すばらしくてNICE CHOICE

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ペイド・バック / The Debt

61点/100点満点中

2010年の米国映画。スパイサスペンス。2007年のイスラエル映画『HaHov』のリメイク。監督は『恋におちたシェイクスピア』『コレリ大尉のマンドリン』のジョン・マッデン。主演は『英国万歳!』『クィーン』『消されたヘッドライン』のヘレン・ミレン。共演には同じく名優トム・ウィルキンソン。ふたりの若年期には『ツリー・オブ・ライフ』でブラッド・ピットの奥さん役を演じたジェシカ・チャステイン、目覚ましい活躍を見せているサム・ワーシントン。他に「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズでエルフのケレボルンを演じたマートン・チョーカシュや、「007」シリーズのミスター・ホワイト役イェスパー・クリステンセン。製作費2000万ドル。DVDスルー作。

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1965年、イスラエルの諜報機関モサドの工作員レイチェル・シンガーとデビッド・ペレツ、ステファン・ゴールドの若い3人は、収容所での人体実験の罪で戦犯となっている元ナチス科学者ディーター・フォーゲルを拉致し母国で裁判にかけるべく東ベルリンに潜伏する。誘拐には成功するが、その後ヴォーゲルが逃亡を試みたために射殺せざるを得なかった。しかし帰国した彼らは英雄として讃えられた。30年以上の月日が流れた1997年。前の晩に久し振りに再会したデビッドが自殺したことをレイチェルは知る。東ベルリンでの作戦にまつわる重大な秘密が関与していた。
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アメリカの2011年9月5日付興行成績ランキングで初登場2位(1位は本作でも活躍しているジェシカ・チャステインが出演した『ヘルプ 心がつなぐストーリー』でV3達成)となり、3週にわたりトップ10にランクインし続けた作品。あらすじを見ると、最近のド派手なアクションシーン満載のスパイ映画とは違い、『裏切りのサーカス』のようなひりひりとした緊張感で満たされる静かなスパイサスペンスと期待していたものだから若干の肩透かしに合うが、各俳優の確かな演技力もあり、最後まで緊張の糸が途切れない作品ではある。

1997年の現代のイスラエルと、東西冷戦真っ只中の1965年の東ドイツ・ベルリンが描かれる。第二次世界大戦中にヒトラーの号令の元で行われたユダヤ人の大量虐殺。それに関わった元ナチ党員は戦犯として裁かれたが、多くの元党員は国外に逃亡した。本作のディーター・フォーゲルのモデルにもなっている収容所で残虐な人体実験を繰り返したヨーゼフ・メンゲレ(wiki)もそのひとりで、彼の場合は最後までイスラエルの手には墜ちず、ブラジルで客死した。

大物戦争犯罪人を執念深く追い詰めるモサドの若き3人の工作員が東ベルリンで残した負債(debt)が元で、30年後にその支払いを迫られる話となる。社会主義国家として西側と対立していた東ベルリンでの隠密行動となるわけで、スパイ要素は多分にあるのだけど、若い男女の物語が絡み出してしまい、そこにこそ本作の面白みがあると理解はしても、地味ながらこれだけ実力のある俳優たちを揃えたわけなのだから、もっと大きな仕掛けのある物語であって欲しいと思ってしまうのが正直なところだ。

若さゆえに自分勝手で傲慢で、同時に自分たちの将来を憂えて国のためにという大義に流れてしまう。若者だけではなく人間誰しもがそうなのかもしれないが、民族の仇討ちという使命感に燃え最前線に立った者たちが下した結論としてはいささか貧しいものだし、映画のラストにもう一度下す結論もまた自分勝手だ。スパイ映画にある自己犠牲を求められる非情さという非日常的であるがゆえに映画としてはエンターテイメントになり得る面白さが圧倒的に足りない。

30年後の老いたレイチェルを演じるヘレン・ミレンが昔取った杵柄で頑張るシーンがある。彼女はブルース・ウィルス主演による引退した凄腕諜報員たちが再び集結し活躍する映画『RED/レッド』にも出演していて、ほとんど同時期に似たような役を演じたことになる。
2012.08.16 Thursday 23:58 | 映画 | comments(0) | trackbacks(1)
スティーヴン・キングが選ぶ2011年トップ20
2011年12月28日に連載中の米エンターテインメント・ウィークリー誌のコラムで発表された今年のランキング。昨年まではジャンルごとのトップ10だったが、今年はオールジャンルでのトップ20になった。

1.「ブレイキング・バッド」(TV)
2.『マージン・コール』(movie)
3.Mayer Hawthorne『How Do You Do』(album)
4.「Sons of Anarchy」(TV)
5.Paul Murray『Skippy Dies』(novel)
6.Fountains Of Wayne『Sky Full of Holes』(album)
7.『ペイド・バック』(movie)
8.Ready for Confetti『Ready for Confetti』(album)
9.T.C. Boyle『Talk Talk』(novel)
10.Philip Caputo『Crossers』(novel)
11.「リベンジ」(TV)
12.Linwood Barclay『The Accident』(novel)
13.『ツリー・オブ・ライフ』(movie)
14.『リンカーン弁護士』(movie)
15.Mikis Michaelides「Get that snitch」(song)
16.Justin Evans『White Devil』(novel)
17.『ファイナル・デッドブリッジ』(movie)
18.「The Hour」(TV)
19.「ウォーキング・デッド」(TV)
20.Adele「Rumor Has It」(song)


テレビシリーズと本業の小説が目立つが、映画は全部で5作。

2位 『マージン・コール
7位 『ペイド・バック
13位 『ツリー・オブ・ライフ
14位 『リンカーン弁護士
17位 『ファイナル・デッドブリッジ

リーマンショック前夜を描いたサスペンス『マージン・コール』は日本では劇場未公開で2月にDVDが出る。評判がいいだけに楽しみ。
2011.12.28 Wednesday 00:00 | | comments(0) | trackbacks(0)
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