollins, Vol. 2』 →記事

31位 (14) Stanley Turrentine & The Three Sounds 『Blue Hour』
32位 (14) Tina Brooks 『True Blue』 →記事
33位 (14) Lee Morgan 『Lee Morgan Vol.3』 →記事
34位 (14) Hank Mobley 『Roll Call』
35位 (13) Jackie McLean 『Swing, Swang, Swingin'』 →記事
36位 (13) Duke Jordan 『Flight To Jordan』 →記事
37位 (12) Kenny Dorham 『'Round About Midnight At The Cafe Bohemia Volume 1
38位 (12) Dexter Gordon 『Go!』 →記事  / カフェ・ボヘミアのケニー・ドーハム』 →記事
39位 (12) Art Blakey Quintet 『A Night At Birdland Vol.2 / バードランドの夜Vol.2』
                                                 →記事
40位 (11) Clifford Brown 『Memorial Album』 →記事
41位 (11) Paul Chambers 『Bass On Top』 →記事
42位 (10) Kenny Dorham 『Afro-Cuban』 →記事
43位 (10) Jackie McLean 『Let Freedom Ring』 →記事
44位 (10) Johnny Griffin 『Introducing Johnny Griffin』 →記事
45位 (10) Herbie Hancock 『Takin' Off』
46位 (10) Jutta Hipp 『At The Hickory House Volume 1
47位 (10) Jimmy Smith 『Midnight Special』    / ヒッコリー・ハウスのユタ・ヒップVol.1』
48位 (10) Duke Pearson 『Sweet Honey Bee』
49位 (10) Horace Silver 『Horace-Scope』
50位 (09) Dexter Gordon 『Dexter Calling』
2014.06.02 Monday 00:00 | ジャズ | comments(0) | trackbacks(0)
Ella Fitzgerald & Louis Armstrong『Ella And Louis Again』

Ella Fitzgerald & Louis Armstrong /
Label: Verve
Release: 1957

Personnel:
Ella Fitzgerald - vocals
Louis Armstrong - vocals, trumpet(Tr.3-4, 6, 11-12)
Oscar Peterson - piano
Herb Ellis - guitar
Ray Brown - bass
Louie Bellsonh - drums

Recording Date:
Tr.1, 5, 8-10: 1957.08.13
Tr.2-4, 6-7, 11-12: : 1957.08.23

Song List:
01. Don't Be That Way / その手はないよ
02. They All Laughed / 皆笑った
03. Autumn In New York
04. Stompin' At The Savoy / サヴォイでストンプ
05. I Won't Dance
06. Gee Baby Ain't I Good To You
07. Let's Call The Whole Thing Off
08. I've Got My Love To Keep Me Warm / 恋に寒さを忘れ
09. I'm Putting All My Eggs In One Basket
10. A Fine Romance
11. Love Is Here To Stay / 我が恋はここに
12. Learnin' The Blues


"ジャズの王様"ルイ・アームストロングと"ジャズのファーストレディ"エラ・フィッツジェラルドの共演作第2弾。前年の1弾の高評価を受けて2枚組に増量して制作されたアルバムなのだけど、私が聴いたのは全19曲が収録されたバージョンではなく、それぞれがソロを取る曲を抜き、デュエット曲だけで構成された全12曲のもの。2枚組LPサイズの方を聴いたことがないので比較しようもないが、55分の本作もさらりと聴けて楽しめる。

当時から見れば約20年も前の1930年代の曲が多く取り上げられている。サッチモの味わい深いだみ声が素敵なM3、エラの陽気なスキャットに惹かれるM4、演奏も含めよくスィングしているM5、トマトやポテトなどの分かりやすい英単語をふたりで掛け合うM7は実に愛らしく楽しい。M8は多分一番の収穫で、ちょっと性急な音なのに、寒い雪の日に聴くと心も体も暖かくなるような琴線に触れる何かがある。コード進行だろうか。ポカポカしてくるメロディなのだ。痰が絡まってるのか心配になるギリギリの歌唱でサッチモらしさを、すっきりとした女性らしいかわいらしさでメロを引き立てるエラ、とふたりのボーカルの味が見事に生きるM11もいい。

本作を聴こうと思ったのは村上春樹『ポートレイト・イン・ジャズ』のエラの項で、1作目の方ではなく本作が紹介されていたからなのだけど、先ほど読み直してみたら、"舞台でいえば、熱唱を終えたルイが拍手に送られて楽屋にさがり、エラがひとり静かにステージ中央に歩み出て、照明がすうっと暗くなる"イメージで歌っているとエラがソロで歌った「思い出のたね」を称賛していた・・・。本作のプロデューサー、ノーマン・グランツについても、"こういうちょっと臭いめの演出がうまい"と褒めながら。

そんなわけで、村上が絶賛していたエラのボーカルもオスカー・ピーターソンの絶妙な合いの手も聴けなかったわけだけど、これはこれで十分満足を得られるアルバムだったから結果オーライだ。ボーカル物はまだ満足に聴けてないが、なかなか悪くないことも知った。
2014.06.01 Sunday 00:00 | ジャズ | comments(0) | trackbacks(0)
Oliver Nelson『More Blues And The Abstract Truth』

Oliver Nelson / More Blues And The Abstract Truth
邦題: 続ブルースの真実 +2
Label: Impulse!
Release: 1965

Personnel:
Oliver Nelson - arranger, conductor
Thad Jones - trumpet
Daniel Moore - trumpet (Tr.1, 5)
Phil Woods - alto sax
Phil Bodner - tenor sax, english horn
Ben Webster - tenor sax (Tr.4, 7)
Pepper Adams - baritone sax
Roger Kellaway - piano
Richard Davis - bass
Grady Tate - drums

Recording Date:
Tr.1-3, 5, 10: 1964.11.11
Tr.4, 6-9: 1964.11.10

Song List:
01. Blues And The Abstract Truth / ブルースの真実
02. Blues O'Mighty
03. Theme From Mr. Broadway / ミスター・ブロードウェイのテーマ
04. Midnight Blue
05. The Critic's Choice
06. One For Bob
07. Blues For Mr. Broadway / ミスター・ブロードウェイのブルース
08. Goin' To Chicago Blues
Bonus Track
09. Night Lights
10. One For Phil


前作『The Blues And The Abstract Truth』の高評価を受けて、その約4年後に制作された続編。映画にしても2作目は駄作だというのが相場だ。音楽で続編というのはあまり聴かないが、メンバーを一新させ、オリバー・ネルソン自身は楽器での参加をしなかった本作は、悪くはないけれど、前作にあったスルメ感はなく、ブルーズを演奏しているアルバムそれだけに留まる。正直いえば期待していなかったので、がっかり感はないにしろ、それでもアンサンブルの妙を聴かせて欲しかった。フレディ・ハバードは偉大だったということか。
2014.05.31 Saturday 00:00 | ジャズ | comments(0) | trackbacks(0)
Lee Morgan『The Gigolo』

Lee Morgan / The Gigolo
Label: Blue Note
Release: 1966

Personnel:
Lee Morgan - trumpet
Wayne Shorter - tenor sax
Harold Mabern - piano
Bob Cranshaw - bass
Billy Higgins - drums

Recording Date:
Tr.2: 1965.06.25
Tr.1, 3-6: 1965.07.01

Song List:
01. Yes I Can, No You Can't
02. Trapped
03. Speed Ball
04. The Gigolo
05. You Go To My Head
Bonus Track
06. The Gigolo (alternate take)


1938年7月フィラデルフィア生まれのリー・モーガンは、1956年11月に録音された『Lee Morgan indeed!』でブルーノートからデビュー。わずか18歳。"クリフォード・ブラウンの再来"と呼ばれたそうで、名声を欲しいままに1958年にはアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズに参加。あの名盤中の名盤『Moanin'』でも快活に吹いている。翌年に本作でテナーサックスで参加のウェイン・ショーターがバンドに加わり、一時期共に活動していた。しかし、1961年、彼は麻薬で体調を悪くし、故郷に一時戻ることに。1年半ほどの休養を取り、ニューヨークに戻ってきた彼はロックの8ビートを取り入れた『The Sidewinder』を1963年12月にレコーディング。ビルボードの総合アルバムチャートで最高位25位まで上り、復活を高らかに宣言すると共にインディーズレーベル・ブルーノートの財政を救った(と同時に自主レーベルの限界も明らかに)。

ジャズロックの流行を決定づけた『The Sidewinder』を聴いた時にロックというにはキックが弱く、こんなものかと落胆していたら、それならアルバム『Cornbread』を試してみたらと親切な方から教わったのだけど、なぜか手に取ったのはその前年の作品となる本作。『The Sidewinder』から数えると間に3枚分のレコーディングをしているが、後年リリースされるもそのうち2枚はお蔵入りになっていたので、大ヒット盤後の2作目がこの『The Gigolo』になる。

ジャケットがブルーノートらしくない。撮影はレーベルオーナーのアルフレッド・ライオンの右腕フランシス・ウルフの手によるが、デザインにリード・マイルスがクレジットされていない。録音された1965年にレーベルは大手のリバティーレコードの傘下に入っていて、レコーディング方法自体はライオンのこれまでの流儀でやれたそうだが、それでも影響はあったということだろうか。そのライオンも1967年7月28日の録音を最後に一線を退いた。

ベースとドラムは『The Sidewinder』の布陣のままで、モーガンは軽快にトランペットを歌わせる。どの曲でもひらめきのあるフレーズを聴かせはするし、よくまとまっている演奏は時に非常に情熱的だ。ただ、曲単位でこれというものがないまま流れていく。
2014.05.30 Friday 00:00 | ジャズ | comments(0) | trackbacks(0)
Hank Mobley『Dippin'』

Hank Mobley / Dippin'
Label: Blue Note
Release: 1965

Personnel:
Lee Morgan - trumpet
Hank Mobley - tenor sax
Harold Mabern - piano
Larry Ridley - bass
Billy Higgins - drums

Recording Date: 1965.06.18

Song List:
01. The Dip
02. Recado Bossa Nova
03. The Break Through
04. The Vamp
05. I See Your Face Before Me / あなたの面影
06. Ballin'


1930年7月生まれのテナーサックス奏者ハンク・モブレーが34歳の時に録音したリーダー作。愛されキャラのようで、"超一流というわけではないけれど"といった枕詞を置かれながらも、でも愛聴しているミュージシャンと紹介されることが多い。本作はM2のおかげで当時ジャズ喫茶で人気盤だったという。

ブルーノート作品らしく序盤の加速性が良いアルバムで、ジャズロック調だという(まだいまいち分かっていない)M1の軽快さ、キャッチーさといったらない。モブレーのオリジナルであり、作曲者としてももっと評価されていいように思う。そして、目玉となるM2は曲名からも分かるように、当時人気絶頂を迎えていたボサノヴァを意図しているようだが、先日聴いていたスタン・ゲッツのそれと比べると元気すぎる。どちらかといえば、M1の続きだ。レコードならB面1曲目に当たるM4でまた勢いを取り戻す。この曲の中盤以降のジャムり具合は非常に良い。参加メンバーからリラックスした雰囲気を引き出す点がモブレーの魅力なのかもしれない。モブレーより8歳若いにも関わらずレコーディングキャリア的にはほとんど変わらないリー・モーガンは人生の先輩が人当たりが良いことをいいことに、時に主役の座を奪いそうになるほどどの曲でもすっ飛ばしていて楽しい。好盤。
2014.05.29 Thursday 00:00 | ジャズ | comments(0) | trackbacks(0)
Anthony Williams『Life Time』

Anthony Williams / Life Time
Label: Blue Note
Release: 1964

Personnel:
Sam Rivers - tenor sax (Tr.1-3)
Herbie Hancock - piano (Tr.4-5)
Bobby Hutcherson - vibraphone, marimba (Tr.4)
Richard Davis - bass (Tr.1-2)
Gary Peacock - bass (Tr.1-3)
Ron Carter - bass (Tr.5)
Anthony Williams(Tony Williams) - drums, percussion (Tr.5 omit)

Recording Date:
Tr.1-3: 1964.08.21
Tr.4-5: 1964.08.24

Song List:
01. 2 Pieces Of One: Red
02. 2 Pieces Of One: Green
03. Tomorrow Afternoon
04. Memory
05. Barb's Song To The Wizard


1945年12月シカゴ生まれの早熟ドラマー。本名はAnthony Tillmon Williams。翌年の2作目『Spring』まではアンソニー・ウィリアムス名義でクレジットされているが、それ以降はTony Williamsになる。1955年「Only You」(YouTube)が大ヒットし、50年代に人気を博したコーラスグループThe Plattersにトニー・ウィリアムスという名前のメンバーがいたため、最初期は本名のアンソニー名義を使っていたそうだ。

13歳の時には23歳も年上のテナーサックス奏者サム・リヴァース(本作の前半3曲で参加)と活動を始め、演奏を見たツアー中のジャッキー・マクリーンが1962年12月彼をニューヨークに呼び寄せる。翌年にはマイルズ・デイヴィスの目に留まり、1969年まで彼のバンドでプレイすることになる。本作はマイルズのバンドで活躍を始めた直後の1964年わずか18歳の時の作品となる。

マイルズのケツを追いたてた高速ビートは鳴りを潜め、作曲家、あるいは現代音楽家としての野心が前面に出て、いわゆるフリージャズ、前衛音楽だ。一応二分割されている18分にもなる「2 Pieces Of One」では2本のベースが導入されたり、マイルズでのバンド仲間ハービー・ハンコックとロン・カーターを呼んだM5では当の本人が参加していない。ありあまる才能からか、あるいは若さゆえか、当時の風潮もあるにせよ、頭でっかちの音楽でそういう時代だったのねで終わる。ジャケットの渋さは完全にブルーノートのものだが、アルフレッド・ライオンがよくこれを出そうと決意したと不思議にもなる。多少はスウィングしているM3があるからか、先物買い的にまっいっかとなったのか。
2014.05.28 Wednesday 00:00 | ジャズ | comments(0) | trackbacks(0)
Stan Getz & Charlie Byrd『Jazz Samba』

Stan Getz & Charlie Byrd / Jazz Samba
Label: Verve
Release: 1962.04.20

Personnel:
Stan Getz - tenor sax
Charlie Byrd - guitar
Gene Byrd - guitar, bass
Keter Betts - bass
Buddy Deppenschmidt - drums
Bill Reichenbach Sr. - percussion

Recording Date: 1962.02.13

Song List:
01. Desafinado
02. Samba Dees Days
03. O Pato / 鵞鳥のサンバ
04. Samba Triste / 悲しみのサンバ
05. Samba de Uma Nota Só / ワン・ノート・サンバ
06. É Luxo Só
07. Baia


スタン・ゲッツのボサノヴァ・アルバム。ボサノヴァはギターの軽快な音が爽やかな音楽というイメージで自分とは無縁と思っていたが、こうして聴くようになるとはつくづく分からないものだ。伝統音楽サンバにモダンジャズを融合させ"都会的な味付け"をさせた新しいサンバがボサノヴァであり、1950年代中盤からブラジルのリオデジャネイロで始まり、1958年に「Chega de Saudade / 想いあふれて」がブレイクしたことでブラジル全土に広まった。ボサノヴァというジャンル名は、本作の1曲目でカバーされている「ディサフィナード」の歌詞にある"Bossa Nova"(新しい感覚/傾向)に由来するそうだ。

1927年生まれのスタン・ゲッツは15歳でプロデビューして以降、スタン・ケントン楽団、ベニー・グッドマン楽団、ウディ・ハーマン楽団を渡り歩き、クールジャズの旗手と目された白人テナーサックス奏者だったが、次第に麻薬に足を取られお決まりの転落が始まる。1954年にはモルヒネを狙って薬局への武装強盗事件を起こし逮捕されている。"ヘロイン中毒で実刑判決を受け、半年間の服役生活"後にスウェーデンで暮らし始める。34歳になった1961年ようやく帰国を果たす。そして復活第1作として制作されたのがこの『ジャズ・サンバ』だ。グラミー賞ではM1で最優秀ジャズ・インストゥルメンタル・パフォーマンス賞を受賞している。

翌年には、ここで2曲カバーしているアントニオ・カルロス・ジョビンも参加し、本作以上のヒットを収めたボサノヴァ路線第2作目『Getz/Gilberto』が作られる。

その『Getz/Gilberto』は流行しただけでなくグラミーでも高評価を受けたわけだけど、ボサノヴァの大御所とのコラボ作ということで、歌に比重が割かれ、ゲッツのテナーが添え物になっている。その点で、本作はいち早くボサをアメリカに紹介したギターリスト、チャーリー・バードとのバランスが優れ、本物のボサではないのかもしれないが、ゲッツ本来のかっこよさを堪能できる。邪魔にならず、場がお洒落に早変わりする機能的な音楽。
2014.05.27 Tuesday 00:00 | ジャズ | comments(0) | trackbacks(0)
Eric Dolphy - Booker Little Quintet『At The Five Spot Vol.2』

Eric Dolphy - Booker Little Quintet / At The Five Spot Vol.2
Label: Prestige
Release: 1961

Personnel:
Booker Little - trumpet
Eric Dolphy - bass clarinet(Tr.1), flute(Tr.2)
Mal Waldron - piano
Richard Davis - bass
Ed Blackwell - drums

Recording Date: 1961.07.16 Live at the Five Spot, NYC

Song List:
01. Aggression
02. Like Someone In Love


1928年生まれのエリック・ドルフィーが1961年7月、33歳にして初めて自分のグループを10歳年下のブッカー・リトルとの双頭コンボ・"エリック・ドルフィー=ブッカー・リトル・クインテット"として結成。その翌月にニューヨークのファイブ・スポット・カフェでお披露目公演を行った。本作の2曲が収録された7月16日は11曲が演奏され、そのうちの9曲が『At The Five Spot Vol.1』『Memorial Album』『Here And There』、そしてこの盤の計4枚に分散収録された。大いに注目を集めたそうだが、約3ケ月後の同年10月5日、リトルがわずか23歳の若さで病死し、クインテットは解散してしまう。その後ドルフィー自身も1964年3月20日ベルリンで亡くなる。

1曲目がバスクラリネット、2曲目はフルートを演奏するドルフィーはいつも通りのアバンギャルドさだ。特にフルートでの自由な演奏ぶりは時代もあったのだろうなと思わせるフリーキーさで、その辺りが今でも支持されるゆえんだろうし、同時に受け付けない部分でもある。"まともに"吹いているリトルを好ましく思えてしまう。スタンダードのそのM2があるおかげなのか、『Vol.1』よりは聴きやすいかもしれない。
2014.05.26 Monday 00:00 | ジャズ | comments(0) | trackbacks(0)
Art Farmer & Benny Golson『Meet The Jazztet』

Art Farmer & Benny Golson / Meet The Jazztet
Label: Argo
Release: 1960

Personnel:
Art Farmer - trumpet
Benny Golson - tenor sax
Curtis Fuller - trombone
McCoy Tyner - piano
Addison Farmer - bass
Lex Humphries - drums

Recording Date: 1960.02.06,09-10

Song List:
01. Serenata
02. It Ain't Necessarily So
03. Avalon
04. I Remember Clifford
05. Blues March
06. It's All Right With Me
07. Park Avenue Petite
08. Mox Nix
09. Easy Living
10. Killer Joe


アート・ファーマー、ベニー・ゴルソン、カーティス・フラーの3管を売りにしたコンボ・"ジャズテット"は1959年11月に結成され、本作はそのファーストアルバムとなる。フラーは半年とたたずに抜けるが、ファーマーとゴルソンを中核に、メンバーを変えながら1962年末の解散まで続く。ゴルソン・ハーモニーと呼ばれる、"ユニゾンを基調にしたシンプルながらも軽快さと重厚さをあわせ持ったアンサンブル"で魅了し、ここで提示された3管編成はアート・ブレイキー率いるジャズ・メッセンジャーズやキャノンボール・アダレイ・グループにも影響を与えた。

これは好きになれるアルバム。1枚通して平均点が高いのがいい。ジャズの名盤と称される作品でも全曲素晴らしいのはやはり少なくて、数曲が突出して良くて、それに引っ張られて名作とされている印象は否めない。その点で本作は、その突出した1曲がなくても、ゴルソンが1曲ずつ丹念に磨いて平均値を上げている。ジャズを1年聴いてきてそういうアルバムが自分の好みであることを理解した。
2014.05.25 Sunday 00:00 | ジャズ | comments(0) | trackbacks(0)
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